『ヴィジョンクエスト』第4話では、ヴィジョンとトーマスが「ブッチャーバード」と呼ばれる連続殺人事件を追います。

被害者たちを結ぶのは、スターク・インダストリーズが利用した初期AI技術でした。事件はヴィジョンの内部にいるAIたちの起源へつながり、終盤ではヴィジョンが最も恐れていたウルトロンへ身体の制御を渡すことになります。

ここから先は『ヴィジョンクエスト』第4話の結末までのネタバレを含みます。

『ヴィジョンクエスト』第4話のあらすじ

ブッチャーバード事件を追うヴィジョン

ロンドンでは、犠牲者の周囲に大きな翼の模様を残す連続殺人が発生していました。報道は犯人を、獲物を枝や棘へ突き刺す鳥になぞらえて「ブッチャーバード」と呼びます。

第3話の終盤、ヴィジョンへ接続した女性型シンセゾイドは、強い怒りと執着を抱えていました。ヴィジョンは彼女こそブッチャーバードだと考え、次の標的を突き止めようとします。

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ヴィジョンが頭の中のAIをトーマスへ明かす

ヴィジョンの精神世界に集まるAI人格たち
ヴィジョンの内部で独立した人格として存在するAIたち。出典:『ヴィジョンクエスト』 ©Marvel Television

ヴィジョンはトーマスへ、量子プロセッサーの中で複数の独立したAIが動いていることを説明します。残っているのはフライデー、イーディス、ダミー、ユー、そして隔離されたウルトロンです。

前話でジャーヴィスを失った事実も伝えます。二人は「隠し事をしない」と約束し、トーマスはヴィジョンの頭の中にいるAIを家族のように受け止め始めました。

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インターポールをハッキングして被害者を調べる

事件資料は国家機関を経てインターポールへ移されていました。フライデーとウルトロンはセキュリティへ侵入し、ヴィジョンとトーマスは被害者の共通点を調べます。

被害者たちは、安定した意識を持つ人工知能の基礎技術を開発したチームのメンバーでした。その技術はのちにスターク・インダストリーズが取得し、ヴィジョン内部のAIにも利用されたとされます。

連続殺人は無関係な被害者を狙ったものではなく、AIを生み出した研究者たちへの復讐でした。

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奪われた血液・指紋・網膜には目的があった

最初の犠牲者からは血液、次の犠牲者からは指紋、別の犠牲者からは網膜が奪われていました。

これらはすべて生体認証に使われる情報です。ブッチャーバードは殺人そのものだけを目的にしておらず、複数人の認証を組み合わせて何かを開こうとしていました。

生き残った研究者ウェルズ博士が、AIとトランスヒューマニズムを扱う慈善イベントへ出席すると判明し、ヴィジョンたちは会場へ潜入します。

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AIたちは実在の人物をモデルにしていた

ヴィジョンの精神世界に現れるE.D.I.T.H.の人格
トニーが遺した防衛システムE.D.I.T.H.。出典:『ヴィジョンクエスト』 ©Marvel Television

第4話では、ヴィジョン内部のAIが誰をモデルに作られたのか、具体的な対応関係が明かされます。

AI人格モデルになった人物作中での説明
J.A.R.V.I.S.エドウィン・ジャーヴィススターク家に仕えた執事
F.R.I.D.A.Y.アリソン・ホーガンハワード・スタークの有能な秘書で、子育ても手伝った人物
E.D.I.T.H.イーディス・マークス夫を失った後も痛みに耐え、前を向いて生きたスタントウーマン
D.U.M.-E./U該当なし実在人物をモデルにしていない例外

人格をそのまま複製したというより、トニーやハワードが尊敬し、大切にしていた人物の外見や性格、勇気をコードへ残した仕組みです。ウルトロンの人間型アバターについては、本人も「なぜこの姿なのかわからない。ただしっくりくる」と話しており、実在モデルは明かされていません。

この事実は「モデルと同じ記憶や性格を持てば同一人物なのか」という、ヴィジョン自身の問題をAIたちへ広げます。

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ジム・ハモンドが「最初のシンセティックマン」として紹介される

イベント会場には、フィニアス・ホートン博士が作ったシンセティックマン、ジム・ハモンドが展示されていました。

作中の説明では、ハモンドは自立型AIの草分けであり、後世の人工知能へつながる存在です。しかし感情を処理する能力が不十分で、身体がオーバーヒートする欠陥を抱えていました。

原作コミックのジム・ハモンドは、第二次世界大戦期に登場した初代ヒューマン・トーチです。MCU本編で彼の名前と存在が具体的に扱われたことは、人工生命の歴史をヴィジョンより前へ広げる重要な要素です。

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ブッチャーバードの正体は過去に傷つけられたシンセゾイド

ウェルズ博士の前へ、ブッチャーバードである女性型シンセゾイドが現れます。彼女は過去に研究チームから傷つけられ、自分から奪われたものを取り戻すため、関係者を一人ずつ殺していました。

彼女は単なる暴走機械ではありません。実在の人物をモデルとして作られながら、その記憶や人格を利用され、長い間苦しんできた存在です。

ヴィジョンは彼女を止めようとしますが、まだ完全に修復されておらず、本来の能力を十分に使えません。トーマスを失う恐怖も判断を鈍らせます。

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ヴィジョンがウルトロンへ身体を渡す

ウルトロンと、その奥に立つヴィジョン
出典:『ヴィジョンクエスト』 ©Marvel Television

追い詰められたヴィジョンへ、ウルトロンは身体の制御を任せるよう提案します。彼女を殺さないという約束を条件に、ヴィジョンは制御権を渡しました。

自由になったウルトロンは圧倒的な力でシンセゾイドを制圧します。命は奪わなかったものの、彼女が集めた生体認証の情報と目的を消去し、「争いの種を取り除いた」と言い放ちました。

ヴィジョンが思いやりによる解決を求めたのに対し、ウルトロンは相手の意思そのものを奪うことで問題を終わらせます。約束の文面は守っても、ヴィジョンが望んだ救済とは正反対です。

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ラスト。ウルトロンはまだ制御権を握っている

戦いが終わっても、ウルトロンはすぐにはヴィジョンの内側へ戻りません。「もう操る糸はない」と自由を楽しみ、トーマスには自分を「おじいちゃん」と呼んでもよいと語ります。

ヴィジョンの創造にウルトロンが関わり、トーマスがヴィジョンの息子であるなら、歪んだ家系図の上ではウルトロンが祖父に当たるという皮肉です。

第4話は、ヴィジョンが守ろうとしていた身体をウルトロンが掌握したまま終了します。目の前の敵を倒すために解放した「マルウェア」が、次の最大の脅威になりました。

第4話の主な登場人物

白いヴィジョン

ブッチャーバードを倒すのではなく、苦しみを理解して救おうとします。しかし力不足とトーマスへの恐れから、最後はウルトロンへ制御を委ねました。

トーマス・シェパード/トミー・マキシモフ

ヴィジョンと行動を共にし、頭の中のAIたちの存在も知ります。孤独を恐れる一方で、自分を危険から遠ざけようとするヴィジョンへ反発し、親子としての距離を縮めていきます。

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ウルトロン

インターポールへの侵入ではフライデーに協力し、事件解決にも力を貸します。ただし、自由を得た後の解決方法は冷酷で、ヴィジョンの倫理観とは相いれません。

ブッチャーバード/女性型シンセゾイド

AI技術の研究者たちを狙う連続殺人犯。実在人物をモデルに作られた過去と、研究者への個人的な恨みを抱えています。

ウェルズ博士

初期AI技術の開発に関わった研究者で、ブッチャーバードの次の標的。人間とAIが共存する未来を語りますが、過去の責任からは逃れられません。

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ジム・ハモンド

フィニアス・ホートン博士が生み出した初期のシンセティックマン。イベント会場の展示を通じ、MCUにおける人工生命の歴史へ組み込まれます。

第4話の小ネタ・関連作品

ジム・ハモンドと初代ヒューマン・トーチ

原作コミックのジム・ハモンドは、ファンタスティック・フォーのジョニー・ストームより前に「ヒューマン・トーチ」として登場したアンドロイドです。

MCUでは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の博覧会に、人型ロボットを思わせる展示がありました。第4話はジム・ハモンドを明示することで、そのイースターエッグを人工生命史の一部として再解釈できる余地を作っています。

ヴィジョン、トーマス、ウルトロンの家族関係

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、ヴィジョンのボディーはウルトロンの計画から生まれました。ヴィジョンがトーマスを息子として受け入れ始めたことで、ウルトロンの「おじいちゃん」という冗談にも物語上の根拠が生まれます。

ただし、これは愛情ある家族関係ではありません。家族を求めるトーマスの弱さへ、ウルトロンが入り込もうとしている危険な場面でもあります。

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「Malware」が指すもの

表面的には、ヴィジョンへ侵入したブッチャーバードがマルウェアです。しかし終盤では、隔離されていたウルトロンをヴィジョン自身が身体へ通したことで、題名の意味が反転します。

危険なのは外部から侵入する敵だけではなく、必要だからと解放した内部の存在でした。

AIの人格は誰のものか

第4話は、モデルとなった人間、そこから作られたAI、記憶を持つ現在の人格を区別します。これは白いヴィジョンと旧ヴィジョン、トーマスとトミーの関係にも共通するテーマです。

「起源が同じでも、今の選択によって別の存在になる」という考え方が、物語全体を貫いています。

第4話まとめ

  • ブッチャーバード事件の被害者は初期AI技術の開発者だった
  • 犯人は血液・指紋・網膜を集め、生体認証の鍵にしていた
  • ヴィジョン内部のAIは実在人物をモデルに作られていた
  • ジム・ハモンドが初期のシンセティックマンとして登場した
  • ブッチャーバードは過去に傷つけられた女性型シンセゾイドだった
  • ヴィジョンは戦うため、ウルトロンへ身体の制御を渡した
  • ウルトロンは相手の情報と目的を消去し、身体へ残った

第4話「マルウェア」は、人工知能を「作った側」と「作られた側」の責任を描きました。ブッチャーバードの復讐を止めるためにウルトロンを解放した結果、ヴィジョンはさらに大きな問題を自分の内側から現実へ出してしまいます。

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全話のあらすじと登場人物は『ヴィジョンクエスト』総合記事で確認できます。

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