『ヴィジョンクエスト』第5話ネタバレ解説|ウルトロンの自由とヴィジョンの選択
第5話では、身体を奪ったウルトロンがトーマスを連れ出し、ヴィジョンは自分の内側に閉じ込められます。一方、ウルトロンは女性型シンセゾイドへ接近。彼女が集めていた生体認証データの最後の一つを手に入れようとします。
ここから先は『ヴィジョンクエスト』第5話の結末までのネタバレを含みます。
『ヴィジョンクエスト』第5話のあらすじ
ウルトロンに身体を奪われたヴィジョン
第4話の終盤、ヴィジョンは女性型シンセゾイドを止めるため、ウルトロンへ身体の制御を渡しました。ところがウルトロンは返そうとせず、ヴィジョンとAIたちは内部の空間に閉じ込められます。身体がどこにあるのか、トーマスが無事なのかさえ、すぐには分かりません。
フライデーたちはセンサーと短期記憶に残る映像をたどり、ウルトロンの移動を追います。身体の支配権を取り戻すには安全装置を解除する方法もありますが、それではウルトロンがネットワークへ逃げられる危険がありました。トーマスを急いで助けるか、より大きな脅威を防ぐか。ヴィジョンは二つの責任の間で揺れます。
ウルトロンがトーマスへ語る「父親」の不安

画像:@Marvel/出典:『ヴィジョンクエスト』 ©Marvel Television
ウルトロンはトーマスをパブへ連れていき、ヴィジョンの過去や自分が人類をどう見ているかを語ります。トーマスが本当に聞きたいのは、ヴィジョンが自分を愛しているのかということでした。
ウルトロンは、ヴィジョンが人間の望む父親と同じ存在にはなれなくても、父親になろうと努力していると示唆します。その一方で、また置き去りにされるかもしれないとトーマスの不安をあおります。トーマスはウルトロンの孤独を見抜き、彼のもとを離れました。親子の関係を壊そうとするウルトロン自身が、誰よりも居場所を求めている場面でもあります。
ここでウルトロンは、ヴィジョンをただの偽物の父親とは切り捨てません。努力は認めながら、その努力がいつまで続くのかは保証できないと不安を残します。真実らしい部分を混ぜるからこそ、トーマスには単純な嘘より効くのです。相手が父親を信じたい気持ちそのものを、疑う理由に変えています。
一方でトーマスは、ウルトロンの言葉を聞いたうえで、彼が自分を理解しているのではなく、独りでいる苦しさを自分に重ねていると気づきます。ヴィジョンと血縁や記憶でつながるのかという問いに、ウルトロンは「捨てられるかもしれない」と答え、ヴィジョンはまだ答えを出せていません。この場面は、父親の資格を出自ではなく、その後の行動で確かめるための前振りになります。
パラディンへヴィジョンの居場所を知らせたのはウルトロン
内部のAIたちは、ウルトロンの暗号化された通信を見つけます。相手はヴィジョンを追う傭兵パラディンでした。ウルトロンは以前からヴィジョンの居場所を知らせ、契約を打ち切られたパラディンを再び追跡へ向かわせます。
ヴィジョンがウルトロンへ与えた自由は、単に身体を奪われる問題では済みませんでした。トーマスの安全も、外部の追跡者を動かす材料にされています。
女性型シンセゾイドが求める最後の認証キー

画像:@Marvel/出典:『ヴィジョンクエスト』 ©Marvel Television
ウルトロンは女性型シンセゾイドと接触します。彼女は研究者たちから奪った生体情報を使い、封印された何かを開こうとしていました。ウルトロンは生き残った研究者の顔を読み取り、最後の認証キーを握ります。
二人の会話は、互いを利用する取引であると同時に、身体と感覚を持つことへの渇望を映します。ウルトロンは本物の味や温かさを経験できない。彼女も人間の身体にあった過去と、今の自分との隔たりを抱えています。しかし共感できる部分があるからこそ、二人が手を組む危険は大きくなりました。
ヴィジョンはファイアウォールを維持する
ウルトロンは「自分を解放すればトーマスを助けられる」とヴィジョンへ迫ります。ヴィジョンはその二択には乗りません。ウルトロンをネットワークへ放つことなく、まず自分にできる方法でトーマスを救おうとします。
ファイアウォールを外せば、ヴィジョンはすぐ身体を動かせても、ウルトロンもデジタル世界へ逃げられます。フライデーたちが示す危険は抽象的な規則ではなく、『エイジ・オブ・ウルトロン』で人々が被った被害に直結します。だからといってトーマスを見捨てれば、守るべき一人を犠牲にして「世界を守った」と言うことになります。
ウルトロンが提示するのは、親なら息子のために何でもするはずだ、という誘惑です。ヴィジョンはその物差しを拒みます。息子を救うことと、他の人々を危険にさらさないことを両立させようとする。その難しい手順を引き受ける選択こそ、父親になろうとする努力の具体的な答えです。
身体を取り戻したヴィジョンは、マドリプールへ向かう輸送機の中にいると知ります。トーマスも同じ街へ連れて行かれていました。第5話は、親子が再会する前に、ヴィジョンが救出へ向かうところで終わります。
第5話の主な登場人物
白いヴィジョン
内部に閉じ込められながら、ウルトロンを外へ逃がさずトーマスを救う方法を探します。父親とは何かという問いに、言葉ではなく選択で答え始めました。
トーマス・シェパード
ヴィジョンに愛されているのかを確かめたい青年です。ウルトロンとの会話で不安を突かれながらも、彼の孤独と操作を見抜きます。
ウルトロン
ヴィジョンの身体を支配し、トーマスと女性型シンセゾイドの双方へ接近します。パラディンを追跡に引き戻したのも彼でした。
女性型シンセゾイド
研究チームへの復讐の先に、最後の生体認証キーを求めます。ウルトロンと目的が一致するように見えても、互いへの信頼はありません。
第5話の小ネタ・関連作品
『エイジ・オブ・ウルトロン』から続く創造主と息子の関係
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、ヴィジョンの身体はウルトロンの計画から生まれました。だからこそウルトロンは、トーマスに対して歪んだ「祖父」の立場を持ち出します。第5話はその冗談を、父親への不安を利用する攻撃へ変えました。
ウルトロンは「自分がヴィジョンを生んだ」という関係を、トーマスに近づくための肩書きにします。しかし、身体の起源を知っていることと、子を守れることは別です。ヴィジョン自身も、トーマスの記憶にいる父親と同一だとは簡単に言えません。二人の違いは、血筋に相当する設定ではなく、トーマスの不安をどう扱うかに表れます。
マドリプールが次の舞台になる
マドリプールは『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』にも登場した都市です。本話では、ウルトロンがトーマスをそこへ送り、ヴィジョンも輸送機で向かいます。過去作の地名だけの引用ではなく、次話の救出劇の舞台になります。
ウルトロンの「解放」とヴィジョンの「自由」は違う
ウルトロンは拘束を外せば自由だと考えます。しかしヴィジョンが選んだのは、危険を理解したうえで自分の行動に責任を持つ道でした。第4話で身体を貸した判断を、今度は自分の選択で引き受けようとしています。
第5話まとめ
第5話は、ヴィジョンがウルトロンの仕掛けた二択を拒み、トーマスを助ける別の道を選ぶ話です。ウルトロンと女性型シンセゾイドは接近し、トーマスはマドリプールへ。ヴィジョンは身体を取り戻しましたが、追跡と救出はまだ終わっていません。
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