「ダーク・フェニックス」はX-MENシリーズ第7作目となる「最終作」です。2000年にスタートしたX-MENシリーズは、大きく2シリーズに分かれており、初期の三部作(旧三部作)は人間とミュータントの戦いを描いたシリーズ、新三部作はX-MEN結成以前から初期メンバーを、若い頃のプロフェッサーXとマグニートーを中心に描いたシリーズです。本作はその新三部作に続く集大成となる作品です。また、これでX-MENシリーズは一旦終わることになり、まさに「最終章」なんです。
本作での中心人物は、X-MENメンバーで「フェニックス」という封印された人格を持っているジーン・グレイ。その人格は、すでに旧三部作「ファイナル・ディシジョン」でも登場しており、プロフェッサーXやサイクロップスを消滅させたこともあります。そして本作ではその人格が、宇宙のパワーを吸収したことで「ダーク・フェニックス」として覚醒し、X-MENと対立することになります。また、これまで描かれなかったジーンの幼少期や、どうダーク・フェニックスになるのかが明らかになります。
本作では公開前からX-MENメンバーが命を落とすらしいこと、ジーンをそそのかすように謎の女性が近づきストーリーが展開されることが注目されていました。また、「アポカリプス」の後、学園を後にしたエリックがどうしていたのか?などは、気になるところですよね。
本作のポイント
- 謎の女性の正体と目的について
- X-MENの誰が死んでしまうのか
- 本作で登場したキャラクターたち
を中心に紹介していきます。一度見ただけでは理解しづらいシーンや、用語が多いので、深掘りして解説していきます。
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「X-MEN:ダーク・フェニックス」あらすじを丁寧に解説
本作は2019年6月21日に日本公開が予定され、米国では6月7日となっています。当初は2019年2月14日公開予定だったのですが、より視覚的な効果を取り入れたいというサイモン・キンバーグ監督の意向で、制作編集に変更が発生し延期されての公開です。
舞台は1992年。「X-MEN アポカリプス」から10年後の世界。古代エジプトから存在していた最初のミュータント「アポカリプス」は、マーベルコミックでは最強のヴィランの1人。そのアポカリプスがX-MENを乗っ取ろうとしたところ、ジーン・グレイがプロフェッサーXによって封じ込められていた自身の能力を大解放して、危機を回避したという経緯がありました。それによって、X-MENは世間でも賞賛され、ヒーロー的活動をしています。
その年、スペースシャトルエンデバー号の打ち上げが行われました。しかしエンデバー号は打ち上げ直後に、太陽フレアの直撃を受けたため機体が止まる緊急事態に。X-MENは大統領の命を受け、Xジェットで宇宙飛行士たちの救出ミッションに乗り出します。そこで太陽フレアに飲み込まれる寸前まで救出作業をしていたジーン1人が、そのフレアを全身に浴びてしまいます。
エンデバー号は消失してしまいましたが、ジーンだけは無事でした。救出作業を賞賛され、高揚感に溢れるジーンでしたが、その様子に恋人スコットが異変を感じます。そしてその後の野外パーティで「君のことをフェニックスと呼んでいるよ」とのキーワードに反応、パーティにいるみんなを吹き飛ばしてしまいました。本作の原作「ダークフェニックス・サーガ」とその前半作品「フェニックス・サーガ」でもその様子が描かれています。
ジーンのダークサイドに宇宙エネルギーが反応…
ジーンは1975年の幼少期、両親と一緒にドライブに出かけた際に、その能力を暴走させ車の事故を起こしたことがありました。それにより、身寄りを失ったとうなだれるジーンをプロフェッサーXが引き取り、学園に引き取ったという経緯が、冒頭で描かれています(その様子とはやや異なる様子は「X-MEN ファイナル・デシジョン」でも描かれています)。ジーンは力を制御できなくなると、多くのものを壊してしまう自身の力を恐れており、今回のパーティでも同じことをしてしまったと苦悩します。
レイブンは、救出作業で感じた疑問を、ハンクに打ち明けていました。「別の人生を歩んだほうがいいのかも」と言うレイブンに、ハンクは「ここが僕らの家だ」と説得します。そこに起きたパーティでの事故と、メンバーを危険に晒してまで賞賛を浴びることに満足するプロフェッサーXの様子に、これでいいのかと、疑念が晴れないレイブンでした。
ジーンは、宇宙での事故を経て、その能力を増大させていました。それにより、両親を失っていたと思っていたにも関わらず、父が生きていたことを感知しました。そして、それと同時に、その記憶の混同自体にプロフェッサーXが関わっていたことを知り、激怒し姿を消します。セレブロでその様子を知ってしまったレイブンとハンクも、プロフェッサーXの行動に戸惑いを隠せません。
ミスティークがジーンの暴走の犠牲者に…X-MENが分裂?
ジーンは自宅で、老いた父親との再会に涙を流して喜びます。しかし、父親の様子はどこかよそよそしい。壁にかかった写真にはジーン自身の姿はなく、ジーンは父親の心を読み取ってしまいました。母親が死んでしまったことは、ジーンのせいだと思っている父は「あの日すべて失った」と語ります。同時に事故の記憶がすべて蘇ったジーンは、父の言葉にもショックを受け、力どころか、感情も制御できなくなってしまいます。
ジーンを追いかけてきたX-MENのメンバーも、激昂した彼女を止めることができません。ピーターは吹き飛ばされ、重傷を追います。レイブンは、ジーンをなだめようと近寄りますが、ジーンの暴走した力によって叩きのめされ、そして瓦礫の一部が胸を貫き、命を落としてしまうのでした。そこには警察が到着し、ジーンはそれらも突破して姿を消します。
レイブンの葬儀が終わりました。学園の子供達は「ジーンがレイブンを殺したのか」と問いかけます。スコットは「あれはジーンじゃない」と言いますが、その言葉に力はありません。死ぬ間際にレイブンから「愛している」と伝えられたハンクは、プロフェッサーXに、ジーンの暴走の元凶は彼にあると詰め寄ります。そしてハンク自身も、X-MENを離れようとしたレイブンを引き止めたことを激しく後悔するのでした。
安住の地を作っていたエリックの元にはジーンが
ジーンは、エリックの元を尋ねていました。エリックは政府の認定も受けた「ジェノーシャ」というミュータント島を作っており、仲間も多くいました。そこに血のついたシャツで訪れたジーンに「誰の血だ?」と問いかけます。ジーンはそれに答えず「人をたくさん殺してきたのをやめたのはなぜか」とエリックに聞きます。「復讐していたが、殺しても復讐はできなかったから」と返すエリック。「暴走すると、愛している人が傷つく」と頭を抱えるジーンに、不穏な気配を感じたエリックが一体何があったのかを問い詰め始めます。
そこに、2機の軍用ヘリが到着しました。ジーンは指名手配されていました。またもや自制心が失われつつあるジーンは、軍用ヘリを1機壊します。2機目に手をかけようとしたとき、エリックが力を振り絞りそれを制止し、軍人たちを島から逃しました。あまりに悪意のあるジーンの攻撃の様子に、エリックは「島から出て行ってくれ」と排除しました。
ハンクは、立ち去ったジーンと入れ違いにジェノーシャに向かい、助けを求めます。レイブンがジーンに殺されたことを知ったエリックは怒りをにじませ、騒動を収めるためにジーンを殺すことを決めます。そしてテレパシー能力を持つミュータントの一人、セリーンの力を使って、ジーンの居場所がニューヨークにあることを突き止め、ヘルメットを持ち向かいます。学園に残ったスコットたちも同様に、ニューヨークに向かいますが、彼らはジーンを「元に戻す」ことを目的に動くのでした。
女性に化けたヴークはジーンの力を狙う宇宙人
テレビで指名手配のジーンが映し出されるバーで、一人孤独なジーンに、シルバーヘアの女性が近づきます。ドゥバリ(D’Bari)という宇宙にあるシーア帝国の一部に存在する種族のリーダー、ヴークです。ジーンは力を使って周囲に老人に見えるようにしていましたが、彼女は、それを見破ります。「あなたのことを誤解しているみたい」と言葉巧みに、ジーンの警戒心を解きます。
ヴークはすでに、地球に侵入済みで仲間を増やしていました。今回の騒動が始まる頃、ヴーク率いる宇宙船3隻が地球に飛来し、マーガレットという女性になりすましていました。地球人よりも高度生命体であることを自負する彼らは、ジーンが吸収したエネルギーを追跡していました。そのためジーンが去った後のジーンの父親の家をFBIに扮して訪問してもいました。
ヴークはジーンに「X-menの仲間は、あなたのことをコントロールできないから、あなたを破壊しにくる」と、ジーンに話し、ドゥバリの仲間に引き入れようとします。ヴークはニューヨークの隠れ家にジーンを連れて行き、彼らの故郷の惑星が太陽フレアにも似た宇宙エネルギーに破壊されており、ジーンはそのエネルギーに耐えられる唯一無二の貴重な存在であることを伝えます。彼らは、そのエネルギーをもう一度得て、故郷を作ろうとしており、ジーンの力を奪い取ろうとしていました。
ヴーグ VS X-MEN VS ブラザーフッド VS ジーン そして MCU!?
ジェノーシャから到着したエリックとハンクたちが、ジーンたちのいる隠れ家を襲おうとしたとき、学園から到着したスコットとプロフェッサーXは、ことが大きくならないよう、エリックたちの動きを制止しようとします。隠れ家の前で、X-MENとブラザーフッドの大乱闘が始まってしまいました。
ジーンはその頃、すでにヴークにそのエネルギーをわけ与え始めていました。そこにエリックたちが到着、ジーンを取り戻そうとします。チャールズはジーンに許しを乞い、X-MENに戻ってきて欲しいと頼み込みます。事態は膠着しますがジーンはチャールズの気持ちを受け入れると同時に、意識を失ってしまいます。しかしそこには、なんとそこにはミュータント制圧部隊(略してMCU!ええっ!?)が割り込んできて、ミュータントたちを捉え、収容所に移送しようとしていました。
収容所に向かう列車で、X-MENとブラザーフッドは力を奪われていました。その中にいるジーンを狙い、ヴークたちが侵入を試みます。軍隊ではとても太刀打ちできず、ついにミュータントたちも解放され、ジーン奪取阻止のため戦います。
目覚めたジーンがヴークを撃退。プロフェッサーXは引退へ
ジーンはようやく目覚め、その力を解放することで、列車は破壊され、収容所の手前で止まりました。自身の力がヴークを超越していることを理解したジーンは、ヴークに力を浴びせることで破壊し、事態収束を試みます。そこには、傷ついたプロフェッサーXやエリックらもいました。
しかし、ジーンがそのエレルギーを解放し始めた時に、そのエネルギーがスコットたちにも影響を与えることに気づきます。ジーンはヴークを宇宙に連れ出し、エネルギーを浴びせることで、仲間の命も救い、脅威を消し去りました。空には大きな不死鳥=フェニックスの姿が浮かび上がります。同時にジーンの姿も消えました。
その後、恵まれし子らの学園は、ジーンの名前が冠され、ハンクが校長に、ストームは教師となりました。ピーターも怪我から復帰しました。チャールズはパリに住まいを移しX-MENを引退しました。カフェにいるチャールズの元には、チェスボードを持ったエリックが。エリックの「君は僕の命を救い、居場所をくれた人だ」との言葉に、チャールズが微笑み、かつてのようにチェスゲームが始まり、物語は終わります。
「X-MEN:ダーク・フェニックス」登場人物・ヴィランを徹底解説
プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビア
最高のテレパス能力を持つミュータント。X-MEN創設者で、恵まれし子らの学園を運営しています。マグニートーとはミュータントとしての生き方や考え方などの方針は異なりますが、心は通じている親友関係です。裕福な家に育ち、オックスフォード大出と恵まれた育ちではあるものの、どこかで寂しさを抱え、たどり着いたのがX-MENという存在。
旧三部作では無敵のリーダーに見えていましたが、新三部作ではその心の弱さを克服していこうという”人間ぽさ”も見せ、本作ではやや傲慢とも見える姿も。自身の判断がジーンの暴走を引き起こしたことのショックは大きかったようで、ラストではついに引退し、パリに移り住むことになります。
マグニートー/エリック・レーンシャー
磁力で金属を操れる最強のミュータントの1人。ホロコーストの生き残りで、迫害されるミュータントの同胞をまとめ上げ、のちに何かとX-MENと対立するブラザーフッドを結成します。プロフェッサーXとは対照的な、壮絶な過去を持ちつつも、一度は愛する家族も持つ姿が描かれ(「アポカリプス」にて)、本当は深い愛情を持つ存在です。
アポカリプス後の本作では、チャールズたちと別れ、ジェノーシャというミュータント国家を作っていました。やや手作り感の否めない「国家」でしたが、セレーネやアリキなどとともにニューヨークに向かう姿は、ブラザーフッドを彷彿とさせました。
ミスティーク/レイヴン・ダークホルム
全身の皮膚の色や形を操れる変身能力を持つミュータント。青い鱗に覆われた体に、黄色い瞳が特徴です。過去作品ではその能力を駆使し、ストーリーの重要な部分に影響を与えてきました。幼少期はプロフェッサーXの家に住みX-MENとして活動もしますが、一時はマグニートーの思想に惹かれもしていました。新三部作では、ミュータントのヒーローとしてリスペクトされる存在になり「アポカリプス」では教育係にもなりました。旧三部作では、ミュータントを”治癒”する薬キュアを投与され、本来の姿を一瞬披露したことがあります。
本作では、ミュータントやX-MENの存在を守ろうとするがゆえとはいえ、やや暴走しているチャールズの危うい思想に疑問を持ちます。そしてその結果、命を落としてしまいます。
ビースト/ハンク・マッコイ
動物的な身体能力と感覚機能と同時に、優れた知力も持つミュータント。CIAに科学者として所属していた当時は、今の青い体ではなかったのですが、自身の実験によって今の状態に。旧三部作では、ミュータント省の長官を務めるなど、X-MENの中では出世頭です。新三部作ではプロフェッサーXとともに、X-MEN結成の中心となりました。そしてセレブロを作ったのも彼の頭脳によるものです。
ちなみに原作では、この青い体になって以降、アベンジャーズに勧誘され参戦していましたが、「ダーク・フェニックス・サーガ」で起きたジーンの暴走の際には呼び戻されています。本作ではX-MENとエリックの橋渡し役となり活躍、ラストには学園の校長になりました。
サイクロップス/スコット・サマーズ
両目からオプティックブラストという赤い破壊光線を発射する能力を持つミュータント。光線の制御のために、ルビー・クオーツ・レンズのサングラスをいつも着用しています。ジーンの恋人で、原作では結婚もしています。旧三部作の「ファイナル・デシジョン」では、姿を消していたはずのジーンに再会したは良いものの、フェニックスだったようで、消滅させられてしまいました。その後新三部作「フューチャー&パスト」で過去が変わったことで、終盤にはその姿が見えています。原作ではメインキャラですが、若干ここまでは控えめ。
本作では恋仲のジーンを救うために、命を投げ出そうとし、ジーンが元のジーンに戻るキーマンとなりました。
ストーム/オロロ・マンロー
天候を自在に操るミュータント。気象を発生させることで風に乗って、飛行もできます。旧三部作でも恵まれし子らの学園で教師として、X-MENのメンバーとして活動し、プロフェッサーX亡き後の校長役も果たしていました。新三部作「アポカリプス」では、エジプトで盗賊をしていたところをアポカリプスにスカウトされている様子が描かれ、彼女の謎の出自が明らかになりました。ラストでは恵まれし子らの学園で暮らすことになります。一時はX-MENと敵対しますが、その後にはメンバー入りを果たしました。
本作ではX-MENメンバーとして戦い、ラストでは学園の教師となります。
ナイトクローラー/カート・ワグナー
テレポート能力を持つミュータント。青い肌と黄色い目が恐ろしげには見えますが。実はとーっても優しいクリスチャン。旧三部作ではサーカスに所属していたところをウィリアム・ストライカーに洗脳されてしまい、大統領暗殺のため官邸を攻撃しました。洗脳が解かれた後はX-MEN側となって、アルカリ湖の施設に閉じ込められていたミュータントたちを救い出す活躍を見せました。新三部作ではミスティークと出会ったことで行動をともにする様子が描かれました。実は原作では、ミスティークが遺伝的な母親ということになっているのです。
本作では、エンデバー号の救出劇など、その能力を駆使しまくりましたが、最初の救出劇でジーンを残してきてしまったことを後悔し続けます。心優しい彼も、ラストではついに敵を「殺す」という行為に踏み切るあたり、家族を守るために目覚めたという決意だったのかもしれません。
クイックシルバー/ピーター・マキシモフ
高速移動のできるミュータント。ストームと同様に「アポカリプス」の後から、恵まれし子らの学園で暮らすようになりました。実はマグニートーの息子ですが、そのことはまだマグニートーに伝えていません。MCU作品では「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で登場。姉スカーレット・ウィッチと一緒に戦いましたがその際に死亡していますので、X-MEN作品とのクロスオーバーはしていません。キャラも若干異なり、X-MENではよりポップなノリで描かれています。
本作ではカート同様、エンデバー号の救出劇などで活躍しました。暴走したジーンによって重傷を追いますが、ラストでは無事復帰しています。
フェニックス/ジーン・グレイ
本作の中心となる存在で、レベル5というミュータント最強のテレパスの持ち主。新三部作では「アポカリプス」で、プロフェッサーXを乗っ取ろうとするアポカリプスを神がかり的なパワーで退けました。旧三部作では恵まれし子らの学園で教師であり医師として登場し、サイクロップスとウルヴァリンとの”三角関係”も描かれています。
本作では、太陽フレアを吸収してしまったことでその能力が、桁違いに増強。また、それによって、”家族”だと信じていたチャールズがジーン自身にかけていたメンタルブロックを解除してしまいます。そして、チャールズが良かれと封じ込めていた記憶=真実を知り激昂したことで、X-MEN分裂の危機に発展してしまいました。信頼できる存在がいないと絶望している折、「こんなパワーあげるわ」とヤッケぱちにヴークにパワーを渡そうとしますが、最終的にはそれが間違いだと気づき、最後は地球外で爆発してしまいます。
ヴーク
シーア帝国が支配する惑星群に生息していた種族ドゥバリD’Bariのリーダー。故郷の惑星を失った原因を追っていたところ、その源となるエネルギーをジーンが吸収していたことを知り、ジーンの「フェニックス・フォース」を、地球を故郷の惑星に変えるために狙います。ドゥバリはシェイプシフターで、姿を変えてあちこちに潜り込む、どっかで見たスクラルみたい…(キャプテン・マーベルにて登場のシェイプシフター)。地球に降り立った際に遭遇した”マーガレット”という女性を殺害して、その姿で活動していました。
公開前は、ジェシカ・チャスティンがヴィランとして登場することが発表されていましたが、その姿自体がすでに姿を地球人に模した状態だったということです。原作では、このD’Bariという種族は、緑色でアスパラガスみたいです(またもやスクラルを彷彿としちゃう)。実際にちょいちょいドゥバリの姿も見えていましたが、完全に「ザ・宇宙人」的でした。
セレーネ
エリックが建国したミュータント国家ジェノーシャで、エリックとともに行動するミュータント。テレパスを持ちます。エリックに力を貸しますが、若干見た目はやんちゃな感じ。原作ではヴィランチームのヘルファイヤ・クラブの一員でした。
●アリキ
セレーネ同様、ジェノーシャでエリックとともに行動したミュータント。超人的な動きをする”武道家”的能力を持ちます。原作ではレッドロータスではないかと言われていますが、名前も変わっており、その関連性にはまだ不明点が多いようです。
●ジョーンズ
ヴーグの部下で、同じドゥバリの一員。FBIとして、チャールズの護衛として接近、ジーン自宅へヴーグと行動を共にしていました。
●ジョン(ジーンの父親)
ジーンの幼少期の記憶では、母親とともに車の事故で命を落としていたようですが、実際は生きていて、それがチャールズの記憶改竄の仕業でした。ジーンと再会を果たした後、D’Bariのメンバーに殺されてしまいます。
「ダーク・フェニックス」に関する小ネタ集
原作コミックについて
本作のベースとなるのは人気のストーリー「ダークフェニックス・サーガ」です。本作同様、宇宙で太陽フレアを浴びてたことで強大な力を得て「フェニックス」となったジーンが登場します。しかし、そのあとは若干異なっており、その力を生かそうと宇宙の各所で起きたピンチを救っていきます。そして、その力に目をつけたヘルファイア・クラブのマスターマインドに洗脳されてしまい、その能力によってドゥバリという恒星を、自身のエネルギー補給のために喰らい(!?)尽くします。そのあとには、そのあまりに大きな犠牲の代償を払い、ジーンは自殺するのです。
え?なんだよー。本作で地球にやってきたドゥバリの種族は、原作ではジーンにやられちゃってたということ?しかも原作ではそのあと、ファンの要望もあって、実はドゥバリを滅ぼしたジーンは、ジーンでなくフェニックス=宇宙のエネルギー体だったという顛末になってます。若干、話がブレブレにもなってる感じはしますけど。でも本作で消滅してしまったジーンも、本当は生きていた、みたいになって欲しい気持ちもあります。
この作品は、X-MENの1980年代のストーリーラインで、その後のマーベル・ユニバースに多大なる影響を与えています。後々の作品ではX-MENとアベンジャーズが戦うストーリーにもつながります。
新部作もこれで最後になっちゃった!予定作品も取りやめに
ガーン!ショックすぎです。ダーク・フェニックス公開前まではしばらく「ガンビット」制作などの話題もあったのですが、ついに本作ダーク・フェニックスで、X-MENとしての作品は終了が決まりました。
20世紀フォックスがディズニーに買収されたことで、MCUにも新しい動きが出てきており、ついにX-MENも、本格的にMCUシリーズ入りとなります。たとえば、デットプール3では、制作打ち切りになったガンビット、ブレイド、エレクトラ、X23など、20世紀フォックスの作品メンバーがサプライズ登場しまいた。
ミュータント国家ジェノーシャって?
いきなりエリックが、国家作っていました。島にある「ジェノーシャ」という国です。原作ではアフリカとアジアの間=マダガスカルあたりにあるとされています。古代から存在していて、ミュータントを奴隷とし繁栄したのですが、内戦を繰り返していました。原作初登場は1988年の「アンキャニイX-MEN#235」です。
最終的には、国連がエリックに島を譲り渡したことで、ミュータントのための「ジェノーシャ共和国」となりました。
フェニックス・フォースって?
ジーンの別名が「フェニックス」と名付けられていたから、なんとなーく「ダーク・フェニックス」で納得するような、しないような…と思いきや、フェニックス=不死鳥の映像は、X-MEN作品でも過去姿を見せており、単なるジーンに関係する訳ではありません。
実はX-MENの原作では、宇宙に存在するエネルギー生命体を指しています。それが鳥型の形をしているので「フェニックス・フォース」と呼ばれています。このエネルギーが、実は本作でもエンデバー号を座礁させたり、ジーンを暴走させました。過去、アベンジャーズと戦ったミュータント五人組のストーリー「アベンジャーズVS X-MEN」では、フェニックスフォースを宿したサイクロップス、エマ・フロスト、コロッサスらが登場していました。
本作には「モイラ」は登場しない
待ってました!ダズラー登場!
ステージ歌手という職業を持ち、ショー的演出が能力で実現できるミュータントは、原作でも人気の存在です。今回は序盤で、宇宙での救出劇を終えた野外パーティの場面で登場。浮き立つ若いミュータントたちを盛り上げていました。
当初はテイラー・スイフトが演じるのでは?と言われていましたが、ハルストン・セイジが演じました。
2人のチェスゲームは恒例イベント
エリックとチャールズは、過去いくつもの作品で2人静かにチェスをする場面がありました。本作では引退してパリに隠居?したチャールズの元に向かったエリックが、チェスをしながら、チャールズのおかげで自分の命が救われ、自分にとっての「ホーム」が得られたと感謝しています。空には不死鳥の炎が輝いています。
物語は収束したかに思いますが、フェニックス・フォースは宇宙に存在し、X-MENシリーズとしてでなく、新たな幕開けにも感じさせるような場面でもあります。
まとめ
- 宇宙の力を手に入れたX-MEN最大の闇「ダーク・フェニックス」の存在が、地球に止まらない壮大なストーリーに発展する。
- 死の香りに満ちた本作では、X-MENメンバーの死も予告され、ミスティークが命を落とした。メンバーは分裂するも絆はかたい。
- これでX-MENは「最後」。次に登場するのはMCU作品?
ウルヴァリンが軸となっていたX-MENシリーズは、新三部作で徐々に原作に沿う形での展開にシフトしつつありました。そして本作はその集大成とも言える作品でした。主要メンバーであり最大の闇とも言えるジーンに迫った作品であり、宇宙の存在も垣間見せて、新たなフェーズの可能性も見せてくれそうです。日本公開は2019年6月21日です。
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