「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」は、2014年に公開された、キャプテン・アメリカシリーズの第2作目になります。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の第9作目にもあたります。
時は「アベンジャーズ1」のニューヨークでの戦いから2年後。アベンジャーズを立ち上げたS.H.I.E.L.D.の存在をめぐる事実や、今作のヴィランであるウィンター・ソルジャーの衝撃の事実が、キャプテン・アメリカにのしかかります。そして本作はエンドゲームで登場したヒドラーの面々の伏線が隠されています。
ここでは、「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」のあらすじから登場人物、おさえておくともっと楽しめる重要なネタバレから隠れた小ネタまで、詳しくまとめていきます。
「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」あらすじまとめ
バトロックがS.H.I.E.L.D.の船を襲った事件を経て、ロジャースはS.H.I.E.L.D.がインサイト計画を企んでいることを知ります。それはフューリーによると、ヘリキャリアを配備し、DNAで判断したテロリストを射殺し、テロを未然に防ぐという計画でした。
しかしこの計画、実はS.H.I.E.L.D.に潜伏していたヒドラのピアースらによって、ヒドラの敵となる人物を殲滅するための計画だったのです。計画の不審な点に気づいたフューリーは、ウィンター・ソルジャーらに襲撃され、殺害されてしまいます。キャプテンに「誰も信じるな」と伝えながら…
インサイト計画の真相に迫る!仲間としてファルコンが参入
フューリー死後、ラムロウらヒドラ扮するS.T.R.I.K.E.チームはロジャースを殺そうと動きます。ピアースはフューリーに全ての罪を被せ、S.H.I.E.L.D.はロジャースを指名手配しました。ロジャースとロマノフは、フューリーの残した情報を元にヒドラのアジトを探しだし、そこにあったゾラ博士の思念体によって、インサイト計画の全貌を知ります。
スティーブは朝のランニング時に、かつて軍人だったサム・ウィルソンと出会い、意気投合していました。キャプテンのピンチに際し、サムはファルコンとして、再び戦場へ戻る決意を固めます。
強敵ウィンター・ソルジャーとの邂逅…正体は親友のバッキー!?
真実を知ったロジャースらを、S.T.R.I.K.E.とウィンター・ソルジャーが襲います。マスクの取れたウィンター・ソルジャーの顔は、かつて親友として死んだはずのバッキーでした!バッキーはゾラ博士によってレッドスカル由来の血清を打たれており、ヒドラの強化戦士として洗脳されていました。
囚われたロジャースらは、S.T.R.I.K.E.に潜り込んだヒルによって救出され、実は生きていたフューリーと再会を果たしました。彼らはインサイト計画阻止へ動き出します。
計画の阻止、そしてS.H.I.E.L.D.という組織の崩壊
ロジャースはS.H.I.E.L.D.がヒドラに食い荒らされている事実を公表し、いよいよインサイト計画を止める最終決戦が始まります。ヘリキャリアではキャプテン・アメリカとウィンター・ソルジャーが戦い、結果ヘリキャリア同士を射撃されることで、計画は阻止されました。
戦いの終わり、川へ落ちたロジャースをウィンター・ソルジャーは助け、姿を消します。ロマノフによってS.H.I.E.L.D.の機密情報は世界へと公表されました。それは、S.H.I.E.L.D.という組織の崩壊を意味していました。
「キャプテンアメリカ2」では2つのラストシーンが登場
MCU11作目「アベンジャーズ」、そして13作目「シヴルウォー」の伏線が登場します。順にご紹介します。
終章1:セプターの杖と、超能力を持つ双子
「アベンジャーズ1」でロキからS.H.I.E.L.D.が回収したセプターの杖でしたが、S.H.I.E.L.D.に潜り込んでいたヒドラの幹部バロン・フォン・ストラッカーによって持ち出されていました。セプターの力を使い人体実験を行われたことで超能力を得た双子とともに、続く「アベンジャーズ2/エイジ・オブ・ウルトロン」でヴィランとして立ちはだかることになります。
終章2:ウィンター・ソルジャーの行方
全てが終わり行方をくらましたウィンター・ソルジャー。彼は、スミソニアン博物館のキャプテン・アメリカの展示をこっそり見にきていました。そこには親友として自分に瓜二つのバッキー・バーンズの記事が。
「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」登場人物まとめ
それでは、本作に登場した主要人物についてまとめていきます。前作「キャプテン・アメリカ1」と同じ人物も多数登場しますが、前作は第二次世界大戦中の過去がメインの話でしたので、今回は一気に立ち位置が変わっていたりします。
キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース
S.H.I.E.L.D.へ協力していたスーパーヒーロー。インサイド計画を阻止する最中、かつての親友バッキーがウィンター・ソルジャーとなったことに呆然としながらも、彼を今後追いかけることを決意します。
ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ
旧ソ連のスパイとして訓練を受けた経験がある、S.H.I.E.L.D.のエージェント。真っ当に生きていたつもりでしたが、その組織自体がヒドラに食い荒らされていたことにひどく傷ついていました。ヒドラ扮するS.H.I.E.L.D.の悪行を全世界へばら撒き、腐ったS.H.I.E.L.D.にトドメをさしたのも彼女です。
ファルコン/サム・ウィルソン
かつて特製のウィング・パックを用いていた兵士だったサムは、ランニング中のロジャースと知り合い、意気投合します。ロジャースのピンチに力を貸してくれ、この後アベンジャーズへと召集されていきます。
マリア・ヒル
S.H.I.E.L.D.のエージェント。いつもフューリーを支える役割を担い、今回もインサイト計画を阻止するために重要な役割を担いました。
エージェント13/シャロン・カーター
ケイトという偽名で、極秘にロジャースの警備にあたっていたS.H.I.E.L.D.のエージェント。本作では明らかにされませんが、実はペギー・カーターの姪っ子にあたります。S.H.I.E.L.D.崩壊後はCIAへ転籍しています。
前作では「ヘイリー・アトウェル」が演じていましたが、本作より「エミリー・ヴァンキャンプ」が入れ替わりました。
ニック・フューリー
S.H.I.E.L.D.の長官であり、アベンジャーズ発案者の一人。インサイト計画に不信感を抱き、ピアースに延期を申し出たところ襲撃にあい、死亡したかのように見えました。しかし、それはヒドラに対する偽装工作で実際は生きており、インサイト計画阻止に成功しました。
のちに、アベンジャーズのメンバー招集。
ここからはヴィランを紹介
ウィンター・ソルジャー/ジェームス・バッキー・バーンズ
ずば抜けた戦闘能力を誇るヒドラの兵士。実際は、かつてゾラ博士によって強化人間にされたバッキーでした。洗脳され、記憶も失わされて戦わされていた彼ですが、終盤、ロジャースの思いに、少しずつ記憶を戻しつつあるようにも見えました。
ブロック・ラムロウ
S.H.I.E.L.D.の対テロ部隊S.T.R.I.K.E.のリーダー的存在でしたが、実はヒドラの一員。ファルコンとの戦いの末、爆発に巻き込まれ重傷を負いながらも、本編ラストでは病院に連れ込まれる様子が映し出されました。「シビル・ウォー」冒頭でクロスボーンズとして再登場します。実は「アベンジャーズ1」でセプターの回収したシールドメンバーが彼らだったことがエンドゲームで判明しました。
アレクサンダー・ピアース
S.H.I.E.L.D.の高官であったが、実はヒドラの一員だったインサイト計画の黒幕。最終的には、フューリーによって射殺されました。彼もエンドゲームにて少しだけ登場。
アーニム・ゾラ博士
前作「キャプテン・アメリカ1」でレッドスカルの側近として登場したゾラ。70年後の今は、もう体は消滅しており、その意識を6万メートルの磁気テープに移した、ブラウン管に映る思念体として登場しました。S.H.I.E.L.D.創設期から内部に寄生し、ヒドラとして暗躍しながら、インサイト計画のアルゴリズムを作りだしました。過去にハワードとテッセラクトの研究していることがエンドゲームにて明かされます。
バトロック・ザ・リーパー/ジョルジュ・バトロック
元フランスの秘密工作員で、かつて暗殺任務を多くこなしていた指名手配犯。S.H.I.E.L.D.の船を襲うもキャプテン・アメリカらに阻止されます。
ジャスパー・シットウェル
S.H.I.E.L.D.に潜り込んでいたヒドラの一員。「マイティ・ソー」や「アベンジャーズ1」「アベンジャーズ/エンドゲーム」にも登場していました。ロジャースらに脅されて、インサイト計画の全貌をばらしてしまいます。ウィンター・ソルジャーによって殺害されました。
ジャック・ロリンズ
S.H.I.E.L.D.の対テロ部隊S.T.R.I.K.E.のメンバーでしたが、実はヒドラの一員でラムロウの片腕的存在。
おさえておきたい!「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」10の小ネタ
ロジャースのチェックリストは、国によって異なる!?
まずはおちゃめな小ネタから。ロジャースがサムと出会った時に開くメモ帳のチェックリストは、放映国によって異なるというこだわりがあります。全10パタンあり、日本はアメリカと同じになっています。気になるかたは、他の国のものもチェックしてみても面白いかもしれません。
実はかなり政治的な映画?2つの事件がテーマになっている!?
本作品はヒーローたちの戦いであると同時に、政治的な事件が題材になっているようです。1972年に起きた「ウォーターゲート事件」もその1つ。当時、共和党のニクソン大統領が、民主党の盗聴をしていたことを発端に、政府が国民を監視しているということが発覚していった事件でした。まさに今回のインサイト計画に通ずるものがありますね。実際、映画内でS.H.I.E.L.D.の基地の近くに映る丸いビルが、かつてウォーターゲート事件の現場になった場所なんです。
もう一つは「エドワード・スノーデン事件」です。これはアメリカの対テロ組織で働いていたエドワードが、政府が国民を監視している事実を暴露してしまうという事件ですが、まさに今回ロマノフが行った行動に通じますね。
「インサイト計画」は、実際にアメリカで行われていた!?
ヘリキャリアからヒドラの敵を撃ち殺す作戦であったインサイト計画。実は、似たような計画がアメリカで実際にあったというのです。オバマ大統領は、戦争をせずに戦争を止めようと考えた人で、大量のドローンを使ってテロリストを殺していたそうです。
味方に被害が出ない一方で、テロリスト予備軍と称された人たちの信ぴょう性や、排除時に巻き込むテロリスト以外の人の存在というのも、社会的に問題になったようです。インサイト計画と、とても似通っていますね。
「ウィンター・ソルジャー」の名前が持つ政治的な意味とは!?
かつてベトナム戦争に参加したアメリカ兵士たちがいかに虐殺行為をしてきたか、というのを告白した集会がありました。それを「ウィンター・ソルジャー集会」と呼びます。今作のウィンター・ソルジャーはそこから名前を取っていると思われます。
戦場(=第二次世界大戦)から舞い戻ってきた帰還兵という意味や、虐殺行為をしてきたという意味なども含まれているかもしれないですね。一方で、単純に旧ソ連=寒い地域の兵士、という意味もあるかもしれません。
「インサイト計画」には、スタークが関わっている!?
ヒドラがインサイト計画に用いた新型キャリア。これにはスタークが提供したリパルサーエンジンが搭載されていました。「アベンジャーズ1」での戦いにおいて、旧式タービンエンジンに巻き込まれて苦労したアイアンマン自身の経験から、新型を搭載したようです。おそらく計画の詳細は知らされておらず、技術だけ提供していたのかと思われます。
ウィンター・ソルジャーは、どうして若いまま現代に?
ウィンター・ソルジャーがバッキーだった、という驚きの事実と共に疑問に思うのは、なぜバッキーがあまり年をとらずに若いままなのか?ということだと思います。あれから70年、彼はヨボヨボのおじいちゃんのはず…。それについては、続編「シビル・ウォー」の中に出てくるヒントがあります。
実はウィンター・ソルジャーと呼ばれる人造兵器はバッキーだけではないのですが、みな冷凍保存されているのです。原作でもそうなのですが、ウィンター・ソルジャーは任務以外の時間は冷凍保存されているようなのです。バッキーもあまり年をとらずに現代に生き残っているのはそのためですね。
ちなみにウィンター・ソルジャーの右腕は義手ですが、これは前作「キャプテン・アメリカ1」で列車から谷底に落ちた時に腕を失った、ということの伏線回収のようです。あんなに高いところから落ちたのに負傷したのは腕だけだったの!?と驚きですが、すでにバッキーは最初に捕虜になった時点で超人化されていたようなのでした。
原作では、ウィンター・ソルジャーとブラック・ウィドウが恋に落ちる…!?
映画ではロマノフがウィンター・ソルジャーに腹を打たれたという過去を告白していましたが、思いもよらない組み合わせですよね。原作のバッキーは、旧ソ連の暗殺者としてプログラミングされたウィンター・ソルジャーとなったのち、ロマノフがスパイ訓練を受けさせられたレッドルームの教官になっていました。2人は教官と訓練生として出会い、恋に落ちたのです。先生と生徒の恋…禁断ですね。
ドクター・ストレンジが、すでにヒドラに認識されていた!
MCU作品ではまだ登場していなかったドクター・ストレンジ。実は彼の名前だけ、本作で初登場していたのです。S.H.I.E.L.D.に入り込んでいたヒドラの一員シットウェルが、インサイト計画の標的とするヒドラの脅威になる人物の例としてあげていました。
とすると、ヒドラはアガモットの目も把握していたということになるのでしょうか。前作でのテッセラクトも然り、インフィニティ・ストーン周りをめぐってヒドラが動いていたとすると、すでに最強のヴィラン・サノスとヒドラには、何かしらの接点があったのかもしれません。
「アイアンマン2」で出ていたスターン議員が、実はヒドラの一員だった!
かつてスタークに対して、アイアンマンスーツの国への引き渡しを求めた議員として登場していたスターン。シットウェルに対して「ハイル、ヒドラ」と耳打ちをしている様子が映し出され、実は彼もヒドラの一員だったことが発覚します。
スタン・リーは、博物館の警備員として登場!
MCU作品といえば、恒例のスタン・リー。今回は、スミソニアン博物館の警備員として登場しました。ロジャースは最終決戦に向けて展示品であったスーツを盗み出したため、スーツが消えている状態を発見したのがスタン・リーでした。
S.H.I.E.L.D.は?キャプテンは?一体どうなる!?「ウィンターソルジャー」感想まとめ
いかがでしたか?本作はキャプテン・アメリカ2作目というだけでなく、MCUという大きな流れの中でも重大な事件の連続でした。個人的な感想としては、
- 何と言ってもS.H.I.E.L.D.の崩壊が衝撃的でした。アベンジャーズを召集したのもS.H.I.E.L.D.ですし、彼らの存在がなんとなくヒーローたちをチームたらしめていた気がするので、いよいよ親がいなくなった子供たちのようなヒーローたちが、今後どう結集していくのか!?と期待半分・不安半分の終わり方でしたね。
- 前作で時を超えて隔たれてしまったロジャースとペギーの再会が、地味に涙を誘います…!ロジャースの死を乗り越え結婚も経験し、おばあちゃんになってしまったペギーでしたが、それでもかつてと変わらないロジャースへの愛情の眼差しは、前作を見ていると胸にくるものがあります。
- そしてバッキー…。70年の時を経てなお世界を救うべく戦ってくれているキャプテン・アメリカなのに、試練が多すぎる!バッキーが生きていたのは、話の流れとしては面白さマックスですが、冷静に見るとキャプテンが不憫でならないです…救われてほしい…。
- また小ネタ満載でとても面白い作品でした。ただのヒーロー映画じゃなくて政治的な元ネタもあるということを知って見ると、また一段と深い話ですね。何度か見直したい作品でもあります。
キャプテン・アメリカシリーズは、次の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でいよいよ完結。バッキーは救われるのか、S.H.I.E.L.D.の復活はあるのか、はたまたファルコンは今後どう活躍していくのか…気になるポイント盛りだくさんですね!
マーベル映画がすべて見放題【Disney+】
最新作をいち早く観るなら【U-NEXT】
シリーズをお得に観たいなら【TSUTAYA】