キャプテン・アメリカといえば、星条旗をモチーフとした衣装を身にまとい戦うアメコミヒーローです。その映画第1作目は、2011年に公開された「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」です。キャプテン・アメリカの誕生秘話になっている本作は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の第5作目にもあたり、MCUのストーリー上もとても重要な話となっています。
アイアンマン、ハルク、ソーに続き、最後にオリジンストーリーが公開されたキャプテン・アメリカ。次作「アベンジャーズ」でリーダー的役割を務める彼ですが、その生い立ちには涙なくては見られない感動ストーリーがあったのです。
この記事では、「キャプテン・アメリカ」のあらすじから登場人物、おさえておくともっと楽しめる重要なネタバレから隠れた小ネタまで、詳しくまとめていきます。
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」あらすじまとめ
時は第二次世界大戦の真っ只中。ロジャース少年は、喘息持ちなどひ弱な体のために兵士の資格を得れずにいました。国のために戦いたい意志が強く、知恵も勇気もあるロジャースは、アースキン博士に見込まれて「スーパーソルジャー計画」の被験者となりました。
戦略科学予備軍(SSR)管理施設で血清を打ち込まれ、ロジャースは超人キャプテン・アメリカへと強化されました。この組織はのちのS.H.I.E.L.D.の前組織とも言えるもので、創設者となるハワードやペギーも立ち会っていました。
スーパーソルジャー計画は成功でした。しかしキャプテン・アメリカは、その意思とは別に、戦争への国民の求心力を高めるためのマスコットとされ、戦場には出してもられなかったのです。なりたい自分とのギャップに、スティーブは悩みます。
テッセラクトの力を得たヒドラ。レッドスカルは、キャプテンの失敗例だった!
ヒドラの責任者・シュミットは、かつてアースキン博士の血清を奪い自らに打ち込んでいました。未完成の血清は、彼を超人にはしたものの、副作用でレッドスカルと化していました。レッドスカルは、キャプテン・アメリカの失敗例だったのです。
ベルギーの教会に隠されていたインフィニティ・ストーンの1つ、テッセラクトを奪取し、アーニム・ゾラ博士の協力で兵器の開発に成功します。ナチス・ヒトラーさえも裏切り、レッドスカルは自らの力を誇示するために、戦火を広げていきます。
ヒドラ掃討作戦中に、バッキーは行方不明に!
そんな中、スティーブは親友・バッキーがヒドラ部隊により捕虜にされたことを知り、ペギーとハワードの協力を得て、一人でヒドラのアジトへ乗り込みます。結果、ヒドラのアジトは壊滅、バッキー含む捕虜の生還に成功します。このことでキャプテン・アメリカは世の中に認められるようになり、ヒドラのアジトを次々と殲滅していきます。
ゾラ博士が乗る列車を襲撃する際、戦闘の末、バッキーが谷底へ転落して行方不明となってしまいました。落ち込むロジャースでしたが、ペギーの支えもあり立ち直ります。捕らえたゾラ博士は、軍への協力を条件に生かされることになります。
レッドスカルとの死闘を制したキャプテンは、北極で行方不明に。
いよいよ最後のヒドラ基地で、レッドスカルとの直接対決が始まります。レッドスカルは、テッセラクトを原動力とする飛行船ヴァルキリーに乗ってニューヨークを攻めようとするも、乗り込んだキャプテンと戦闘となります。死闘の末、テッセラクトに触れたレッドスカルは、空間をつなぐ能力のあるテッセラクトによって、消えてしまいました。
しかし、このままだと飛行船はニューヨークを破壊しに向かってしまいます。それを阻止するべく、キャプテンは自分もろとも北極への不時着を選択します。愛するペギーと、果たせないダンスの約束をしながら。
「キャプテンアメリカ/ザ・ファーストアベンジャー」では2つのラストシーンが登場
終章1:北極で見つかったテッセラクトは、S.H.I.E.L.D.の元へ
その後、ロジャースの捜索をしていたハワードは、水中からテッセラクトを発見します。テッセラクトは、ハワードに回収され、その後、彼が創始者の一人となる組織、S.H.I.E.L.D.によって保管されることになります。
終章2:70年後の現代に、キャプテン・アメリカ復活!?
ロジャースが目をさますと、時は現代に。S.H.I.E.L.D.長官フューリーによって、北極で氷漬けのまま70年の時を過ごしていたことが発覚し、アベンジャーズへの召集がかかります。目覚めたロジャースは一言「デートの約束が」と、最後のペギーとの約束を口にするのでした。
「キャプテン・アメリカ」登場人物まとめ
それでは本作に登場した重要人物をまとめていきます。「ザ・ファースト・アベンジャー」と付いているだけに、今後のMCUやアベンジャーズへ繋がっていく人物も、続々と登場しています。
キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース
喘息など兵士に不適合とされたロジャース少年は、その正義心・勇気・知性を買われ、スーパーソルジャー計画の被験者となりました。実験は成功し、超人の肉体を得たロジャースは、キャプテン・アメリカとして、ヒドラの壊滅に奮闘します。親友を失い、愛する人と引き裂かれた戦いの末、北極で冷凍されたことで生き残り、現代に蘇りました。
ペギー・カーター
ロジャースの長官。常にロジャースを気にかけ、その行動を援助してきました。最後はロジャースと両想いでしたが、北極に消えたロジャースとダンスの約束をして涙のお別れとなっています。なお、この後S.H.I.E.L.D.の創設者の1人となり、現代に蘇ったロジャースとも再会を果たすのですが、それは続編のお話になります。
ジェームス・バッキー・バーンズ
ロジャースの唯一無二の親友。ロジャースより一足早く兵士となって戦場へ出たが、ヒドラによって捕虜として捕まってしまいます。その際、ゾラによって洗脳実験がされていました。ゾラ襲撃作戦の際に、列車から谷底へ落ち、行方不明となりました。
ハワード・スターク
アイアンマンになるトニー・スタークの父。スターク社社長で先進技術に長け、アースキン博士の実験にも技術協力をしていました。ペギーと共に、ロジャースを助ける役割を果たします。のちに、S.H.I.E.L.D.を創設する一人です。
エイブラハム・アースキン博士
「スーパーソルジャー計画」に使う血清の研究を行っていた博士。ロジャースの実験現場に紛れ込んでいたヒドラの一員によって、射殺されてしまいます。血清の詳細は実質アースキン博士しか知らなかったため、スーパーソルジャー計画は凍結されてしまいました。
チェスター・フィリップ大佐
ロジャースが入隊する隊の大佐。ひょろひょろのロジャースを信用せず、テストを仕掛けたりしてくるものの、バッキーらの救出作戦以降はキャプテンを認め、様々な手助けをしてくれます。
ニック・フューリー
MCUではすでに何度も登場していた、現代のS.H.I.E.L.D.長官。今回は蘇ったキャプテン・アメリカをアベンジャーズへと誘いに来ます。
ここからはヴィランを紹介
レッドスカル/ヨハン・シュミット
研究機関ヒドラの責任者。アースキン博士の未完成の血清を身体に注入し、超人・レッドスカルとなりました。テッセラクトを用いた武器の製造に成功したことで、ナチス・ヒトラーをも裏切り、自らの力を全世界へ誇示しようとしました。キャプテン・アメリカによって阻止され、テッセラクトの力で消えてしまいました。
アーニム・ゾラ博士
ヒドラの科学者。明晰な頭脳を持ち、テッセラクトを武器へと転用する研究に成功しました。最後は軍に捕らえられ、協力することを条件に刑は免れています。
おさえておきたい!「キャプテン・アメリカ」8の小ネタ
ここでは「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」をもっと楽しむため、さらには、MCU作品をしっかり理解するために、おさえておきたい小ネタをまとめます。
キャプテン・アメリカを生み出した血清とハルクを生み出した血清は一緒!?
アースキン博士の死によって凍結したスーパーソルジャー計画ですが、戦後に改めて血清の研究がなされます。これは「インクレディブル・ハルク」で見られる、バナーをハルクと化した血清と、実は同じなのです!原作では、アースキン博士がレッドスカルから逃れるために、名前をラインシュタインに変えて逃げるのですが、「ハルク」の血清が入った容器にはラインシュタインの文字がありました。時系列的に後になるハルクですが失敗に終わるのは、アースキン博士が亡くなったことで正しい製法がわからなくなってしまったせいかもしれませんね。
キャプテン・アメリカの盾は、スタークの父がつくったもの!
キャプテン・アメリカの武器である盾は、ハワードが作ったものでした。のちにその息子であるトニーとチームを組むことを思うと面白い縁ですね。本作では多くは語られませんが、盾の原料であるヴィヴラニウムは、アイアンマンやヴィジョン、ブラックパンサーに用いられているものと同じ、ワカンダにて発掘される超強度の金属です。ハワードが「それしかない」とキャプテンの盾を示している通り、この時代にはワカンダでヴィヴラニウムが採掘されていなかったのかもしれません。もしくは、存在を隠されていた可能性もありますね。
作中のロジャース激痩せは、CG加工!
血清を打つ前のひょろひょろロジャース。実はこの体は、演者であるクリス・エヴァンスのものではなく、他の人の体とCG合成しているようです。全く違和感が感じられない、すごい技術ですね。
レッドスカルは、未だに生きているかもしれない!?
キャプテン・アメリカとの戦いに負けたレッドスカル。彼の最期は、テッセラクトに触れたことによる消滅でした。ただしこれ、消滅したか転移したか定かではありません。「マイティ・ソー」に見られる世界間を飛ぶような演出であったことや、テッセラクト自体に世界間をつなぐ能力があることを考えると、転移の可能性はかなり高いように思えます。
この後、もしかしたらMCU作品内で再登場もありえるかもしれません!ちなみに、原作コミックのレッドスカルは、まさに復活してキャプテン・アメリカを苦しめる存在でありました。
ヒドラが見つけたテッセラクトは、オーディンが地球に忘れたもの!?
テッセラクト、これは「マイティ・ソー1」の過去シーンで、氷の巨人からオーディンが奪った代物でした。それなのに「マイティ・ソー」時点ですでにアスガルドにはなく(箱だけ登場しましたね)、なぜ第二次世界大戦下の地球にあったのでしょうか?
その原因は、なんと、オーディンの置き忘れ!強大な力を持つテッセラクトが今回の戦いの一因でもあったのに、そんな重大なものを忘れちゃうなんて、神様もおちゃめでは済まされない事態ですね。
技術博覧会のシーンに、初代ヒューマン・トーチが登場!
技術博覧会から1つ小ネタを。この赤いスーツをきた人形、実はファンタスティック・フォーの1人である初代ヒューマン・トーチなんです。空気に触れると発火できる能力をもつ人造人間で、原作ではキャプテン・アメリカとインベーダーズというチームを組んでいたこともあります。
さらに、2005年・2007年の映画「ファンタスティック・フォー」では、2代目ヒューマン・トーチが登場しますが、それを演じたのはキャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス!偶然なのか、あえてなのか…面白い配役ですね。
現代にロジャースが目覚めた時に現れる女性は、エージェント13!
ロジャースが目覚めた時に、最初に話すS.H.I.E.L.D.の女性。彼女は何者か一切明かされないのでモブかな?と思うところですが、実はこの人物、エージェント13です。またの名をシャロン・カーター。ペギー・カーターの姪っ子にあたります。続編で再登場し、重要な役割を果たしていきます。
スタン・リーは、退役将校として登場!
MCU作品でおなじみのスタン・リー。今作では、キャプテン・アメリカへの授賞式に参列していた退役将校として登場しました。
今後どうなる!?「キャプテン・アメリカ」感想・まとめ
スーパーヒーローの一人、キャプテン・アメリカの誕生秘話は、いかがでしたか?個人的な感想としては
- 徐々に心惹かれていきながらも、本当に最期の別れのシーン(ロジャースがレッドスカルを追ってヴァルキリーに乗り込む直前)まで好きっていう気持ちを表現できない、もどかしい二人の恋愛ストーリーがよかったです。最後の「ダンスの予定ずらしてくれる?」「じゃあ今週の土曜に。絶対よ」という、決して叶うことのない約束を交わす二人…、涙なくしては見れませんでした。続編で時を超えて再会する時も、感動ものです。
- 他人より弱かったロジャースが、ヒーローたる素質(勇気・正義・知性)を持って自らの存在価値を高めていく、まさにシンデレラ的な王道ストーリーでした。私は好きでしたが、人によってはご都合主義っぽさが退屈かもしれません。
- MCUの流れの中にうまく持っていくためとは理解しつつ、悲しかったのはバッキーとの別れ…。また、あんなにもロジャースが入れ込む存在であったバッキーとの関係性は、もう少し丁寧に描かれたらもっとよかったなあという感じです。
- ペギーにせよバッキーにせよ悲しい別れであったのに、全体を通して、何があってもめげません!前を向きます!といった脳筋部分も持っているロジャースは、見ていて清々しささえありますね!
今作は、キャプテン・アメリカの自己紹介的映画でもありました。次回は「アベンジャーズ1」で、ついに70年後の世界に蘇った意味が見えてくるキャプテン・アメリカの登場です。アベンジャーズのリーダー的存在として、大活躍するシーンは見逃せません。
さらに、冠作品としては2014年公開「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」に繋がっていきます。今作で別れた人々とどう再会・合流していくのか…こちらも深い作品になっていますので、まだ見ていないかたはぜひ見てみてくださいね。
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