「アイアンマン3」は2010年に公開された同タイトルシリーズの第3作目です。またマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の7作目になります。フェイズ2の先頭作品としても注目です。
アベンジャーズ結成から1年後、ニューヨークでの戦いを経たアイアンマンを描きます。スタークの人間らしさも垣間見える作品です。さらに、原作でアイアンマンの宿敵であるマンダリンが意外な形で登場します。
この記事では、つい見逃してしまいがちな細かい小ネタからMCU作品を通して重要な伏線まで、余すことなく「アイアンマン3」について解説していきます。原作が人気のエクストリミスシリーズについてや、シリーズ最多登場のアイアンマンスーツについて登場した型全てを解説しています。またアイアンマンの継承者と噂されるハーレー少年にも注目です。この記事を読めば、今後のMCU作品へのアイアンマンの関わり方も含めて、「アイアンマン3」について詳しく理解できます。
「アイアンマン3」あらすじを丁寧に解説
「アイアンマン3」のあらすじをまとめます。
1999年まだスタークが傲慢だった頃、キリアンが研究組織A.I.Mへと誘ってきます。スタークは彼を屋上で待たせたくせに置き去りに。キリアンはこの時の屈辱を胸に、スタークへの恨みを募らせていきます。
時は現代。ニューヨークでの戦いの後、スタークは不眠症・パニック障害に悩まされていました。その頃、世にはマンダリンによるテロが横行していました。アメリカはウォーマシーンを星条旗カラーに改良し、アイアン・パトリオットと改名して切り札にしていました。
スターク社を支えるペッパーの元には、キリアンが来訪。人間の脳の未使用領域を刺激し活性化する「エクストリミス」をペッパーに紹介し協力を要請するも、ペッパーは拒否します。
テロに巻き込まれるハッピー、襲撃されるスターク邸
キリアンのお供に来ていたサヴィンを怪しんだハッピーは1人で尾行。しかしエクストリミスを体内に吸い込んだ男の爆発に巻き込まれ、重傷を負ってしまいます。サヴィンは身体を再生し立ち去ります。
アイアンマンとしてマンダリンになぜ対抗しないんだというマスコミの挑発に乗ってしまったスタークが、住所を公表してしまったことでサヴィンらに襲撃されます。海に落ちたアイアンマンはなんとか脱出するも、気を失ったまま何千キロも飛び続けテネシー州に墜落してしまいます。
ハーレー少年との出会い、サヴィンらとの戦い
J.A.R.V.I.S.が機能停止に陥ったスタークは、近くにあった少年ハーレーの小屋で修理を始めます。ハーレーに連れられて、酷似した爆発事件で自爆した男の母親に会いに行くと、そこにはサヴィンとその仲間エレンが。危機一髪でスタークは脱出します。スーツはハーレーに託します。
ウォーマシンがAIMによって改造されたことを突き止めたスタークは、そこからAIMが人間を使った爆弾実験をしている映像を手に入れます。一方、ウォーマシンはマンダリンの発信源パキスタンを偵察中に、サヴィンの仲間によって倒されて連れ去られてしまいます。
その頃、ペッパーは植物学社マヤから、自分の上司キリアンがマンダリンと繋がっていることを聞きます。そこへキリアンが到来しペッパーを人質にとります。
マンダリンは偽物!本当の黒幕はキリアン
敵のアジトがマイアミだと突き止めたスタークが乗り込むと、そこにいたのはマンダリンを演じていた役者でした。キリアンがテロリスト・マンダリンを作り上げていたのです。隙を狙われたスタークは囚われの身に。
キリアンはかつて絶望を与えたスタークへの復讐として、ペッパーにエクストリミスを打ち込んだのです。さらにローディからウォーマシンを奪い、大統領の元へ飛びます。
充電の終わったアイアンマンスーツが飛来したことで、スタークは反撃を開始します。マンダリン役者を脅し、次の狙いが副大統領だと聞かされたローディは連絡を取るも、副大統領は行動を起こしません。実は副大統領は娘が足を失っており、その再生のためにAIMとつながっていたのです。
キリアンとの決着!アイアンマンからの解放
キリアン扮するウォーマシンは大統領の飛行機に乗り込み、大統領を連れ去ります。
大統領の処刑場に乗り込んだスタークとローディの元に、スタークの作業場から大量のアイアンマンが飛来し戦闘を繰り広げます。ローディはなんとか大統領を助け出します。スタークはアイアンマンスーツをまとい、ペッパーを助けるべくキリアンとの最終決戦に。
ペッパーが業火の中に落ちてしまう事故もありましたが、ペッパーはエクストリミスの力でなんとか助かりました。殺されても復活するキリアンでしたが、ペッパーの活躍で倒します。
全てが終わったとき、アイアンマンの呪縛からの解放を象徴するべく、スタークは全ての機体を爆発したのでした。
「アイアンマン3」では2つのラストシーンが登場
終章1:胸からリアクターを取り除いたスターク
ペッパーはエクストリミスを身体から取り除くことに成功、ハッピーも目を覚まし、ハーレーの元にはスタークからのお礼の品々が届きます。スタークも身体から爆弾の破片を取り除きく手術を受け、胸にリアクターを装着する必要がなくなりました。
「今までのスーツは繭だった」と語るスターク。繭からの孵化、それは新たなアイアンマンとして生まれ変わる決意なのです。
終章2:これらは過去のお話
エンドロール後、スタークがバナーに話をしている様子が出てきます。「アイアンマン3」の話は昔話を語っている体になっていました。
「アイアンマン3」登場人物まとめ
今作から追加された主要人物をまとめます。過去の「アイアンマン」に登場した人物はこちらで紹介。
ハーレー・キナー
スタークが不時着したテネシー州で出会った少年。両親は数年前から行方不明で、1人で生きてきました。スタークを手助けし、アイアンマンスーツの充電や見張りを担当しました。
マヤ・ハンセン
植物学者。スタークとは1999年のスイスで行われたパーティで知り合いました。生物の遺伝子の未使用領域を活性化することで能力を向上させる「エクストリミス」を生み出した研究者です。マヤ自身はエクストリミスの再生能力を平和利用したかったのですが、キリアンにうまく利用されてしまいました。
ウー博士
ペッパーとスタークの手術を行った人物で、スタークの心臓の破片を取り除くことに成功しました。1999年のスイスでのパーティ時にインセン博士と一緒にいた人物。ちなみにインセン博士は「アイアンマン1」でスタークがテン・リングスから脱出する際に命を張って守ってくれた人物です。
◆ゲイリー
スタークのファンで、スタークの似顔絵刺青を腕にいれているカメラオペレーター。ウォーマシンをハッキングするときに登場しました。
ここからはヴィランを紹介
アルドリッチ・キリアン
「アドバンスド・アイディア・メカニックス」通称AIMの創設者。1999年スイスでスタークをAIMに誘ったが、約束を反故にされたことで恨みを抱えます。役者を用いて架空のテロ組織マンダリンを作り出し、その裏で各国への武器販売を行い暗躍。エクストリミスを自分や部下に投与して強化人間となってアイアンマンの前に立ちはだかります。
マンダリン
電波ジャックを繰り返しテロ活動を活発化させていた組織のボス。実態は役者トレヴァー・スラッテリーが演じていただけの嘘組織でした。
エリック・サヴィン(エクストリミス・ソルジャー)
キリアンの部下。エクストリミスを体内に取り込んで強化人間となったエクストリミス・ソルジャーの1人。幾度となくアイアンマンの前に立ちはだかります。
◆エレン・ブランド
国土保安官と称してスタークに近づいて資料を奪おうと画策しました。キリアンの部下でエクストリミス・ソルジャーの1人。
◆ジャック・タガート
こちらもキリアンの部下であるエクストリミス・ソルジャーの1人。アシュレイ・ハミルトンが演じています。
おさえておきたい!「アイアンマン3」7の小ネタ
エクストリミスとは?
「アイアンマン3」は原作コミックでも屈指の人気を誇るシリーズ「アイアンマン:エクストリミス(ヴィレッジブックス刊行)」をベースに作成されています。他にもアニメ版「アイアンマン ザ・ベストアドベンチャーズ」42話でも同じ要素が用いられています。
エクストリミスは超人兵士の製造を目的として作られた薬品で、肉体の修復機能や臓器を作り出す能力をもっているものでした。原作ではスタークもエクストリミスを体内に打ち込んで戦います。医学進歩のためのエクストリミスが悪用される様は、世界平和のためのアイアンマンが世界に危機を招いている様と比較されます。
映画版の「エクストリミス」は体内の未使用領域を活性化することで、眠った能力を発揮させることができます。具体的には、失った手足の再生ができたり、口から火を吹くことが可能になっていました。体を自在に高温化することもできます。ただし、身体に適合しない場合爆発が起こります。
ちなみにドラマ「エージェント・オブ・シールド」第1シーズンでは、ムカデ計画と称してエクストリミスの研究がされています。
マンダリンは原作ではアイアンマンの宿敵
映画では結果的に拍子抜けのキャラとして終わったマンダリン。実は原作では「アイアンマン」の宿敵ヴィランなのです。ただし何か特殊能力を持っているわけではなく、格闘技を扱えるだけの優秀な科学者です。宇宙船で見つけた10個の指輪に特殊能力があり、これらを駆使することでマンダリンはアイアンマンに立ちはだかります。
ちなみにこの10個の指輪モチーフがテロ組織「テン・リングス」につながります。
アイアンマンのバージョンはマーク42まで進化!
アイアンマンはこの時点でマーク42まで進化しています。実に自由意志で着脱可能で、よりアクションに深みが出ています。アイアンマン3で登場した全スーツを紹介します。
マーク8 | これまでより兵力と汎用性を拡大。ペッパーによって破壊。 |
マーク9 | 変形機構を廃止し、よりスリム化に成功。スラスターをジェットパックに変更。 |
マーク10 | 金のチタニウム安定板を追加。空中静止時の安定性と耐久力を向上。 |
マーク11 | 潜入任務用スーツのプロトタイプとして改修。 |
マーク12 | マーク8を元に、高密度のカーボンと金・チタニウム合金で作成。色味も銀と金で見た目に変化。 |
マーク13 | 高速飛行用スーツのプロトタイプ。 |
マーク14 | より軽量化。戦闘や長距離飛行は不可に。 |
マーク15 | 通称スニーキー。音波を緩和するスラスターや色が変わる特殊コーティングで、潜入に特化したスーツ。映画ではスタークが一瞬着用したものの、戦いの損傷から飛行できず落下して破損。 |
マーク16 | 通称ナイトクラブ。マーク15を改良しより軽量化。武装を割と排除しているため接近戦を好みます。 |
マーク17 | 通称ハートブレイカー。胸部のリパルサーが大型化され、ビームを放てる強化型。映画ではローズを助けたり活躍を見せました。 |
マーク18 | 通称カサノヴァ。マーク16/17のいいところどりをすることで、潜入・戦闘両方に使用可能に。 |
マーク19 | 通称タイガー。武装を削減しスラスターを追加したことで、高速飛行が可能に。 |
マーク20 | 通称パイソン。エネルギー効率を改善し、より高い高度をより長く飛行できるように。 |
マーク21 | 通称ミダス。マーク20の改良型。装甲を金・チタニウム合金のみに。 |
マーク22 | 通称ホットロッド。ウォーマシンマーク2といえる存在で、腕と足にファイヤーカラーをオン。映画ではスタークが着用を試みるも、敵の鉄棒によって串刺しに。 |
マーク23 | 通称シェイズ。ガスマスク調のヘルメットが特徴的。超高温に耐える装甲に。 |
マーク24 | 通称タンク。マーク17をベースに、戦闘特化。 |
マーク25 | 通称ストライカー。両腕の空気ハンマーはコンクリートすら粉砕する力を持ちます。映画ではマーク17から振り落とされたローズを助けました。 |
マーク26 | 通称ガンマ。マーク25がγ線や高温・高圧電流に耐えられるよう改良。緑のカラーリングが特徴。 |
マーク27 | 通称ディスコ。光学迷彩を搭載しており、周囲に合わせた迷彩柄に変更可能。 |
マーク28 | 通称ジャック。各放射線やγ線を排除可能。 |
マーク29 | 通称フィドラー。マーク25の空気ハンマーを片手に変更し、土木工事と戦闘どちらも可能に。 |
マーク30 | 通称ブルースティール。新型リパルサー・トランスミッターを搭載しエネルギー出力を向上。 |
マーク31 | 通称ピストン。マーク30の飛行能力を向上。映画では先陣を切ってエクストリミス・ソルジャーと戦うも、頭や腕を引きちぎられて爆散しました。 |
マーク32 | 通称ロミオ。マーク18の改良型。 |
マーク33 | 通称シルバー・センチュリオン。マーク30を赤と銀のカラーリングに変更し、両腕に刃を仕込んでいます。映画ではペッパーを捜索し救助しようとするも、キリアンにリアクターを抉られてしまいます。 |
マーク34 | 通称サウスポー。大きめで、左腕が伸縮性のアームになっています。 |
マーク35 | 通称レッドスナッパー。人命救助用スーツで、両腕が伸縮性アームに。映画では複数の敵に飛びつかれたまま、ドラム缶の山に突撃して爆散してしまいました。 |
マーク36 | 通称ピースメーカー。マーク35のデザインを変更。 |
マーク37 | 通称ハンマーヘッド。深海活動用。 |
マーク38 | 通称イゴール。重量物運搬用の大型スーツ。青と銀のカラーリング。フォルムはハルクバスターに近い。 |
マーク39 | 通称スターブースト。白黒金のカラーリング。宇宙開発用で、酸素タンクを内蔵。 |
マーク40 | 通称ショットガン。マーク13/19の改良。マッハ5で飛行可能。灰色と銀のカラーリング。映画ではキリアンと格闘するも、動けなくなったところを真っ二つにされました。 |
マーク41 | 通称ボーンズ。装甲を極限まで省いており俊敏性に優れる。全てのパーツが小さく分離できるので、映画ではJ.A.R.V.I.S.がパーツの分離攻撃を行いました。 |
マーク42 | 本作で登場した最新型で、スタークが身にまとったもの。これまでの赤のカラーリングに、金を多めに配色しています。スタークの身体に埋め込まれたセンサーから遠隔で装着が可能です。 |
アイアン・パトリオットは原作ではヴィランだった!
前作ウォーマシンをAIMが改良し、星条旗のカラーリングが施されたのがアイアン・パトリオット。映画ではキリアンに悪用されてしまいます。実は原作では、スパイダーマンの悪役として登場するグリーン・ゴブリンが着用しています。このグリーンゴブリンは、のちにヴィラン達を集めたダーク・アベンジャーズを結成してアイアンマンを苦しめることになるのです。
ちなみに、S.H.I.E.L.D.の代わりに、H.U.M.M.E.R(ハマー)を立ち上げる人物。「アイアンマン2」で登場するハマーとは別組織のようです。
「アイアンマン1」でスタークを助けたインセンが再登場
1999年スイスのパーティで出てきたインセン博士。「また会おう」と別れた末、次に2人が出会うのが「アイアンマン1」での監禁場所になるのです。「アイアンマン1」でインセンはスタークを覚えていましたが、このころのスタークは傲慢だったので一切覚えていないようでした。このパーティで、最後にトニーの手術してくれるウォン博士を紹介してくれており、本当の意味でスタークの恩人といえる人物です。
ハーレー・キナーは「アベンジャーズ4」に再登場!?
MCU作品では「アイアンマン3」にしか登場していないハーレーですが、実は「アベンジャーズ4/エンドゲーム」にも登場していました。今作でスタークと仲良くなっていた彼ですが、公開前までどの役として登場するか謎でした。ロバート・ダウニー・Jr.が「エンドゲーム」でMCU卒業が決まり、後継者としてハーレーくんが抜擢されるのではされていましたが、残念ながらスタークの娘「モーガン」の登場によりその線は薄くなりました。エンドゲームでは1シーンのみ登場なので、見逃さずに。彼の成長にビックリするはず。
スタン・リーは美女コンテストの審査員として登場
MCUおなじみのスタン・リーのカメオ出演。今回は美女コンテストの審査員として10点を掲げる様子として登場しました。
ここからが新生アイアンマン!「アイアンマン3」まとめ
いかがでしたか。本作は「アイアンマン」シリーズ3部作の最後の作品です。アイアンマンは3作通じてテロ組織との戦いが描かれ、その集大成となったため、MCU作品としての伏線は少なめでした。ここではこの後、アイアンマンがどうMCUに関わっていくかをまとめていきます。
「アイアンマン」はのちに登場する作品は以下です。
- アベンジャーズ2/エイジ・オブ・ウルトロン
スタークの人工知能J.A.R.V.I.S.がマインドストーンと一体化してヴィジョンになります。アイアンマンはマーク43、さらにはマーク44(ハルクバスター)、マーク45として登場。マーク45からは人工知能F.R.I.D.A.Y.がサポートします。 - シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
アイアンマンはソコヴィア協定への賛成チームとして参戦。マーク46に進化した機体でキャプテンらと戦います。 - スパイダーマン/ホーム・カミング
スタークはピーターのメンター役として登場。ピーターにスパイダーマンスーツを作って渡します。アイアンマンスーツはマーク47に改良。さらに新しい組織もつくり出します。 - アベンジャーズ3/インフィニティ・ウォー
マーク50を身にまとい、タイタンへ赴きます。最終的にタイタンに唯一取り残されており、今後キャプテン・マーベルと合流するのではと予想されます。
また、スタークの出演は2019年公開の「アベンジャーズ4」が最後と言われています。宇宙に取り残されたアイアンマンはマーク50で打ち切りなのでしょうか。また、ドクター・ストレンジのみた勝利の未来に対し、キーパーソンと予想されているアイアンマン。果たしてサノスを倒すことはできるのか。最新作の公開が待ち遠しいですね。
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