マーベルファン待望の「ヴェノム」公開を控え、関連作品の見直しなどで期待を高めている方も多いのではないでしょうか?
監督を務めているルーベン・フライシャーは、TVCMやミュージックビデオ、テレビドラマ監督もこなす映像に関してはマルチともいえる才能を持っていると言われています。
「ヴェノム」のために、スパイダーマン含めたマーベル作品をおさらいするのでなく、監督の過去作品を振り返ってみるのも一興かも。代表作品「ゾンビランド」を中心にいくつか、ご紹介していきます。
ルーベン・フライシャーとは?
ルーベン・フライシャーは1974年、アメリカ合衆国ワシントンD.C.生まれ。
彼が監督した代表的な長編映画作品は、2009年作品の「ゾンビランド」。そののちでは2011年に「ピザボーイ 史上最凶のご注文、2013年に「L.A. ギャング ストーリー 」などがあります。
その他、製作に関わったものも含めれば、「君といた10日間」などの恋愛ものもあり、その才能は多彩であると言うことができます。
もともとウェブサイト製作の仕事から、知人経由でこの業界に入ったという経歴ですが、作品を見る限りでは各所に、多くの名作映画のパロディ的要素を入れ込むなど、かなりの「映画オタク」であることは見て取れます。
ルーベン・フライシャー映画の代表作といえば
ルーベン・フライシャーと言えば「ゾンビランド」です。実績だけで言っても、この映画は、多くの国内映画賞にノミネート&受賞しています。実際に興行収入は1億ドルを超え、2016年発表の歴代ゾンビ映画カテゴリーでもトップ3にランクインしているという、玉石混交のゾンビ映画界ではかなりの良作だと伺えますよね。
実際の内容もかなり濃いです。舞台がゾンビのいる世界で、ロードムービー要素もあり、青春要素もあり、しかも、かなりクールに笑えるコメディであるという”ハイクオリティ”な作品なのです。
キャストは主演にジェシー・アイゼンバーグ(「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグ役)を始め、ウディ・ハレルソン、エマ・ストーンと、かなり豪華でもあります。
「ソンビランド」あらすじと見どころをご紹介!
映画「ゾンビランド」の舞台は、人類の大半(だけでなく生物全般?)が変異ウイルスによって凶暴な人食いゾンビと化した世界です。
主役の引きこもり青年コロンバスは、ゾンビの世界で生き残るための32のルールを作り、それを実践して生き延びます。そして、故郷へ向かう旅の途中、クセのつよいキャラたちと出会い、ゾンビがいないとうわさされる遊園地を目指してサバイバルの旅を続けていく‥というストーリーです。
コロンバスは当然女性経験もない、そしてなぜかピエロ嫌い。初めて部屋に入れた女の子にときめいたかと思いきや、その後突如彼女がゾンビになるというオチに始まり、ギリギリのところでゾンビをかわしていくところが実に軽妙です。しかも映像にちょいちょいと32のルールが、ARテキスト的に挿入されるあたりが、ちょっとかっこいい。
旅のお供となる一人目、目的地を目指すタラハシーは、屈強でマッチョなくせに、子供向け菓子のトゥインキーに目がなく、そのおかげで手に入れるスーパーで危険な目に合うという弱点つき。詐欺師の美人姉妹ウィチタとリトル・ロックにも騙されながら、一緒に旅を続けることになります。
最後にたどりついた遊園地では、それまでゾンビと真っ向勝負することを避けていたコロンバスが、ついに32のルールを破って、想いを募らせていたウィチタのために戦う、というラストが待っており、弱々しかった青年の成長ストーリーか?と見紛う読後感です。なに、この満腹感。ごちそうさまでした!
「ピザボーイ・史上最凶のご注文」あらすじと見どころをご紹介!
映画「ピザボーイ・史上最凶のご注文」は、「ゾンビランド」同様、主演はジェシー・アイゼンバーグ。ブラックなコメディ映画です。
ジェシー演じる、宅配ピザで働く青年ニックが、ある日指定の場所にピザを届けたところで、マスクを被った2人組に襲われ体に時限爆弾を巻き付けられてしまいます。2人組は、宝くじ当選で大金を手にした父親を殺して遺産を手にしたいと考えていますが、そのために殺し屋を雇うことを思いつきます。そして雇うためには、大金が必要で、そのための銀行強盗をさせるためにピザの配達人を誘拐することを思いついて‥というアホな奴らのせいで、ニックがなんとも回りくどい理由で、とんでもないトラブルに巻き込まれることになるというストーリーです。
ニックとその親友チェットは、銀行強盗まで成し遂げます。いつも30分以内に届けないとペナルティを食らっていたピザ宅配のはずのドライビングテクで、警察車両とのカーチェイスの末に逃走成功するあたりは、どこかで見たハリウッド映画のカーチェイスさながら。最終的には2人組に時限爆弾も「お返し」をして、強盗した大金は回り回ってニックとチェットが手にすることになりますが、その展開も、なかなかのドタバタです。
その他、随所に映画のパロディ的要素も散りばめられており、どぎつ目のコメディの中に映画オタク感もあり、軽妙なリズムに満ち溢れた作品です。
基本をおさえたテンポ感が、他ジャンルでの成功に。「L.A.ギャングストーリー」
映画「L.A.ギャングストーリー」は、これまでの2作品とはうってかわった作品の印象かもしれません。ギャングの抗争を描くフィルム・ノワール的作品です。しかしながら、一方はギャング、もう一方はL.A.市警の6人。警察という身分を捨て、ギャングに捨て身の戦争を挑むという
これらは、ルーベン・フライシャーらしさは前面に出ていないものの、ギャングの抗争といいながら、ボディがまっぷたつに割れちゃったり、なかなかの”脱”ゴッド・ファーザー感。最後まで見てすっきりできる、テンポよく痛快な娯楽作品になっています。また、登場するキャラそれぞれがクセ強く際立っているあたりが、彼らしい演出だと感じさせられます。
「ヴェノム」にも、”フライシャーイズム”は期待できそう!
ここまで、ルーベン・フライシャー監督の過去作品を紹介してきました。実は恋愛ものにも製作では関わっており、今っぽい乾いたテンポ感と各所に仕込まれたダークなクスッと感は健在です。また、「ヴェノム」監督にあたり、身体の破壊をとことん追求した”インテリ変態映画監督”デヴィッド・クローネンバーグや、恐怖を描く”詩人的鬼才”ジョン・カーペンターを意識したとのこと。まもなく始まるルーベン・フライシャー監督ならではの「ヴェノム」が与える恐怖に期待できることは、間違いなさそうです。
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