「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」は、時代を1962年に遡り、X-MENの誕生秘話を描いた作品です。X-MENシリーズでは4作目であり、これまでの3作で一旦区切りがつけられ旧3部作と名付けられていることから、本作は新3部作の1作目とされています。
旧3部作では推測の域を出なかった、プロフェッサーXとマグニートーの過去、どうやって出会い、そしてなぜ対立することになってしまったのかが、明らかになっていきます。つまり、X-MEN結成に至るまでの話だということになります。
しかもこれがまた、うまくできているんです。旧3部作と年代が被らず、1962年から始まり、本作以降も旧3部作後が描かれていて、一作品見るごとに、X-MENの空白の期間がうまく埋まっていくような、パズルのようなシリーズ。本作では主要メンバーのスコットやジーンは登場せず、ミスティークやビースト、スコットの弟ハボックたちが新しく描かれます。
サブタイトルの通り、初代X-MENを描いておりX-MENの原点となる作品でもあります。本作をスタートに物語が広がり、他作品の理解が深まると思っていいでしょう。続く「フューチャー&パスト」を見る上で押さえておくのはもちろんのこと、2019年公開の「X-MEN:ダークフェニックス」の予習にもなります(ジーンは出てこないですけどね)。また、これまで、当たり前のように存在していたセレブロや、エリックの被っている兜に関しても詳しく描かれているので、是非とも押さえておきたい作品なんです。
ここでは、
- X-MENはどうやって誕生した?プロフェッサーXとマグニートーの過去は?
- ミュータントが周知されたその瞬間、ミュータントと人間の戦いは始まった?あらすじ解説
- 続くX-MENシリーズに向け、登場人物の関係性含め伏線もご紹介
といった視点で、ご紹介していきます。
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」あらすじを丁寧に解説
本作「ファースト・ジェネレーション」はその副題通り、X-MEN「第一世代」を描く物語です。中心となるプロフェッサーX=チャールズとマグニートー=エリックの幼少期から、話は始まります。その舞台は、第二次世界大戦中の1944年です。
ポーランドの強制収容所で、腕に数字を刻まれたユダヤ人の少年エリック・レーンシャーが、母親と引き離されてしまったことで、叫びながら目の前の鉄柵を、触らずにありえない力で捻じ曲げました。エリックは、この経験でミュータントとしての能力に目覚めはじめていました。それを見ていた科学者のシュミット(ナチス時のみの呼称)/セバスチャン・ショウは、エリックを研究室に呼びました。「これからは遺伝子の時代」「進化だ」と語り、コインを念じて動かすよう言いますが、思うようにできません。「ナチスは望んだ結果を出す方法を知っている」とシュミットは、エリックの母親を連れてきます。3カウント以内に母親を人質に動かすよう言われ、目の前で殺害されてしまいます。怒りでパワーが増幅し、兵士のヘルメットも潰し、研究施設をボロボロにします。嬉しそうにするシュミットに肩を抱きかかえられ「君と私で楽しいことをしよう」と、エリックはコインを握らされます。
一方、アメリカのニューヨーク郊外で、お屋敷に住む少年チャールズ・エグゼビアが、台所に普段ではいるはずのない母親を目撃しました。恵まれた家庭とはいえ、キャリアウーマンの母親からは「ココアを入れようか?」など、決して優しい言葉をかけられることのなかったチャールズは「お前誰だ!」と心の中で語り、母親でないことを見抜きます。元の姿に戻ったのは青い肌の少女、レイブン・ダークホルムでした。「僕だけじゃないと思ってた」とレイブンと出会えたことを喜び、一緒に住むことに決めます。
1962年米露冷戦下、ショウの「ヘルファイア・クラブ」が暗躍
時は流れ1962年。エリックは母を殺したショウ/シュミットに復讐すべく、元ナチス党員を襲っていました。一方のチャールズは、イギリス・オックスフォードで特別変異に関する遺伝子研究を得意げに語ってパブで女性に声をかける呑気な生活です。そして、その横にはそれに嫉妬するレイブンの姿がいました。レイブンの思いは、チャールズには伝わっていないようでした。
ネバダ州ラスベガスでは、CIAエージェントのモイラ・マクダガートが、米軍のヘンドリー大佐を追跡する中で、CCCP(ソ連)と名の入った書類を見つけました。ショウのまとめるミュータント組織「ヘルファイア・クラブ」の暗躍を突き止めます。豪華絢爛なクラブの中にモイラが潜入すると、そこではショウがヘンドリー大佐と、ソ連のミサイルに関して話し、周りには氷姿になるエマ、竜巻を起こすリップタイド、テレポートができるアザゼルがいました。モイラは、ミュータントについて詳しく知る必要があると、イギリス・オックスフォードに渡り、チャールズに接近します。
チャールズとモイラ、そしてエリックとの出会い。エリックはショウを追跡
CIA本部でモイラは、チャールズたちミュータントの存在を説明しますが、一向に聞き入れられることはありません。そこでチャールズやレイブンがその能力を披露します。ただただ呆然とする本部の面々の中でただ一人の幹部が手をあげ「私の研究所に」と、CIAの極秘研究所に招き入れられることとなりました。そして、そこで別れることになったモイラにテレパスを通じて行動をともにするよう呼びかけます。
モイラたちが突き止めたショウの居場所は、カスパルティーナ号というクルーザーでした。ショウはそのクルーザーにある兵器を隠し持ち、どんなエネルギーも吸収する能力で、力を増幅させていました。そこへ、エリックが海からクルーザーを襲おうとしますが、エマが強力なテレパスで阻みます。出動していた沿岸警備隊の船にはチャールズたちがいました。ここでチャールズとエリック、そしてショウが一堂に会することになります。エリックは巨大な鎖で船を引き裂きますが、クルーザーは潜水艇となって逃亡。その後を追おうとするエリックに、海に飛び込んだチャールズが止めに入ります。「君だけじゃない」とエリックはチャールズを抱きしめました。
ディヴィジョンXを拠点に同士集めに奔走するチャールズとエリック
チャールズとエリックたちが滞在することになったCIAの研究所「ディヴィジョンX」には、最新の国防設備が備えられていました。そこに科学者として勤務するハンクは、ミュータントであることが見破られ動揺しますが「すごい!」と嬉しそうにするレイブンに、心を開いていきます。ハンクは「外見が普通に見える薬」を開発しているとレイブンに話します。エリックは施設内にあるショウの資料を持ち出し、一人去ろうとしますが、チャールズは「君にも仲間が必要だ」と説得し、引き止めました。
仲間集めのために用意されたのは、ハンクが開発した「セレブロ」でした。チャールズがその装置をかぶると、ミュータントの姿が浮かび上がり始めました。チャールズとエリックは、その情報を元に、エンジェル、ダーウィン、ハボック、バンシーをスカウトします。ウルヴァリンは残念ながら「ファックオフ!」の一言でお断りされてしまいました。集められた若いミュータントたちは、自身の能力を披露しあい、コードネームもつけ合いました。ディヴィジョンXで盛り上がりすぎ、暴走する力を制御できず、施設をめちゃくちゃにしてしまいます。
ショウが画策していたのは第3次世界大戦。ヘルファイア・クラブに心動くメンバーも
ショウの潜水艇は、ソ連を目指していました。チャールズのテレパスを遮断できるための新しいヘルメットも入手しました。チャールズたちは、ショウたちがソ連の将軍宅を訪問することを突き止めましたが、エマのみでショウの姿はありません。暴走するエリックは、チャールズとともにエマの心を読み、ショウがミサイルをキューバに配備させ核戦争=第3次世界大戦を勃発させようとしていることを知ります。ショウは将軍を説得し、ついにミサイルがキューバに動き始めていたのです。
暴れまくってボロボロのディヴィジョンXには、ショウ含めたヘルファイア・クラブのメンバーがスカウトに現れました。レイブンたちは、CIAの職員たちが「普通の人間を助けて」と話す声を聞きながら、ショウの「傷つけに来たのではない」「君たちを憎むものに味方するか、世界の王になるか」というスカウトに耳を傾けます。そしてエンジェルだけですが、ヘルファイア・クラブ入りしてしまいます。
ショウを阻止し、米ソの戦いを止めたはずだった…
拠点を失ったチャールズたちは、チャールズの生家を新拠点とし、ショウとの戦いに備えます。エリックは怒りが増幅されないと力が出せないと思い込んでいましたが、チャールズによってその力が感情まかせでなく発露できるようになります。レイブンはエリックに「人間の姿を保とうとしている生で集中力が足りない」と指摘され、姿を隠すことの意味に疑問を大きくしていました。一方、姿を人間のよう見せたいハンクは、レイブンの血液から作った「キュア」と呼ぶ薬をついに完成させ、自身に投与します。しかし実験は失敗し、ハンクは青い毛に覆われた姿となってしまうのです。
チャールズとエリックはチェスをしながら、翌日の出撃を前に話し合っています。「明日から人間は俺たちの敵になる」と恐るエリックに「よ良い人間になろう」と説くチャールズの思いは、平行線を辿ります。そして翌日、ハンクの開発した黄色い防護スーツと、ステルスジェットに乗り込みキューバに向かいます。そこには緊迫した二国の艦隊が。一時はソ連がミサイルを発射しましたが、チャールズがテレパスで弾道を引き返させます。しかし、ショウは、潜水艇のリアクターを使って新しく弾頭を作り、戦争を不可避にさせようとしていました。チャールズは、エリックが浜辺に引っ張り上げたショウの潜水艇で、ショウを追い詰めます。エリックは、チャールズの止める声を無視し、かつて手渡されたコインでショウの頭を貫き、殺してしまいます。
ミュータントの力を恐れた米ソ両軍は、チャールズたちを攻撃しようとし始めました。しかしエリックが、そのミサイルの向きを反対に変え反撃しようとします。止めるよう説得するチャールズの声はもう届きません。モイラはエリックを銃撃しますが、エリックが弾いた弾はチャールズの腰にあたり、チャールズが倒れてしまいました。ミサイルは、どこに当たることもなく、危機は回避されました。
ラスト:エリックとチャールズは袂を分かつ。モイラの記憶は消されてしまった
チャールズに謝るエリックは、それでも自身の考えは曲げられないと言います。「俺たちが争えば人間の思う壺だ」「理想は同じだ」と言うチャールズに、「残念ながら理想は違う」「我々の社会を作る」とエリックは言い、レイブンも仲間に引き入れ、姿を消してしまいました。
チャールズは下半身の自由を失い、車椅子となりました。ミュータントのアカデミーを作ろうとしています。「僕らは政府非公認のGメンかな」と言うチャールズに、モイラは「もっとすごい=エクストリーム=Xメンよ!」と初めてその呼び名をつけました。正体を明かさないことが必要だと話しあう二人ですが、その最中、チャールズはモイラのその記憶を消してしまいました。
記憶を失ったモイラを尋問するCIA本部では、エリックがエマを救出に現れました。真っ赤なヘルメットに衣替えをし、自身を「マグニートーだ」と名乗る場面で、物語は終わります。
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」登場人物・敵(ヴィラン)を徹底解剖
チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)
史上最強のテレパスを持つミュータントで、後のX-MENの創設者。旧3部作では、穏やかな性格の「人格者」として描かれていますが、新3部作ではまだ若い頃のチャールズが、穏やかな性格となるまでの、奔放さや傲慢にも見える理想主義者のように描かれています。
裕福な家庭に育ちながらも、親や家族の愛に飢えていたことが、ミュータントの同士を集めるという行動に繋がっています。生家が新たな拠点となった際に「義父は核戦争に〜」と語っており、実の親ではなかったようです。ラストでは「秘密は守る」と言っていたはずのモイラの記憶を消したのは、一体どんな思いがあったからなのでしょうか。
エリック・レーンシャー/マグニートー(マイケル・ファスベンダー)
磁力で金属を操る能力を持つミュータントで、後のブラザーフッド創設者。ユダヤ人としてホロコーストを生き延び、シュミットにその能力を実験的に開発されていたことが、チャールズとの初めて出会いで、記憶を覗かれたことによって分かっています。
同じミュータントとして生きるチャールズと心を通わせようとする一方で、人類は決してミュータントを受け入れないはずだとの思いは変わらず、最後はチャールズと別の道を歩んで行くことになりました。愛していた母親をショウに殺されており、愛に飢えていたのはチャールズ同様ですが、愛の求め方はちょっと異なるのかもしれません。ラストで身にまとった、だっさーい赤いヘルメット&スーツは原作に模したもののよう。
レイヴン・ダークホルム/ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)
全身の皮膚の色や形を操れる変身能力を持つミュータント。幼い頃にチャールズに保護され彼にずっと思いを寄せていたが、妹としてしか見てもらえずにいました。その後、CIAで出会ったハンクと惹かれ合いますが、青い肌のありのままの自分を認めてもらいたいという想いが故に、ミュータントの外観を“正常”に戻すべきという彼の考えとの違いに悩み傷つき、「そのままでいることを認めたい」とするエリックの思想に惹かれていくことになります。
エリックと会話する場面、一瞬だけ旧3部作でレイブンだったレベッカ・ローミンに変身しています。
ハンク・マッコイ/ビースト(ニコラス・ホルト)
動物的な身体能力と感覚機能と同時に、優れた知力も持つミュータント。旧三部作では、ミュータント省の長官を務めるなど、X-MENの中では出世頭です。CIAⅡヒィジョンX勤務中に、自身の体を普通にしたいとの思いで、レイブンの遺伝子から作った薬を投与し失敗。そのために青い体となりました。実験前は「ビッグフット」と呼ばれていましたが、青い毛むくじゃらの体になってからは「ビースト」に呼び名変更。
ステルスジェットや、セレブロを作ったのも彼の頭脳によるもので、X-MENの多くの兵器やシステムが、彼によって作られました。
モイラ・マクダガート(ローズ・バーン)
CIAエージェントで、チャールズの恋人。旧三部作の「ファイナル・ディシジョン」のラストでもちらっと登場するなど、チャールズにはなくてはならない存在です。原作ではCIAではなく突然変異の研究者で、映画作品同様にチャールズと恋人関係にありますが、残念ながら婚約破棄となってしまう展開なんです。
アレックス・サマーズ/ハボック(ルーカス・ティル)
体から赤い破壊光線を放つミュータント。ハンクの作った制御装置で、体の一部からエネルギーを放射できるようになります。そう言えば、目から赤い光線をだすキャラがサイクロップスですよね、このハボックは、原作ではサイクロップスの兄です。
ショーン・キャシディ/バンシー(キャレブ・ランドリー・ジョーンズ)
口からソニック・スクリームを発するミュータント。本作では水の中で発射して、ショウの潜水艇を見つける「ソナー」役として力を発揮しました。同じように悲鳴で空気を振動させる女の子がいたような…X-MEN2で登場した学園の生徒サイリーンは、バンシーの娘なんです。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f3f3f3″ color=”#000000″ margin=”0 0 20px 0″]ヴィラン[/st-minihukidashi]
セバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)
ヘルファイア・クラブのリーダー。あらゆるエネルギーを体内に吸収、蓄積することができ、そのエネルギーを放出して莫大な攻撃力を持つミュータント。本作では、ミュータントのための世界を作るべく、米ソ両軍の背後で暗躍することでキューバ危機を引き起こしました。1つ不思議だったのが、ナチス時代と、キューバ危機時代でその姿が変わらなかったこと。これは、彼の能力の1つなんですって。
ナチス党時代の名はシュミットで、結構冷酷な科学者然としていましたね。ナチス政権下の科学者ヨーゼフ・メンゲレという人物を模しているそうです。メンゲレは、優生学の研究の名を借りて多くの人体実験を行い、子供たちをキャンディーで誘い出し拷問を行ったとされる恐ろしい人物です。原作では、もっともみあげが長いです。
エマ・フロスト(ジャニュアリー・ジョーンズ)
ヘルファイア・クラブのメンバーで、テレパスを持つミュータント。頭脳も明晰なため、ショウの右腕として存在感も抜群です。体をダイヤモンド化する力は、第2ミューテーションという別の力です。
原作では「ホワイトクイーン」と呼ばれ、途中でX-MENと和解しちゃいます。また他の映画作品では「X-MEN zero/ウルヴァリン」では、ウルヴァリンの恋人シルバーフォックスの妹としても同じ名前のミュータントが登場しましたが、このエマは別人のようです。
エンジェル・サルバドール/エンジェル(ゾーイ・クラヴィッツ)
背中に昆虫様の羽をもち、口から強酸性の唾液を吐くミュータント。ナイトクラブで働いていた時の影響なのか、思想はややネガティブでダーク。
実は旧3部作にも登場した、別のエンジェルも。しかし、そのエンジェルは「アークエンジェル」といい翼が生えているミュータントで名前はウォーレンで男性キャラ。翼の生えたミュータントキャラは、X-MENシリーズではあちこちに出てきて、サルバドールというエンジェルがアポカリプスでも登場します。
アザゼル(ジェイソン・フレイミング)
ヘルファイア・クラブのメンバーで、テレポート能力を持つミュータント。赤い肌に刻まれた文様が、なんだか悪魔っぽい感じです。今回は登場していませんが、ナイトクロウラーにも似ているよなーと思っていたら、原作ではナイトクロウラーのお父さんなんですって。色は青と赤で違うんですけどね。
デットプール3でもサプライズ登場しています。
クエステッド/リップ・タイド(アレックス・ゴンザレス)
ヘルファイア・クラブのメンバーで、手や全身から竜巻を引き起こす能力をもつミュータント。メキシコ人です。原作では全身を竜巻のように回転して、皮膚を手裏剣みたいにして投げる、ニンジャ?スタイルで、マローダーズと言うチームに属していました。マローダーズもヴィランチームみたいな殺戮部隊です。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f3f3f3″ color=”#000000″ margin=”0 0 20px 0″]その他[/st-minihukidashi]
アルマンド・ムニョス/ダーウィン(エディ・カテギ)
その場の環境に応じ、最適な姿へと瞬時に身体を進化させるミュータント。水に入ればエラができ、炎の中なら耐火性能を持ちます。すごいね進化。原作ではグレー色の宇宙人みたいないでたちですが、本作では黒人青年として登場していました。
CIAエージェント(オリヴァー・プラット)
初めてミュータントの力を目の当たりにしたCIA本部で唯一、「素晴らしい」と研究所にチャールズたちを招いたCIAエージェント。結構大事な役柄なのに、名前が付いていないのは、どうやら極秘任務を司るものは名前を持たない、と言うことらしい。MIB的な発想のようですね。
ウィリアム・ストライカー(ドン・クリーチ)
CIAエージェント。この名前、どこかで聞いたことありますよね。旧三部作でもこの名前が登場し、ウルヴァリンの体にアダマンチウムを注入していました。今回登場のストライカー氏は、実は旧三部作登場のストライカー大佐のお父さん。チャールズとのやりとりでも「息子のウィリアムのことでもいいが」とちらっと話題に上っていました。どうやら親子代々で、ミュータントを遠ざけたいという態度のようです。
ローガン/ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)
登場シーン少なくて、超残念。X-MENと言えばウルヴァリンでしょ!と思うファンを怒らせないためだけに登場したかのようなカメオ出演です。しかもたった一言「ファックオフ!」ですよ。
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」見どころ、伏線など
恵まれし子らの学園の誕生
X-MENの1作目から存在し、チャールズが校長を務める「恵まれし子らの学園」のできた経緯が、本作で明らかになりました。ミュータントの力を開発しようとする政府の特別研究機関ディヴィジョンXが破壊されてしまったことで、新たなチャールズたちの拠点とし、ラストでそこに若いミュータント保護・育成する場所として学園設立となりました。かつ、かつてのチャールズの生家でもあったことがわかりました。原作では車椅子になって戦えなくなったために、ミュータント育成拠点として学園設立となっています。
この学園はX-MENシリーズでは重要な場所です。1作目に瀕死の状態のウルヴァリンがローグとともに運び込まれ、ジーンの治療を受けたのも、この学園でした。副校長はストーム。他にもハンクはもちろんのこと、スコットたちが育った場所でもあります。のどかな外観とは裏腹に、地下にはジェットが格納されているだけでなく、セレブロもある最新技術が詰まった基地でもあるのです。
プロフェッサーXとマグニートーの出会い
プロフェッサーX、マグニートーと呼ばれる前のチャールズとエリックの出会いは、海の中でした。命を捨てるのも厭わず、母の仇を打つべくショウを死に物狂いで追いかけるエリックを、抱きしめて思いとどまらせたのがチャールズでした。
原作での2人の出会いは、全く異なります。その場所はイスラエル。チャールズは軍人となりその中で義兄ケイト=ジャガーノートと出会ったりエジプトでミュータントを操るシャドウキング(次作につながる話題かも?)と出会う経験をします。一方のエリックはホロコーストから逃れつつたどり着いたイスラエルで、チャールズと出会いました。その間の2人のストーリーも、結婚していたり婚約破棄になったり複雑です。
ちなみに、ジャガーノートは旧3部作内や、「デッドプール2」にも登場した、体当たりで手当たり次第壊しまくるミュータントです。義理だからですけど、兄弟感ゼロです。
原題「FIRST CLASS」だから、コスチュームの色はキープ
本作の原題は実は「ファースト・クラス」。このタイトルの原作が実は存在しています。しかし、実際の内容は、本作とはほぼ異なっており、なぜか若き日のサイクロップスたちの活躍が描かれていました。うーん、これおかしくない?ってことで、邦題の副題が、より「原点」を意味する「ファースト・ジェネレーション」に変更となりました。
でも1つだけ。原作のファースト・クラスはキープ、ってことで、終盤にステルスジェットでキューバに向かう時にメンバーが着用していたスーツは、原作同様の黄色いコスチュームなんです。
X-menの仇敵ヘルファイア・クラブとは?X-MEN新作でもその名前を忘れずに!
これまでの三部作では「ブラザーフッド」しか知らないですよね、ミュータントのヴィラングループ。今回登場のヘルファイア・クラブは、18世紀からイギリスに実在していた秘密結社の名前を使っている悪の組織です。
原作ではニューヨークが拠点。裏組織としてインナー・サークルと呼ばれ、それがヘルファイア・クラブです。表向きには社会的に影響のある政治家や知識人などの社交場ですが、それらを利用し、世界征服を目論んでいます。その中で、本作のヴィラン、ショウはトップの存在でした。
初代メンバーには本作登場のショウや、エマはもちろん、その後にマスターマインドや、フェニックス(ジーン・グレイの別人格)というメンバーが名前を連ねるので、X-MENシリーズを見る上では、欠かせない宿敵なのです。
原作ファンのジェームズ・マカヴォイは途中までヅラだった
チャールズのトレードマークと言えば、そうハゲ頭。しかし本作ではずーっと髪ふさふさでした。ですが、作品内で「禿げそうだ」とか「髪に触るな」というセリフが飛び出ていたチャールズ。
実はチャールズを演じたジェームズ・マカヴォイは、原作の大ファンで、オファーがきたらさっさと丸坊主になっちゃったそうで、蓋を開けたらハゲる前だったという衝撃の裏話が。ということで、制作中は途中まで「カツラ」だったそう。あのセリフは、アドリブ?小ネタを知ってから聞くと、ちょっと笑っちゃいますよ、真顔だもん。
チャールズが歩けなくなった理由判明!じゃ、ハゲるのは?
本作では歩いていたチャールズでしたが、ラストでエリックが振り払ったモイラの銃弾が腰に当たったことにより、下半身が動かなくなってしまいました。これがチャールズが歩けなくなってしまった真実だったのです。
原作では、実は何度も歩けるようになったり、また歩けなくなったり、を繰り返しているようですけど…。ちなみに、ハゲちゃうのは原作によれば、10代に髪が抜け落ちているとのことですが、本作の時点では無事のようですね。髪が抜け落ちる衝撃シーンは次作以降です、ぜひお楽しみに。
まとめ:本作品の見どころ、大事なポイント
- 新三部作の一作目となった本作では、チャールズ=プロフェッサーXとエリック=マグニートーは、心を通わせていた元同志だったことがわかりました。また、エリックの能力発露の発端は母の愛を失った怒りであり、チャールズは家族の愛自体に飢え仲間を探そうとする気持ちとテレパスという能力が結びついているようです。旧三部作ではおじいちゃん同士でしたが、失礼ながら若くなった2人であることで、アクションシーンも見応えはアップしています。
- 本作は、実は旧三部作で描ききれない、旧三部作の世界観に区切りをつけるためのものだと位置付けることもできます。ハンクやレイブンなど、初代X-MENの生い立ちと、ミュータントと人間の本質的な関係性が描かれたことで、これまでなぜ人間がミュータントを規制しようとし、なぜブラザーフッドがそれに抵抗し、なぜX-MENがブラザーフッドを止めようとしてきたのか、その始まりがわかったことで、単なるヒーロー対ヴィランでないシリーズであることがはっきりしました。
- 原作と映画作品に乖離の多いX-MEN。ショウなき後のエマは、マグニートーと名乗り始めたエリックの仲間となりましたが、その後の行方は実は見えていません。どこで伏線回収となるか?エンドロール後の映像もありません。次回作「フューチャー&パスト」で時系列が書き換えられることがわかっており、次第に原作に寄せていくのではないか?と見られています。
いかがでしたか? X-MENシリーズは、原作では世界観もかなり複雑な構造ですが、多くの名作もあります。原作などを紐解きつつ、映画も存分に楽しみ、次々と登場する新作に備え、過去作品のおさらいをしておきましょうね!
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