「ブラックパンサー」は2018年に公開された同タイトルシリーズの第1作目です。またマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第18作目にあたります。MCUの直前作品は「マイティ・ソー/バトルロイヤル」、直後作品は「アベンジャーズ3/インフィニティ・ウォー」になります。
ブラックパンサーの冠作品は本作が初めてですが、初出は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」です。またブラックパンサーの国ワカンダはヴィヴラニウムの産出国で、それこそ「アイアンマン」からずっとMCUで重要な役割を果たしてきました。今作のヴィランの一人ユリシーズ・クロウは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」にも登場しています。
ここでは「ブラックパンサー」についてただ観ているだけでは見逃してしまいがちな伏線や小ネタも含めて、本編では分かりづらい部分を深掘りして解説します。特にMCUを通してキーワードとなってきたヴィヴラニウムや謎の国ワカンダの技術にについて細かく見ていきます。インフィニティ・ウォーに直接的につながる舞台であるだけに、ワカンダについてはしっかりおさえておきましょう。
参考新作のあらすじを知りたい方は「【ネタバレ】「ブラック・パンサー2:ワカンダ・フォーエバー」あらすじ・ラスト結末!登場人物まで徹底紹介!」をご覧ください。
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「ブラックパンサー」あらすじを丁寧に解説
それでは「ブラックパンサー」のあらすじをまとめていきます。「シビル・ウォー」でソコヴィア協定の会議現場で起こったテロにより、父ティ・チャカを失ってしまいます。王位を継承するべく、ティ・チャラが祖国ワカンダへ戻ってきたところから物語は始まります。
ワカンダに戻ったティ・チャラは、挑戦者との戦いを受ける王位継承の儀式に臨みます。唯一立ちはだかったジャバリ族のエムバクとの戦いの末、王位継承を認められます。ハーブの力を体内に取り込み、夢の中で父と再会、不安な胸の内を明かします。
一方、イギリスの博物館では、キルモンガーがユリシーズ・クロウと協力しヴィヴラニウム製の武器を盗み出していました。30年以上ワカンダの追跡を逃れているクロウを捕まえるべく、ティ・チャラは動き出します。
クロウ脱獄。致命傷を受けたロスをワカンダへ連れ帰る
クロウを追ってティ・チャラ、ナキア、オコエは釜山に乗り込む。そこにはクロウと取引に来ていたロス司令官が。ワカンダ人の存在に気づいたことで銃撃戦になります。シュリの遠隔操作技術も活かしつつ、逃走するクロウを捕らえます。
ロスによって尋問されたクロウは、ワカンダが実は先進国であり、ヴィヴラニウムを有することを語ります。最中にキルモンガーが施設に侵入、クロウを連れ去ります。爆撃からナキアを守ったロスは致命傷を負ってしまい、その治療のためにオコエの反対を押し切りワカンダへと連れ帰ります。
父の行動から生まれた恨み、キルモンガー
クロウの仲間がワカンダの指輪を持っていたことに気づいたティ・チャラは、ズリを問い詰めます。かつて外の世界の貧困を無くしたかった叔父ウンジョブがワカンダを裏切り、ユリシーズ・クロウと協力してヴィヴラニウムを盗み出していたことを聞きます。ティ・チャカ扮するブラックパンサーはウンジョブを殺し、その子供を置いて立ち去っていました。その子供がキルモンガーだったのです。
そこへクロウを殺害して死体を持ち込んだキルモンガーが現れます。ウンジョブの息子であると告げたキルモンガーは王座を欲し、ティ・チャラに挑みます。破れたティ・チャラは谷底へ突き落とされ、キルモンガーは玉座につきます。力の源であるハート形ハーブもすべて焼き払い、世界征服へと行動を起こします。
ブラックパンサー復活!キルモンガーに勝利
ナキアが確保した最後のハーブを持って、シュリらはエムバクのもとへ。よそ者から玉座を奪い返して欲しいと伝えます。そこには流れてきたティ・チャラがいて、ハーブを与え復活します。夢で再び父に会ったティ・チャラは、これまで世界から目を背けてきたのは間違いだと強く言い放ちます。
今まさに世界へ繰り出そうとするキルモンガーたちを前に、ブラックパンサーが立ちはだかります。ロスが機体を遠隔操作して外部への流出を防ぎ、シュリやオコエらはエムバクの協力もあり地上での戦いを制します。キルモンガーと1対1で戦ったティ・チャラは勝利し、キルモンガーは死を選びました。
終章1:ワカンダの開国
ウンジョブが殺された建物を買い取ったティ・チャラは、ワカンダ初の国際支援センターを設立することを告げます。さらに国連の場で、世界への支援を表明しました。事実上のワカンダの開国宣言となりました。
終章2:バッキー・バーンズの目覚め
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」以降、洗脳を解く方法がわかるまでワカンダで冷凍保存されていたバッキー。地元の子供達にホワイトウルフと呼ばれながら、バッキー・バーンズがついに目覚めました。
「ブラックパンサー」登場人物まとめ
本作に登場した主要人物についてまとめていきます。
ティ・チャラ/ブラックパンサー
「シビル・ウォー」で初めてアイアンマン陣営としてアベンジャーズに合流。隠された先進国ワカンダの新国王で、ハート形ハーブの力で強化された身体と、シュリがつくったヴィヴラニウム製のスーツを身にまとって戦います。先代国王である父まではワカンダ第一主義で技術を国内にとどめていましたが、世界へと技術発信をしていくことを決断しました。
シュリ
ティ・チャラの妹で、世界最先端技術を誇る開発チーム「ワカンダ・デザイン・グループ」を率いる天才的な科学者。ヴィヴラニウム製のスーツを始め、様々なハイテクツールを発明しています。作中では自らが王位に挑戦しようとする様子を見せるなど、兄の座に興味を持っている様子です。
ナキア
ティ・チャラの幼馴染で元恋人。かつては親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の一員であった彼女ですが、ワカンダの国際スパイ「ウォー・ドッグ」として活躍するようになって以来、海外で苦しむ人々を救いたいという思いを持っています。スパイ活動を始めてからは祖国へ戻らなくなったナキアですが、ティ・チャラは未だに想いを寄せている様子です。
エヴェレット・ロス
「シビル・ウォー」で対テロ対策本部でウィンターソルジャー事件の担当をしていたCIA捜査官。今回はヴィヴラニウムの闇取引を追っている際にティ・チャラと再会し、騒動に巻き込まれていきます。
オコエ
ワカンダ王家を護る親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の隊長を務める戦士。ティチャラとは幼なじみでもあり、彼のボディガードとして行動を共にしています。世界中の語学や格闘技、武器やツールの使い方などあらゆる技能を習得しています。ボーダー族のリーダー・ウカビとは恋仲です。
ウカピ
ワカンダ国境を守る役割をもつ5大部族「ボーダー族」リーダーで、オコエの恋人。戦闘用のサイやヴィヴラニウム・シールドを使いこなして戦います。
エムバク
山に住むジャバリ族のリーダー。ハヌマンというゴリラ神を信仰し、他の種族とちがってワカンダの儀式への参加資格を持っていません。しかしエムバクはこの古い取り決めの無効を主張してティ・チャラに挑みます。キルモンガーとの戦いの際にはティ・チャラを助ける心優しい側面を見せました。
ラモンダ
ティ・チャラの母親。ティ・チャカの死を悲しみながらも、気丈に振る舞って人々の心をまとめています。
ティ・チャカ
ワカンダ先代国王で、ティ・チャラの父。ワカンダを守るべく、ワカンダの技術を国内に閉じ込めておく統治を行いました。「シビル・ウォー」にて、ソコヴィア協定の国連会議中のテロで命を落とします。本作ではティ・チャラの夢の中に登場します。
ズリ
ブラックパンサーの儀式を司る高僧で、ティ・チャラを知識の面でも補佐する存在。先代国王の時代に国際スパイを務めており、ウンジョブの捜査を行なっていました。先代国王がウンジョブを殺したのは自分を守るためだと自責の念を持っています。キルモンガーが王位挑戦している際に止めに入り、殺されてしまいます。
ウンジョブ
ワカンダの技術を輸出することで世界の貧困層を救えると考え、ユリシーズ・クロウと協力してヴィヴラニウムの窃盗に手を染めてしまった、ワカンダ王家の1人。ティ・チャラの叔父にあたります。ワカンダを裏切ったことをティ・チャカにばれたとき、ズリを殺そうとしたことでティ・チャカ扮するブラックパンサーに殺されてしまいます。
アヨ
ドーラ・ミラージュの一員。
エリック・キルモンガー・スティーヴンス
死の商人を意味するキルモンガーの異名をもち、若い頃から米国の特殊部隊に所属しながら容赦ない戦いを繰り広げてきた猛者。実はティ・チャカに殺されたウンジョブの息子で、世界支配の野望を達成するべくワカンダの王座を狙います。最後はブラックパンサーとの一騎打ちで破れ、この世を去りました。
ユリシーズ・クロウ
ティ・チャカ統治時代からワカンダに侵入しヴィヴライニウムを盗み荒稼ぎをしてきた武器商人。30年もの間ワカンダの追跡から逃れてきました。「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でもウルトロンとヴィヴラニウム取引をする際に登場しており、ウルトロンによって左腕を切り落とされています。今作では義手をつけており、強烈な衝撃派を発するソニック・ブラスターが仕込まれています。キルモンガーによって殺されました。
おさえておきたい!「ブラックパンサー」小ネタ集
ワカンダ独自のツールがたくさん登場!
ワカンダの最新技術に基づくたくさんの独自ツールが登場しました。多くはティ・チャラの妹シュリによって発明されています。
キモヨビーズ | ワカンダではブレスレットとして身につけられているヴィヴラニウム製のビーズです。高性能の通信機能を持っています。「キモヨ」とはバントゥー語で「魂」の意味です。 |
ハート形ハーブ | ワカンダの国王になった者だけが飲むことを許されているハーブ。ブラックパンサーになるための超人的な身体能力を得ることができます。ハーブを飲んだあとは土に埋められ、過去に関する夢を見ます。 |
ガントレット | 作中でシュリが使っていた、強力なエネルギー・ブラストを発する武器です。 |
ロイヤル・タロン・ファイター | 王家専属の飛行艇で、ヴィヴラニウムの特性を応用したハイテク機。姿を消す能力などをもちます。 |
スニーカー | シュリが発明した足音を消す靴。 |
『ヴィヴラニウム』とは
MCUシリーズを通して最強の金属として登場し続けてきたヴィヴラニウム。キャプテンアメリカの盾やアイアンマンの装甲にも使われています。「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」ではソコヴィアを墜落させるためにも用いられました。本作で、数百万年前に地球に飛来した隕石由来の物質であることが明かされ、ワカンダの地にはまだ大量のヴィヴラニウムが眠っていることがわかり、ブラックパンサー2の伏線につながっていきます。
ワカンダを支える5大部族
本作で登場したウカピのボーダー族(国境)の他にも、マーチャント族(商人)、リバー族(川)、マイニング族(鉱山)、ジャバリ族、この5つでワカンダを支えており、ワカンダの政治はそれぞれの部族の長との合議制で進められています。
原作との違い
<キルモンガー>
映画のキルモンガーはかなりアレンジされたキャラです。原作では、キルモンガーは王族の人間ではなく、父親がクロウと協力したために一族ごと国外追放になった人物でした。
ちなみに映画で出身地はオークランドとされますが、オークランドは黒人に武装蜂起を呼びかけていた組織「ブラックパンサー党」という組織が実在した場所です。そのあたりをかけて設定されていそうです。
<エムバク>
映画ではいい人だったエムバク。原作では『マンエイプ』という名前。白ゴリラを殺してその血肉を取り込んだことで超人的なパワーを手に入れたヴィランで、ブラックパンサーの王位を狙う強力な敵として立ちはだかりました。
<バッキー>
ワカンダの子供達がバッキーを呼んでいたホワイトウルフという名前。原作では、かつてワカンダに飛行機事故で墜落した一家の生き残りで、ティ・チャラの義理の兄として育てらえた白人男性を指します。白装束をまとい、ワカンダ秘密警察のリーダーとして活躍しました。時にはブラックパンサーのライバルとして戦ったこともあります。造形としてはキルモンガーに踏襲されている部分もあるので、名前だけちょこっと登場しただけかもしれません。
スタン・リーはギャンブラーとして登場
MCUシリーズ毎度お馴染みのスタン・リーは、釜山カジノで出てきたギャンブラーとしてカメオ出演しています。
「ブラックパンサー」まとめ
「アイアンマン」の頃から謎に包まれてきたヴィヴラニウム、そしてその産出国であるワカンダとブラックパンサー。色々な点が繋がり、最大の戦いインフィニティ・ウォーへと向かっていきます。ここではMCU作品として「ブラックパンサー」でおさえておきたい内容をまとめます。
- ワカンダの開国 → インフィニティ・ウォーの戦いの場に
これまで鎖国状態にあったワカンダを開国し、技術を国外に波及することを決めたティ・チャラ。ワカンダの地が開国されたことは、続くインフィニティ・ウォーでの地球上決戦の場としてワカンダが使われるようになるきっかけの1つです。 - ウィンターソルジャーの復活
「シビル・ウォー」後、洗脳が解けるまで冷凍保存に入ったバッキー。シュリの力で無事に洗脳が解かれたことで、今作最後には復活します。次回インフィニティ・ウォーから参戦してきます。
ブラックパンサーが次に出るのは直後の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」。地球上でのサノスとの決戦の場として、ワカンダの土地が使われます。
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