「ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー」は、MCU映画作品30作目の「ブラック・パンサー」2作目です。ワカンダの若き国王ティ・チャラの訃報で悲しみを乗り越えていく、妹シュリの成長と新たなブラックパンサー誕生の物語です。
本作製作前にティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが病死したことにより、彼を哀悼する、涙無くしては見られない場面もありながらアクションの美しさは健在、かつ、資源をめぐる海の王国タロカンとの対立が描かれるなど、社会風刺的な側面も持つ多重な要素が含まれた作品です。
本記事では、本編を振り返りながら一度みただけでは分かりづらい点を、深掘りして解説していきます。
参考「【ブラックパンサー】ネタバレ結末まとめ！あらすじから重要人物まで徹底解説！」 をみておくと、より理解が深まります。
ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー あらすじ
ワカンダ国王ティ・チャラの命は、尽きようとしていました。妹の王女シュリは祈るような思いで、彼を回復させる可能性のあるハート型ハーブの複製を試みますが、成功することのないまま、兄は命を落としてしまいます。「ごめんなさい兄さん」と、シュリは自分の力不足を責めます。
ティ・チャラが亡くなったことは、世界に知れ渡ります。世界各国の勢力は、ブラック・パンサー不在の国となったことにつけ込もうと、マリ共和国の支援センターを襲うなどでワカンダにしかない超金属ヴィブラニウムを狙い始めました。ティ・チャラの跡を継いだ母の女王ラモンダは、国連本部で抗議します。
シュリは今まで以上にラボで研究に打ち込みます。「ブラック・パンサーは過去の遺産」と、ハーブの再生はやめ、軍用スーツ開発に勤しみます。ティ・チャラの死から1年経ち、シュリは母ラモンダに連れられ、川縁で喪服を燃やす儀式を勧められますが「私が燃やしたいのは服じゃなくて世界よ」と反発します。そこに川から、足首に羽を生やしたネイモアが現れます。
ある条件に応じないと交戦すると脅すネイモア。シュリとオコエはケンブリッジへ
ネイモアは、ティ・チャラが開国したことによってヴィブラニウムの存在が世に知れ渡り、ヴィブラニウム探知機が開発されてしまったこと、ワカンダだけでなくネイモアの国タロカンにもあることが知られてしまい、探索船を破壊したことを説明します。つまり、世界から隠れていた国の存在が脅かされてしまう原因がワカンダにあるから、交戦すると言うのです。
ネイモアは交戦回避の条件として、探知機を開発した者を捕まえてくることを提案しました。置き土産の探知機を見ると、手作りパーツなどでできており、シュリは感心します。「ヴィブラニウムを持つ敵は初めてだ」と評議会は、交戦を避けることを選択し、オコエとシュリはバージニア州のロスの元を訪ね、情報収集を開始します。
情報漏洩に慎重なロスですが「恩人でしょ」と詰め寄るシュリに、開発者の名前と所在地を渋々明かします。大学生と知り驚く二人は一路ケンブリッジに向かいます。19歳のMIT大学生リリの元に現れたシュリは、リリが教授に無理だと言われた反骨精神で探知機を作ったことに衝撃を受けつつ、危険が迫っているためにワカンダに来るよう説得をします。
海の王国タロカンに拉致されたシュリとリリ。女王ラモンダがナキアに接触する
リリが荷物をまとめようと、ゴミ収集車の修理をする報酬がわりに使っている倉庫に向かうと、FBIの車が周囲を包囲し始めました。リリは自らが開発したアーマースーツ「アイアンハート」を装着、シュリはバイク、オコエはリリが改造していた車で逃走します。しかし、逃げ切れるギリギリの橋で、FBIの車両が到着し足止めを食らってしまいます。
橋の上の3人の前に、川から現れた青い顔をした戦士たちが立ちはだかりました。オコエの奮闘虚しく、シュリとリリは、連れ去られてしまいます。翌日に現場にきたロスは、落ちているキモヨ・ビーズを見つけ、元妻で長官のデラフォンテーヌの疑惑の目を回避しながら、連絡手段として持ち去ります。
シュリを守れなかったオコエに、女王ラモンダは激昂し「今回は許さない」とドーラ・ミラージュの隊長の職を解きます。ロスは、事故現場に残ったキモヨ・ビーズを使って女王ラモンダに連絡し、CIAが大西洋と橋での一件はワカンダのせいだと疑っているとリークします。ラモンダはハイチに向かい、ワカンダのスパイ組織ウォー・ドッグの敏腕スパイでありかつティ・チャラの恋人だったナキアの力を借りようとします。
ネイモアの願いは、醜い地上世界の浄化。共闘を求められるも、事態は交戦へと進んでしまう
シュリとリリは、メキシコ・ユカタン半島沿いの海の中の洞窟に囚われていました。シュリはネイモアと話をする中で、ネイモアが長寿であることに気づきます。ネイモアは自身がミュータントであると認めた上で、メソアメリカの16世紀から生きながらえてきたと言います。
ネイモアは「王国を見たい」と話すシュリに合意し、王国タロカン中を連れて見せて回ります。そして、自身の母親たちが青い草を食べたことで海に潜っても酸素を取り込めるようになり海中で生活するようになったと説明します。また、地上に戻りたいと願った母を地上に埋葬する際に地上の奴隷制度や醜い争いを見て、そんな地上世界に戦争を仕掛けたいのだと話します。
さらにネイモアはシュリに、ワカンダ王国に地上世界への戦争の加担するよう説得します。「探知機が登場したのが合図だ」と、今が交戦のタイミングだと信じるネイモアは「世界を燃やしたいと言ってただろう、共に燃やそう」と、初めてワカンダで出会った時のシュリのセリフを持ち出し誘います。
ナキアは、ラモンダの依頼を遂行し、王国タロカンの位置を突き止めます。ラモンダが海岸でネイモアを誘き出し「シュリを返さないとタロカンの存在を明らかにする」と交渉する間に、ナキアがシュリたちの元に向かい、シュリとリリの救出に成功します。しかし、その際にタロカンの護衛が怪我を負って亡くなったことにより、ネイモアは騙されたと知りワカンダ襲撃を決意します。
タロカンの襲撃と母の死。ハーブの再生の成功でブラックパンサー復活へ
シュリらが戻ってきたワカンダは、タロカンの襲撃に備え、全ての水路にソニックバリアを張って防戦体制を整えます。しかし、それらを簡単い破って洪水のような攻撃が始まってしまいます。宮殿にもその手は及び、女王ラモンダは溺れたリリを救うために命を落とします。ネイモアはワカンダの首都を破壊し、次の襲来を1週間後だと予告し姿を消しました。
家族を失い茫然自失とするシュリは、エムバクから「民はどうしたいのか知りたがっている」と問われ「私の心は埋めた」と、感情を押し込めネイモアへの復讐を決めます。そしてラボでリリと共に、無敵のネイモアが皮膚呼吸をする性質であることを突き止め、ネイモアを弱らせる方法を考案し、戦いの準備を進めます。またネイモアから渡された、ブレスレットに織り込まれた青い草の繊維が同じヴィブラニウムがある場所であることで、ハーブに近いのではと考え、ハーブの再生を試み成功させます。
国民の大半が、ジャバリ族の地に疎開している一方、オコエやアネカはワカンダに残っていました。そしてシュリから、開発を進めていたアーマードスーツ「ミッドナイトエンジェル」を着て戦うよう命を受けます。シュリは「兄は死んだが、ブラックパンサーは死んでいない」と、ハーブを飲み、自らが守護者となってブラックパンサーを復活させようとしました。
シュリがブラックパンサーとなって、タロカン襲撃に向かう
ハーブを飲むと祖先の平原に行くことができ、重要なメッセージを受け取ることができると言われています。シュリがハーブを飲み意識を失い目覚めると、宮殿にはティ・チャラではなくキルモンガーのウンジャダカが王座に座っていました。「どうしてここにいるの」と言うシュリに「大事なのは何故、だろう」「平原を信じていたのか？」とシュリに冷たく言い放ちます。そして「なぜハーブを飲んだ」とシュリに問います。
現実に戻ってきたシュリは、「誰に会った？」と聞くナキアの問いには答えず「ハーブ再生は失敗した」と怒りをぶちまけます。しかし、その力は十二分に増幅されており、ブラックパンサーとしての力は備わっていました。そしてシュリ専用のブラックパンサーのスーツに身を包み、エムバクの元でその力を見せ、ブラックパンサー復活を認めさせます。
シュリのタロカン襲撃の決意は強固でした。エムバクから「彼女は戦争を望まないのでは」とティ・チャラや母ラモンダの遺志との相違を指摘されますが「大事なのは私の望み」「ネイモアの死が望み」と譲らず、兵士を率いて大西洋へと向かいます。
大西洋での決戦。ネイモア殺害の間際で、シュリが母の遺志を思い出す
王国タロカンでも、ヴィブラニウム探知機が使われたことに気づき、戦いに備えていました。ソニック発生器を備えたワカンダの潜水艦ロイヤル・シー・レパードが到着し、戦いが始まりました。リリはアップデートしたアイアンハートのスーツで参戦し、シュリとの連携プレーで、ネイモアをサンバードに閉じ込めます。
ネイモアを閉じ込めたサンバードは、高温設定にしてあり、徐々に体内の水分が減ることで弱らせる作戦でした。しかし、ネイモアも負けずにヴィブラニウムの槍で艇を破壊しようと試み、サンバードは破壊され、砂漠へと墜落します。シュリはネイモアの足の羽をむしり取り、さらなる弱体化を試みますが、腹部に槍を刺されてしまいます。
ネイモアが水際に近づき、復活を試みようとすると、背後から槍を引き抜いたシュリが行方を阻みます。そして「ワカンダ・フォー・エバー」の声と共に、爆弾を爆破させました。そして瀕死のネイモアにとどめを刺そうとします。しかしその時、シュリに母ラモンダが「あなたが何者かを示しなさい」と語りかけました。シュリは復讐心を捨て「私たちの復讐に民を巻き込んではいけない」と、ネイモアに降伏するよう諭したことで、戦いは終わりを告げます。
新しい守護者の誕生に湧くワカンダ。地上と海中の最強国との和平は保たれた
ワカンダには平和が戻りました。リリはMITに戻り、再生したハーブはまた植えられました。フォンテーヌに盗聴器を仕掛けられたことで、謀反の罪で収監されかけていたロスは、「白人が繋がれているね」と皮肉るオコエによって脱出成功します。
王国タロカンでは、ナモーラがネイモアに「なぜワカンダに屈したのか」と食いついていました。ネイモアは「ワカンダは地上で最強」「地上世界がワカンダを襲う時には海の最強タロカンを頼るはず」と、宥めます。
滝の上ではシュリのブラックパンサー承認の儀式が始まろうとしていましたが、そこにシュリの姿はありません。シュリはナキアの住むハイチに向かっていました。タロカンとの戦闘前にナキアから「生き延びたらあなたの家があるから」と言われていた場所です。シュリはリュックから、母の葬儀の時に着た白装束を取り出し、焚き火にくべました。燃えていく様子を眺めながら涙を流します。
ティ・チャラが残していたシュリの家族。新しいブラックパンサーの序章が始まる
母と兄を思い出していたシュリの元に、ナキアが小さな男の子と手を繋いで現れました。「私の息子のトゥーサンよ」「トゥーサンはハイチの名前よ」とシュリに紹介します。シュリはそこで、ティ・チャラとナキアの間に子供がいたことを初めて知ります。
ティ・チャラは病床でも、ナキアが妊った際に、王位の重荷を最初から感じさせまいと、ナキアをハイチに住まわせる算段を整えていました。葬儀にも来ないよう指示したのも、ティ・チャラだったのだとナキアは明かします。母ラモンダにも明かしていることを知ると、シュリはホッとした表情を見せました。
「シュリは僕の秘密を言わない？」とトゥーサンは、シュリに話しかけますうなづくシュリに「僕の名前は、ティ・チャラ王子だよ」と高らかに告げます。一人になったと思っていたシュリには、家族がいました。「ブラックパンサーは帰ってくる」のエンドクレジットともに、映画は終わります。
ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー 登場人物
シュリ
ワカンダの王女で、故ティ・チャラの妹。ワカンダの技術開発チームを率いる頭脳を持つ天才科学者です。一作目では兄を慕う明るく可愛いキャラクターでしたが一転、兄の死によって心を閉ざしてしまいます。
今作ではネイモアとの出会いによって、王国を背負う重みと、家族を失う悲しみに翻弄され、復讐心に火がついてしまいます。最後は母ラモンダの言葉を思い出し、ブラックパンサーとしての心を取り戻しました。
ラモンダ
ワカンダの女王で、ティ・チャラとシュリの母。夫ティチャカを爆破テロで失い、息子を病で失ったラモンダにとって、シュリは最後の生きる希望でした。タロカンにシュリが連れ去られたことで、自身がナキアに会いに行き、ネイモアに交渉に赴く行動力はシュリへの愛あってこそでした。
また、リリにも短期間でしたが愛情を注ぎ、最後は彼女の命を救うために自身の命を落としました。戦争を望まない和平主義は、ティ・チャラだけでなくシュリにも無事に受け継がれました。
ナキア
ワカンダのスパイ組織ウォードックのエースで、ティ・チャラの恋人。ハイチに身を隠し、養護施設で人道支援をしていましたが、ラモンダの要請によりスパイ活動を再開し、王国タロカンの位置を突き止め、シュリとリリの救出に成功します。
今回の戦いの後には、再びハイチに戻りますが、それはティ・チャラの子供を人知れず育てるためだったことが最後にはわかります。
リリ・ウィリアムズ
MITに通う19歳の学生で、シュリに匹敵する頭脳の持ち主。発明品開発が大好きで、アイアンハートスーツを自作して、時折YouTubeに目撃情報がアップされているという、ちょっとした「時の人」です。何気無く作ったヴィブラニウム探知機によって、今回の騒動に巻き込まれてしまいますが、ネイモア攻略をシュリと考案してワカンダの勝利に大きく貢献しました。工場にある研究室では、スターク社からの依頼もあったことで、アイアンマン後継者の道は着々と歩んでいるようです。
オコエ
ティ・チャラの幼馴染で、国王親衛隊ドーラ・ミラージュの隊長としてティ・チャラを守ってきました。今回はリリを訪ねる際に、シュリを守れなかったことで隊長の職を解かれてしまいました。しかし、タロカンとの戦いではシュリの開発したアーマードスーツ「ミッドナイトエンジェル」を着用して戦闘に臨みました。
アヨ
ドーラ・ミラージュのメンバー。ティ・チャラの忠実なボディガードとして仕えていました。今作ではオコエの脱退により、隊長として親衛隊を指揮しました。
アネカ
ドーラ・ミラージュのメンバー。槍を使った戦闘よりも、シュリが開発したエナジー・ダガーで戦うことを好みます。タロカンとの戦いでは、オコエと共にミッドナイトエンジェルとして参戦しました。
エムバク
山奥に住むジャバリ族のリーダー。かつてはティ・チャラと王座を争ったこともありますが、キルモンガーの一件からは友好な関係を築き、ティ・チャラ亡き後はリーダーの一人としてワカンダを守っている存在です。強そうで好戦的な印象も持たれがちな一方で、読書を好む和平思想のインテリで、シュリがタロカンと交戦しようとする時にも説得を試みます。
エヴェレット・ロス
元アメリカ空軍パイロットの経歴を持つCIA捜査官。一作目でティ・チャラとシュリに命を助けられたことに恩義を感じ、今回も密かにワカンダに協力をします。それが上司のデ・フォンテーヌの盗聴工作で、バレて捕まってしまいますが、最後にはオコエによって救出されます。
デ・フォンテーヌ
ロスの上司のCIA捜査官。アベンジャーズ解散後から、USエージェント、ナターシャの妹エレーナに声をかけるなど暗躍していましたが、今作ではなんとCIAのメンバーになっており、しかもロスと過去には婚姻関係があった。ロスが「ワカンダのヴィブラニウムをアメリカが持ったら危ない」と言うと「夢見ていることよ」と返しました。彼女の目的は、何なのでしょう。
ネイモア／ククルカン
海底王国タロカンの王で、ミュータント。足首の翼で空をとび、水中でも陸上でも自由に呼吸できる能力を持ちます。マダガスカル付近で目撃され、地元の住民からはマヤの神ククルカンの名で呼ばれています。
ネイモアの名は、母親の埋葬時に遭遇し襲ったスペインの修道士が「愛のない子」（ノアモール）と罵ったことで、地上世界を愛さないと決めた決意も込めて自身の呼び名としたものでした。
アットゥマ
写真左。タロカン軍最強の将軍。ドーラ・ミラージュの隊長オコエも凌駕するほどの戦闘能力を持ちます。実は原作ではネイモアのヴィランで、今作でも忠誠心はあるものの、王の振る舞いに対し疑問を持つ様子も見せるなど、海底王国も一枚岩というわけではなさそう。ワカンダで言えば、エムバクみたいな存在のようです。
＜ナモーラ＞
写真右。タロカン人の冷酷な女戦士。銛を使った攻撃と、深海の生物を争う能力を持ちます。
小ネタ集
ブラックパンサーの息子トゥーサンは、ティ・チャラ王子
ラストに号泣サプライズでした。家族を失ったシュリにとっては、甥っ子がいたことが判明します。トゥーサンはハイチの英雄の名前で、「ハイチでの仮の名前」とナキアが説明し、トゥーサンが自ら「僕の名前はティ・チャラ王子」と名乗っています。
原作でもブラックパンサーには息子がいて、原作では妻はX-MENのストームで、アザリという名前です。彼はハーブの力を元々持っており、これからシーズン5以降で、ヤングアベンジャーズなどと絡んで活躍する可能性があるかも知れません。
ブラックパンサーとネイモアの関係
今作ではネイモアがヴィランだったのですが、実はネイモアは原作ではヒーローの扱いです。なぜ今回ヴィランになっていたのか、疑問に思う方がいたかも知れません。原作を紐解くと、その謎は少し解消できるかも知れません。
原作では、ネイモアは海底の奥深くに存在する伝説の国アトランティスの王です。アトランティスは、アフリカ奥地の神秘の国ワカンダと対立構造のようにして描かれることが多いようです。ネイモアがブラックパンサーと争うエピソードはいくつかあり、有名なものではX-MEN対アベンジャーズで、ミュータント側についてワカンダを攻めるシーンがあります。
他にもイルミナティのメンバーとして一緒に戦うことはあるものの、ワカンダ側がアトランティスを攻めたり、ネイモアがサノスに偽情報を掴ませてワカンダを襲わせるなど泥沼エピソードも…。今回は降伏したものの、まだまだ今後の対立は続くのかもしれません。
海底王国タロカンとは？
ネイモアが治める海底王国タロカンは、大西洋にありました。大西洋って、広い。一体どの辺りだったのでしょうか。
ナキアがシュリたちの奪還のため、情報収集に足を運んだ場所はメキシコのユカタン半島でした。マヤの神ククルカンの名でも崇められていることから、中米近くの海が該当するようです。ワカンダと同じヴィブラニウムを有しますが、巨大なヴィブラニウムが隕石として降ってきた一部が飛び散って、海底に沈んだその場所がタロカンです。
原作ではタロカンという名でなく、アトランティスでしたが、実はその名前、DCUの「アクアマン」で使われているんですよね。その影響があるのかも知れません。ちなみに原作では、ちょいちょい崩壊している国です。
ネイモアの母の形見は、巨大怪獣を呼べるプロテウスの角笛
シュリがネイモアの部屋を訪ねた際に、ネイモアが持っていた法螺貝のようなものがありました。ネイモアは母の形見と言っていましたが、実は原作でも出てくる代物です。今回はそのパワーを見せることはありませんでした。
原作では「プロテウスの角笛」と呼ばれていて、巨大怪獣を呼ぶことができるそうです。
ヴァルはサンダーボルツで帰ってくる
出ました、デ・フォンテーヌ＝ヴァル。フェーズ4のドラマや映画で、怪しい動きをしているところがちらほらと見えましたが、今回はなんとロスの上司で、かつ元妻だったというサプライズも！
すでにドラマ「ファルコン＆ウインターソルジャー」ではUSエージェント、「ブラック・ウィドウ」ではエレーナを謎のチームに勧誘しています。原作ではヴィラン版のニック・フューリーと呼ばれており、サンダーボルツの一人として登場しています。ゆくゆくはサンダーボルツのメンバーとして、これまでの伏線を一気に回収するようなエピソードがあるのかも、楽しみです！
アイアンハートの継父は、ドラマ「アイアンハート」で姿を見せる？
天才少女のリリは、MITで学業に勤しみながら、発明に熱心なキャラクターでした。原作ではアイアンハートは、アイアンマンの後継者です。リリの研究室には、自動車修理工場を営む継父と一緒にいじったクラシックカーが置いてあり、逃走の際に大破しましたが、シュリたちが修理を施し元通りに戻して、リリを喜ばせていました。
アイアンハートは、今後ドラマが決まっており、今回のリリが主人公です。何度か継父のくだりが出てきており、ドラマでその姿が見られるための伏線かもしれません。ちなみに現時点ではオールデン・エアエンライクが演じるのではないか、と言われています。
ミッドナイト・エンジェルって？
シュリが開発していたアーマードスーツをきて戦うチームは「ミッドナイト・エンジェル」と呼ばれました。今作ではオコエとアネカがスーツを着用して、戦いに参加していました。
原作では、ドーラ・ミラージュの中でのさらなる精鋭チームです。メンバーは3名で構成されていて、アヨ、アネカ、ティーラです。ティ・チャラがヴィブラニウムを強奪したドクター・ドゥームを倒すために結成しました。
まとめ
- 新しいブラック・パンサー誕生の物語
- 家族の死を乗り越えるシュリの新たな成長の物語
- 同じヴィブラニウムを保有する陸と海の国の戦い
フェーズ4ラストとなった今作は、いかがでしたか？
今作はマルチバースというよりは、現実世界のマルチディメンション的な世界観でしたが、次のMCU映画は「アントマン＆ワスプ／クワントマニア」が控えており、またも量子世界での話となりそうで、MCUの世界はますます拡大しそうです。
ネイモアがミュータントだと語っていることがX-MENの布石となっている可能性もありますし、続々と公開される作品を楽しみに待ちたいものです。
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