映画「インクレディブル・ハルク」を徹底解説!ネタバレ・MCU他作品との関わり・伏線もまとめます。

映画「インクレディブル・ハルク」は2008年、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズにおいて、「アイアンマン」に続く二つ目の作品です。日本での公開順としては「アイアンマン」に先行した配給元の都合で前後してしまっていますが、ま、そこは気にせずに…っと。

「インクレディブル・ハルク」の主役ハルクといえば、怒りを動力源とする抜群の破壊力を持つ緑色の大男。アベンジャーズの主力メンバーで、MCU作品でもおなじみの顔です。ハルクのことを、この作品で知ることができれば、続く「アベンジャーズ」作品などを、より楽しむことができると言えます。

ここでは、「インクレディブル・ハルク」について、ストーリーを深く追いかけつつ、読んでおけば、初めてでも二度目以降でも、観るのがより楽しくなるネタや、「アベンジャーズ」ひいてはMCU作品全体に通じる「なるほどねー」「へぇー」な、伏線などをおさえていきたいと思います。

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「インクレディブル・ハルク」のネタバレ&あらすじ紹介

それでは「インクレディブル・ハルク」のあらすじをまとめていきます。

ブラジルで過ごす”わけあり”人物は、その名もブルース

まず、タイトルバックからすでにストーリーが始まっている、というのが特筆すべきところでしょう。ブルースが「博士」と呼ばれていた頃に行っていたガンマ線照射実験と、その失敗と事故の様子、軍から逃れるための国外への脱出、その事故に巻き込んでしまった恋人ベティとの別れ…とカットが続きます。

そして、本編映像の冒頭は、その後のブルースの逃亡先、ブラジルのホッシーニャ。荒みきった街並みに、息をひそめるように住まう生活から始まります。ブルースはその地のガラナソーダ工場に勤務しつつ、ハルク化しなくなる根本的な治療法を探っています。心拍数200超えるとハルクになってしまうため、武術の達人に自身をコントロールする呼吸法を学びながら、謎の薬草を試してみるなど模索します。

米陸軍精鋭部隊が、実験失敗体の回収に。変身後の全貌はまだです

一方、実験失敗したロス将軍はアメリカで、ブルースがブラジルにいることを突き止めます。ブルースが務める工場のソーダを飲んだ人間が、ハルクのようになったとの情報をキャッチしてしまったためです。ブルースが油断して、血液を混入させちゃったのです。

ロス将軍たちは、ブルースの捕獲を目論見ます。そのために指名されたのが、ロシアンソルジャーであるブロンスキーです。

ブルースはある日異変に気づき、隠れていた自宅を捨てようとします。しかし、そう簡単にはいきません。周囲は米陸軍が囲み、ブルースが逃げ込んだのは、勤務しているソーダ工場。ここで心拍数は限界値を超え、ハルクになってしまいます。全身ショットはないのですが、工場の設備をぶち壊し、その驚異的なパワーを見せつけます。

ブルースとベティの再会。その裏で米軍では、ブロンスキーに動きが

ブラジルから逃げたブルースはメキシコに流れ着き、アメリカへ。そして事故以前に保管していた自身のデータを回収のため、勤務していた大学に向かいます。そこにはかつて?の恋人ベティが。データを保管していた彼女は、再会したブルースと行動をともにしようと決意します。

一方、ブラジルで観たハルクの圧倒的なパワーに魅了されてしまったブロンスキーに、ロス将軍がスーパーソルジャー計画を明かし肉体改造をそそのかします。そして大学に戻ってきたブルースとベティを待ち伏せ、再び捕獲作戦に挑むのです。ブロンスキーはもちろんのこと、戦車やガンシップ、軍の兵器も総動員しますが、ハルクを止めることはできませんでした。

ブロンスキーの”リベンジ”と、ブルーによる解毒実験は?

ハルクによって全身骨折という大重症を負ったブロンスキーは、奇跡の復活を遂げ、復讐の時を待ちます。ロス将軍たちは、S.H.I.E.L.D.の包囲網を使い、ブルースがコンタクトを取っている研究者を突き止めることに成功し、彼らが落ち合うところを待ち伏せることになるのです。

ブルースとベティは、コンタクトの相手ミスターブルーことスターンズと接触。解毒実験の結果、ブルースは元の姿に戻ることができました。しかし、そこにはブロンスキーたちが。2人はとらわれ、軍のヘリで移送されることになってしまいます。

ハルクと”アボミネーション”の大激突は爽快!

ブロンスキーはさらなる力を求める余り、2人を捕獲したラボに残りスターンズを脅迫、ブルースの血液サンプルを自身に注入させます。みるみるその姿は怪物化。ブロンスキーが「アボミネーション」となってしまいます。

アボミネーションとなったブロンスキーが、街で暴れているとの情報を聞いたブルースは、ヘリから飛び降り、地面に激突します。そして地割れから出てきたのは、緑の腕。ハルクに「戻った」ブルース/ハルクが、ブロードウェイを破壊しまくっているアボミネーションに立ち向かいます。

そこから続くのは、怒涛の肉弾戦!上空からロス将軍たち率いる舞台はハルクの援護射撃に入ります。最後にベティたちが襲われるピンチでは、ハルクの決め技?ハルクスマッシュでアボミネーションの動きを封殺。戦いはハルクに軍配があがりました。

ラストは、アイアンマンとロスが登場

世界はふたたび平穏に。ブルースはコロンビアに、ベティはブルースの思い出を胸にしまいます。そして職を解かれたロス将軍のもとには、スタークが。アベンジャーズの幕開けを予感させながら、映画は幕を下ろすのでした。

 

「インクレディブル・ハルク」登場人物

本作品に登場した主要登場人物をまとめていきます。アベンジャーズへと続くMCUシリーズに関わる人物も姿を見せているので、要チェックですよ。

ブルース/ハルク(エドワード・ノートン)

天才生物学者。米陸軍から放射線への耐性を測るという名目で依頼された実験で、自ら被験者となってガンマ線を浴び緑色の大男=ハルクに変身する体質です。心拍数が1分間に200回を超えると変身するため、日頃から心拍計を持つ。もともと物腰の柔らかい人物だけに、変身後のギャップが大きいですね。「ヒーロー」ではあるが、なりたくなっているわけでなく苦悩するところが見所。この作品を最後にエドワード・ノートンから、ゴッツイおっさん感やや強めのマーク・ラファロに変更となったため、この”ギャップ萌え”は本作ならではと言えます。

緑色の大男ハルクは、身長2・7m。筋力や持久力、肺活量など全ての物理的な身体能力が驚異的に高く、かつ怒りによってその力が増幅。性格といえるものはあまり見えず、比較的本能的な”野獣”感満載です。血液にはガンマ線などの放射性物質が多量に含まれ、他の生物にも悪影響を及ぼします。ハルクという呼び名は、本作中盤で、その姿を目撃した学生が「廃船=ハルク」と呼ぶことから使われ始めました。声は、元祖ハルク俳優ルー・フィリグノが演じているのも”小ネタ”です。

ベティ(リヴ・タイラー)

ブルースの恋人で、遺伝細胞学を専門とする細胞生物学者。幼くして母を亡くし、たった一人の身寄りである父親ロスは陸軍将軍です。その父が5年前にスーパーソルジャー計画を再開させた責任者で、ブルースのハルク化にも関わってしまうことで、複雑な親娘関係も抱えます。行方をくらましたブルースへの思いを断ち切れないまま、優しいレナードと交際しちゃいます(でもレナードが超いい人だったから、よかった)。バットマンシリーズのキャットウーマンを演じたアン・ハサウェイと間違う方が多いので、ご注意ください。

エミル・ブロンスキー/アボミネーション(ティム・ロス)

ベティの父である陸軍将軍ロスが召集した部隊“最強”と言われるガチのコワモテ兵士。戦闘至上主義なので、目つきが狂犬のようです。リオデジャネイロでの戦闘で出会ったハルクの力を望むようになり、ロス将軍のすすめ?誘導もあり変身を選び、ブルースの血液サンプル注入後にハルクと対決します。この作品における”ヴィラン”の変身前の姿です。ちなみに変身後、元に戻る様子はありません。

アボミネーションは、このブロンスキーが、ブルースの超人血清を過剰投与され変身した怪物を指しますが、今作品では、この名称では扱われていません。身長3.7mで、薄緑色の体なのは一見、ハルク”風”だが、やや魚っぽい(半魚人風とも言われている)感じで、やや”醜悪”なヴィランぽい。ハルクとの違いは、変身後もブロンスキーの自我を保っているところでしょうか。でも、そもそもが狂犬ばりの戦闘好きなので、変身後にインテリジェンスがあるのか?は疑問ではありますね。

ロス(ウィリアム・ハート)

5年前にスーパーソルジャー計画を再開させた責任者である米陸軍将軍で、ベティの父。実験失敗でハルク化したブルースを、失敗の事実隠蔽のために行方を追い続けます。自身のキャリアを優先しちゃう嫌な”官僚的”オジさんだし、娘ベティのことだけは愛しているお父さん。ブロンスキーのアボミネーション化をさせておきながら、自己保身のためには躊躇がなく最後はハルクを援護しちゃうあたりはさすがですね。数年後の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」では、陸軍を退役し、アメリカ国務長官として登場します。

ミスター・ブルー(ティム・ブレイク・ネルソン)

グレイバーン大学で教鞭をとる細胞生物学者で、治療の協力者。ブルースがみずからの治療法を探す中で、インターネットを通じて出会います。ハッキングの網をかいくぐるために、ブルースが自らを「ミスター・グリーン」とし、スターンズは「ミスター・ブルー」と名乗ります。雲隠れ生活のブルースが、スターンズに血液サンプルを送り、治療法を研究します。ただし、優秀が故に有効活用を考え、こっそり血液を培養しちゃってマウスや人体実験をする、プチ”マッドサイエンティスト”。

レナード(タイ・バーレル)

ブルース失踪後、失意のベティを支えた”今カレ”。誰よりもベティのことを愛しているが故に、変身したブルースとの再会時には陸軍に通報してしまうが、最終的にはベティを守ろうとしたブルースを見て、ロス将軍を「やつ(ハルク化したブルース)はベティを助けた、しかしあなたは殺そうとした」と断罪します。スタンリーも言う通り、あんたいいやつだ!プチすっきりします。

ほかにも…

他のキャストには、冒頭でブルースに好意を持つ工場の同僚にマルティナ(セクシー美女として有名なデボラ・ナシメント)、合気道のインストラクターは、なんと豪華にヒクソングレイシーが登場しています。

 

「インクレディブル・ハルク」の小ネタあれこれ

ここからは、いくつか本作にまつわる小ネタを紹介します。

主演ノートンは、これを最後にハルク役を降板

今作品で、脚本にも関わっていたノートン。しかし、次の「アベンジャーズ」で登場したハルクは、マーク・ラファロにしれっと変更されていました。

この件についてノートンは「いろいろな理由があって(アベンジャーズに)出演することができなかった」とコメントしています。今作品と「アベンジャーズ」の間には、ディズニーの買収劇もあり、そこで起用に関して”大人の事情”があったと言われています。繊細なブルースと、ハルクのギャップがよかっただけに、ちょっと残念ではありますが仕方ない、順応しましょう。

2003年にも、ハルク作品があったのに?

2003年に、もう1つハルク映画があったの?タイトルはそのまま「ハルク」です。で、5年後に今作品ってどういうこと?

実はこの2003年版「ハルク」は、MCUシリーズとはまったくの無関係。監督は「グリーン・デスティニー」のアン・リー、主演はエリック・バナとジェニファー・コネリーという配役で制作されました。内容も全然違いますし、アベンジャーズにつながるわけでもない、単発ものです。

そして、作品としての評価は…残念ながら”酷評”の一言に尽きました。ですから、今作品は、ハルク映画の”リブート”でもあったのです。

ロスが再始動させたスーパーソルジャー計画とは

1941年のアメリカで、ナチスの脅威に対抗するために秘密裏に遂行された超人兵士製造計画「スーパーソルジャー計画」は、凍結されていたものをロス将軍が再始動させました。この計画による事故が、ブルースをハルクにしてしまったのです。

超人血清を兵士に投与することで、超人兵士を生み出すという計画は「キャプテン・アメリカ」誕生の伏線でもあります。

燃え尽きたロス将軍は、シビル・ウォーで再登場

ロス将軍は本作のラスト、バーで泥酔中、トニー・スターク=アイアンマンに勧誘されます。「いけてるスーツをいつも着ているな」など、センスのいいジョークでアイアンマンをあしらうロス将軍に、トニーは「チームを編成中だ、力を貸して欲しい」と依頼します。

そして「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」にて、国防長官となって再び登場します。

各作品で登場する「S.H.I.E.L.D.」

本作では、そのデータベース&メール検閲を行い、ミスターブルーとブルースのコンタクト傍受、ミスターブルーの所在を発見した「S.H.I.E.L.D.(シールド)」。この組織は、スーパーヒーローを管理する組織としてMCUシリーズで描かれています。

姿はありませんが冒頭で、長官ニック・フューリーの名前が掲載された公文書が登場し、その存在を伏線として匂わせていました。

ヴィラン/アボミネーションのその後は?

本作では見えなかったアボミネーションのその後ですが、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」にて、アラスカのバローに冷凍保存で収容されていることが判明しています。

また、今作品では後半あたりでミスターブルーが、ブルースの血液によって頭部が変化しちゃう場面もあり、ヴィランのリーダーになるってことだよね?という伏線もありました。

映画「シャンチー」では、ゴールデンダガーでウォンと戦うシーンで登場するというサプライズがありました。すでに「シーハルク」など続編に登場することがわかっており、今後の活躍にも期待です。

ルイ・レテリア監督はシリーズファンだから、てんこ盛り

ルイ・レテリエ監督は、ハルクシリーズの大ファンで、TV版を意識してメガホンを握ったそうです。

映画のオープニングシーンはTV版そっくりだし、セットも実はそっくりなんだとか。TV版のテーマソングが流れるなど、シリーズを知る人は、観れば懐かしさで胸がいっぱいになることは間違いなしですよ。

原作者スタンリーのカメオ出演は?

マーベルラバーならば、スタン・リーの名前は覚えておきましょう。マーベル・コミックの名作たち、もちろん当然1962年にハルクシリーズも手がけている方です。彼は多くの映画にカメオ出演(ゲストととして短い時間出演)することでも有名。

今作品では、名前をパロったピザ屋「スタンリー」のオヤジと、それより前にはブルースの血液が混入したガラナソーダを飲んで変身しちゃったおじいちゃんの二役で登場しました。

まとめ!MCUにおける「インクレディブル・ハルク」と、ハルクがMCU作品に及ぼす影響とは?

「インクレディブル・ハルク」によって、続く「アベンジャーズ」や「キャプテン・アメリカ」シリーズなどの伏線がいくつか張られました。

またマーベル作品において稀有な、悲哀をたたえた”悲劇のヒーロー”の姿が見事に描かれていたことで、単なる粗暴な大男ではない、なくてはならないアベンジャーズの一員であることが強く印象付けられました。ハルク単品での作品は本作のみとなりますが、MCUシリーズの重要な”ハブ”として、ぜひとも楽しんで視聴したい作品です。

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