「キャプテン・マーベル」は、2019年3月15日に公開された、マーベルの女性ヒーロー映画です。MCU作品としては21作目にあたりフェーズ3にあり、直後に「アベンジャーズ/エンドゲーム」が続きます。キャプテン・マーベルは「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のラストシーンで、ニック・フューリーが通信したマークの人物です。
今作は時系列をかなり遡り、アベンジャーズが誕生する遥か前の1995年を舞台に、キャプテン・マーベルの誕生秘話が描かれました。また、クリーとスクラルという地球外生命体たちが、地球を巡る戦いを繰り広げることにより、ニック・フューリーがアベンジャーズ構想を立ち上げ、いわばアベンジャーズの始まりが見られるストーリーでした。つまり、アベンジャーズの「初代メンバー」は、キャプテン・マーベルというわけです。アベンジャーズ結成のきっかけにもなったテッセラクト(4次元キューブ)も登場します。
そんなストーリーの中で、ここでは
- ヨン・ログがついた嘘の真意
- ペガサス計画の真相
- アベンジャーズの伏線がちらほら
といったことを中心にまとめます。
本作は2012年に公開されたアベンジャーズの伏線が数多く含まれており、4次元キューブの行方や、なぜフューリーがアベンジャーズ計画に至ったのかなどが回収されます。今作はこれまでと今後のアベンジャーズとの繋がりについてもかなり重要な作品となるため、「エンドゲーム 」に向けた情報を整理できるよう、詳しく解説していきます。
くい部分を中心に解説するので、この記事を読めば「ドクター・ストレンジ」を隅から隅まで楽しめます。
参考新作のあらすじを知りたい方は「【ネタバレ】ザ・マーベルズのあらすじ結末!登場人物まで徹底解説」をご覧ください。
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「キャプテン・マーベル」あらすじ
時代はMCU第1作目にあたる「アイアンマン」よりも前、1995年に遡ります。
ヴァースはスターフォースの兵士で、6年より前の記憶がありません。そして、断片的な悪夢にうなされ眠れぬ日々を惑星ハラで過ごしています。彼女を指導するのはスターフォース長官のヨン・ログ。「過去を忘れろ」「感情を抑制しろ」とトレーニングされながら、両手からビームを出す能力を持つヴァースは、戦場に参加したいとスプリーム・インテリジェンスに願い出ます。
スプリーム・インテリジェンスはクリー人を統率する生体人工知能(A.I.)で、ヨン・ログが「インテリジェンス様」と呼び崇拝する存在でもあります。面会する人によって「潜在意識の中で尊敬する人物」に姿を変えるため、ヴァースの目の前には、悪夢の中で登場する白髪の年配女性として登場し「悪夢のこと」「己を捨て民に尽くせ」と諭します。そして、ヴァースが実戦の場に向かうことが許可されました。
諜報員ソー・ラー救助のために、トルファへ
クリーはスクラル人に領地を侵されることを嫌い、スクラル人の駆逐に奔走していたました。クリー人の調査員ソー・ラーがスクラル人に捕まったと聞き、ヴァース含めたスターフォースは、惑星トルファに向かいます。しかしそれは擬態能力のあるスクラル人の罠で、ソー・ラーですらスクラル人が化けたものでした。そして、ヴァースはスクラルに捕まってしまいます。
スクラルのリーダーであるタロスは、ヴァースの記憶を覗こうとしていました。スクラル人は、ヴァースの失った過去の記憶にある、年配女性の名と戦闘機の追跡劇中に記された「座標」を知りたがっていました。その際に、ヴァース自身もその記憶映像を見たため、その女性の名前が「ウェンディ・ローソン」であり、所属が「ペガサス」であるのを知りました。
多く記憶を見られてしまう前に、ヴァースは手から出るビームを使い、束縛を解くことができました。しかし、それによってスクラル人の宇宙船も壊してしまいました。そしてヴァースは、脱出ポッドで逃げるスクラルを追って、惑星C-53=地球に落下するのでした。
若きニック・フューリーとの出会い、そしてペガサス計画に接触
戦闘服のままで地球に落ちたヴァースは、スクラル人を追いかける中で、断片的な自身の記憶データを奪うことに成功します。そして遭遇したS.H.I.E.L.D.のフューリーに「ペガサス計画」「ウェンディ・ローソン」の名前に関して聞くことができ、米軍基地を訪れることとなります。フューリーは、不審者とも思えるヴァースを追跡する中で、部下のコールソンがスクラル人に擬態されていたのを目撃し、その存在を知ります。しかしまだヴァースが何者なのかの疑いは晴れぬまま、本部と連絡を取り、彼女を確保しようとしていました。
2人がペガサス計画の基地にたどり着き、過去資料を探すと、お目当のウェンディ・ローソン博士はすでに墜落事故で死亡していたことが判明。その資料にはクリー語で書かれたものも混じっていることを見つけ、彼女がクリー人だったことを知ります。そして資料にある写真には、ヴァース自身の姿も写っているのでした。2人は、墜落前のローソン博士とヴァースを最後に見たとされるマリア・ランボーを探すことにします。
しかし基地内でフューリーの指紋で出入り口が自由に開閉しなくなったことで、緊急事態と考えたフューリーがポケベルを使いS.H.I.E.L.D.に連絡したため、基地には上司ケラーたちが登場。ヴァースが力を使って撃退するものの、実は彼らはスクラル人の擬態した姿で、ケラーもスクラル人が化けていたのです。
実は友好的なスクラルたち。記憶を取り戻し真実が明らかに
追い込まれたヴァースとフューリーは、基地からクインジェットを使ってなんとか逃げ出しました。そこには、基地内で出会い、クインジェットに紛れ込んだグースという猫も。2人と一匹は、そのままマリア・ランボーの元を訪ねます。
マリアはヴァースが地球にいた頃、ともにパイロットを目指していた親友でした。死んだはずの親友を前に混乱しつつも、マリアの娘モニカは無邪気に再会を喜び、ヴァースの思い出の品を見せます。その中には、ドッグタグの破片が。その時、ヴァースは自分の名が「キャロル・ダンヴァース」だったことを知ります。
マリアの自宅には、スクラル人タロスたちが忍び込んでいました。しかし、タロスはあくまで友好的な存在でした。墜落事故で死んだローソン博士は、難民となってしまったスクラル人に安住の地となる星を見つけることで、クリー人とスクラル人の戦争を終わらせようとしていたのです。スクラル人の科学者が墜落事故のブラックボックスを復元し音声を聞いた瞬間、ヴァース=キャロルの記憶が完全に蘇ったのでした。
折を見てキャロルと通信していたヨン・ログは、ジャンプポイントの時間に合わせ、地球に向かっていました。「あのことを知ったのか?」と他メンバーたちは、ヨン・ログに確認します。スターフォースのメンバーたちは皆、ヴァースの秘密を知っているようです。同時に、ヨン・ログはスクラルが向かった地球で、万が一のことがあった時のために、ロナンに地球の爆撃を依頼しました。
信じていた全ては嘘。ヴァースは人間キャロルだった
ブラックボックスの音声で、キャロルの記憶が戻ったようです。墜落事故のあったあの日、ローソン博士を乗せ、ヴァースがライトスピードエンジンを搭載した飛行機で向かった先は、ローソン博士のラボでした。その直前に、ヨン・ログたちが飛行機を撃墜したのでした。ローソン博士はマー・ヴェルというクリー人でありながら、クリー人によって故郷を追われたスクラル人を助けようとしたことで、スプリーム・インテリジェンスの怒りを買って裏切り者扱いとなり、追われていました。
ヨン・ログたちに撃墜された飛行機は不時着したものの、ヴァースとローソン博士は生きていました。しかし、ローソン博士がヨン・ログたちに秘密を知られないために飛行機を破壊しようとした瞬間、ヨン・ログがローソンの体を打ち抜きます。キャロルはローソン博士の遺志を継ぎ、飛行機のライトスピードエンジンを銃で撃ちました。
しかしその際に、強大なエネルギーが放出され、キャロルはそれを浴びてしまいます。そのエネルギーが体に宿ったのを見たヨン・ログは、彼女をハラに連れ帰ります。ここで明らかになった真実は、キャロルが持つパワー「フォトンブラスト」はクリー人由来のものでもなく、四次元キューブに由来するライトスピードエンジンによるもの、そして、キャロルたちに銃を向けてきたのは記憶ではスクラル人だったはずが、実は師匠だったはずのヨン・ログだったこと。記憶は書き換えられ、嘘を信じ込まされていたのでした。
コスチューム一新。マー・ヴェル・ラボでの激闘が始まる
キャロルたちは、スクラル人のリーダー、タロスが探していたローソン博士=マー・ヴェルのラボの位置を突き止め、そこに向かう準備をはじめました。スクラルの科学大臣が飛行機を即席の宇宙船に改造し、キャロルは副操縦士にマリア・ランボーをご指名しました。当初は渋るマリアでしたが、「クールな仕事を放棄するの?」と言う娘モニカに後押しされ、心を決めます。そしてキャロル自身はは、緑色のスターフォースのコスチュームを「卒業したい」とモニカに相談します。「私たち、同じチームだし」と、ガントレットを使って緑から赤&青のコンビに変えました。
その頃、地球に到着したヨン・ログはキャロルと落ち合います。互いにスクラルでないことを確かめ、探り探りの会話をしますが、キャロルがスクラルの擬態であることを知ったヨン・ログは、擬態していたスクラル(科学大臣)を銃殺し、キャロルがついに秘密を知ってしまったことを察します。
マー・ヴェルのラボは地球からほど近い、宇宙空間に隠されていました。スクラル人たちもそこに隠れており、タロスは無事に家族と再会を果たしました。エナジーコアの元となる四次元キューブも見つかりました。それを、猫グースがその正体を明かすかのように飲み込み、フューリーがグースごと運びます。しかし、そこにスターフォースも乗り込んできてしまい、キャロルは捕まってしまいます。
キャプテン・マーベルのパワー解放。スクラルたちと共に移住探しの旅へ
囚われたキャロルは、スプリーム・インテリジェンスによって、再び洗脳されかけます。しかし、クリー製のチップで力をコントロールされていたキャロルは、逆にスプリーム・インテリジェンスの前で「人間であること」に目覚め、チップを剥ぎ取りそのパワーを覚醒させました。そのパワーはあまりに強大で、スターフォースの面々を圧倒します。ラボはそのパワーで破壊されかけ、フューリーやタロスたちは宇宙船で脱出、それを追うヨン・ログをキャロルが追跡します。
当初は空を飛ぶ力もコントロールできないキャロルでしたが、時間を追うごとに制御できるようになります。そして、宇宙空間で指示待ちしていたロナンが放った弾道ミサイルも止め、破壊してしまいます。あまりのパワーにロナンも撤退します。鉄拳制裁を加えたヨン・ログには「戦争も、嘘も、私が全て終わらせると、スプリーム・インテリジェンスに伝えて」と伝言を託し、自動運転のジェットでで強制送還させました。
戦いが終わり、キャロルはスクラル人の安全な星探しのため、タロスたちと共に旅立つことを決めました。そして、フューリーには「アップデートしておいた」「緊急時に呼んで」と、取り上げていたポケベルを、通信範囲が銀河系の2倍までに及ぶよう改良して手渡しました。
四次元キューブは、口からタコのような触手を出すフラーケンの猫グースのお腹の中に収まり、隠し通すこともできましたが、フューリーは、そのグースに引っかかれた左目が見えなくなってしまうのでした。
終章1:アベンジャーズ構想の幕開け
片目となったフューリーはオフィスで、ある書類を作成していました。今回の宇宙侵略から地球を守るため、キャロルのようなヒーローが必要だと考え、その計画の立ち上げます。当初は「プロテクター計画」と名付けていましたが、キャロルが乗っていた戦闘機に書かれた「キャロル”アベンジャー”ダンヴァース」の文字から、キャロルのコールサインを使うことを思いつき、「アベンジャーズ計画」という名前をつけたのでした。
終章2:瀕死のアベンジャーズにキャプテンマーベルが合流
お約束の中間クレジットでは、23年後の世界が登場します。サノスが指パッチンをして去った、「インフィニティ・ウォー」後の世界です。そこには、憔悴しきったアベンジャーズメンバーたち。キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウとハルク、ローディ。「ポケベルの信号が消えた」と、駆け寄ったメンバーの視線の先には、消滅する直前に、キャプテン・マーベル に助けを求めメッセージ送信したフューリーのポケベルが。どんなメッセージを送ったかも、誰が受信したかもわからないメンバーたちの横に、「ねえ、フューリーは?」と言って、息を切らせたキャロルの姿が立っていました。
終章3:テッセラクトはフューリーの元へ
エンドクレジットでは、1995年のフューリーのデスクにいるグースが、異次元空間のお腹から四次元キューブをゲロっと吐きだしました。テッセラクトは、今回マー・ヴェルが研究をしていることがわかり、そしてフューリーたちが研究することになります。それはすでに「アベンジャーズ」の研究シーンでもわかっており、テッセラクトが誰の手に渡ってきたのかが、また新たに判明しました。
「キャプテン・マーベル」登場人物
本編では「ガーディアン・オブ・ギャクシー」シリーズのキャラクターや、MCUシリーズでのおなじみのキャラクターを再登場。
キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース
キャプテン・マーベルこと、ヴァースはクリー人の惑星ハラで暮らし、「スターフォース」のエリート戦士です。彼女は、光子ビーム(フォトンブラスト)を操ることのできる唯一のクリー人で、6年より前の記憶を失っています。スクラル人の追っ手から逃れ、地球に落下してきます。タロスに追われる中、フューリーとの出会いをきっかけに、失った記憶の謎を追っていくのです。
実は元地球人で空軍パイロットを目指していますが女性であることを理由に、テストパイロットにしかなれない環境でした。クリー人の時の名前「ヴァース」の由来は、クリーに連れ去られる際の爆発で破損したドッグタグの破片「キャロル・ダン”ヴァース”」からでした。
スターフォース長官/ヨン・ログ
重力を操る圧倒的な戦闘能力を持つ、クリー帝国の精鋭部隊”スターフォース”を率いるクリー人の超エリートかつ、統率力溢れるリーダー。ヴァースの上官であり、一人前の兵士に育てる教官ですが、実は6年前の事故の秘密を知っています。そもそも、これらはすべて、盲信しているスプリーム・インテリジェンスの指示によるもので、自身が何らかの野望を持っているというわけではなさそうです。
原作では、初代キャプテンマーベルであるマー・ヴェルの上官でありながら裏の顔を持ちます。なにせマー・ヴェルを殺そうとしたり、ヴァースを何度も陥れようと企てちゃうんですから。ということもあり、ヨン・ログは全米公開直前まで、主要キャストで名前を明かされていない、サプライズキャラでした。
ニコラス(ニック)・ジョセフ・フューリー
MCUを語る上で欠かせないのがニック・フューリーの存在。アベンジャーズ設立の立役者とも言えるフューリーですが、本作ではアイアンマンと出会う前、まだ片目を失う前の状態で登場します。つまり本作はキャプテン・マーベルだけでなく、フューリーにとってもオリジンストーリーとなるのです。今まで背景の不明だったフューリーですが、原作での「元軍人で冷戦時代のスパイ」という設定が今作では掘り下げられます。また、アラバマ出身で、「ぺろたん」というペットがいること、三角トーストが嫌いという嗜好性も語られています。
今作で宇宙の脅威を知ったことが、フューリーがアベンジャーズ計画へと傾いていくきっかけとなります。演じるのはシリーズ1作目からずっとフューリーを演じてきたサミュエル・L・ジャクソンですが、70代の彼を当時の若さに見せるためにCG処理が施されて見た目を若返らせられています。
スクラル/タロス
宇宙三大帝国の1つで、クリー人最大のライバルとされるのがスクラル人。緑色のエイリアン的な見た目をもち、擬態能力を駆使するのでシェイプシフターともいれわています。スクラル軍の将軍はタロスです。今作は自身の家族を見つけるため、ローソン博士のラボを探しヴァースに接触していました。原作ではスーパースクラルとして強化改造された最強のスクラル人で、今作ではクリー人のソー・ラーやS.H.I.E.L.D.のL.A.支局長ケラーに扮して地球に潜り込みました。
スクラルについて詳しく知りたい方は「【キャプテン・マーベル】スクラルとは?リーダー・タロスを徹底解剖!」をご覧ください。
ウェンディ・ローソン博士/マー・ヴェル
ヴァースの悪夢の中に登場し、ヴァースがスプリーム・インテリジェンスと対面する際にその姿を見せます。つまり、ヴァースの過去に大きな影響を与えている存在です。実はクリー星人の科学者で、元ヨン・ログの部下としてスターフォースにいたマー・ヴェルでした。「クリーとスクラルの戦争を終わらせたい」という思いで、故郷を無くしたスクラル人の新たな星を探し出すための研究を、ペガサス計画の基地で行なっていました。しかし、ヨン・ログによって殺されてしまいます。
原作では、マー・ヴェルはスクラル駆逐のために地球に派遣されたのですが、その対立に疑問を抱き、スクラルを助けようとしクリー人に謀反を起こした存在となっていました。また、ヨン・ログに憎まれまくる存在です。
マリア・ランボー
シングルマザーで、愛娘モニカのために一度は、キャロルたちの手助けに躊躇します。しかし、モニカが「クールな仕事を放棄するなんて!」と興奮する姿を見て、危険を承知でミッションに挑むことを決意。ラボからの脱出で、ミン・エルヴァの追っ手を振り切る名操縦を披露しました。
フィル・コールソン
S.H.I.E.L.D.の一員にしてフューリーの片腕的存在、初期アベンジャーズ結束の立役者といえばフィル・コールソン。「アベンジャーズ」でロキに殺害されて以来、スクリーンからはご無沙汰でしたが、時を遡って久しぶりの登場になります。今作ではいきなり登場した姿の中身は、スクラル人なんですけどね。直感を信じて、窮地のフューリーを助けるあたりはさすが。
ロナン・ジ・アキューザー
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では、すでにクリー軍とは一線を画し、サノスと手を組んでザンダー星を滅ぼそうとして、インフィニティ・ストーンの力によって飲み込まれてしまったロナン。ですが今作で登場する若かりし頃のロナンは、多くの惑星を爆撃することを得意とするエリート軍隊「アキューザーズ」の司令官として、キャロルの力を目の当たりにし「あの女を手に入れる」と呟きます。
コラス・ザ・パーサー
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でロナンの部下として登場したクリー人のコラスも、今作はスターフォースの副司令官として再登場します。ロナンの腹心であるハンターであり、スターフォースナンバー2にして二対の剣を持つ「殺人マシーン」とも呼ばれていますが、ヴァースとは良好な関係を築いているようです。
ミン・エルヴァ
スターフォースのメンバーで、有能なスナイパー。元はDr.ミネルバで、クリー出身の遺伝子学者です。原作コミックでは、クリー人をより進化させるための遺伝子の改良をマー・ベルに求めますが、マー・ヴェルが協力に応じず敵対関係となっています。キャロルが登場するまでは、スターフォースの中ではマー・ヴェルに気に入られていましたが、キャロルにその座を奪われたことで、恨みを抱いています。と同じエイリアンの力を持つため、そのパワーはキャロル同様。マリア・ランボーとの飛行戦により死亡。
◆アット・ラス
スターフォースのメンバーで、スパイをさせたらピカイチの腕前を持っています。原作は、元スターフォースのキャプテンアトラスとみられます。ミン・エルヴァとはパートナーで、共に行動します。スターフォースで、ヴァースが先頭を切って登場するシーンでは真後ろにミン・エルヴァと並んで立つ姿が、定位置のようです。ヴァースを姉のように慕っています。
◆ブロン・チャー
スターフォースのメンバーで、大きな身体から想像できる通り、チーム1の怪力を誇ります。立派な顎ひげが特徴ですね。ミン・エルヴァとアット・ラス、コラスとともに登場し、ジョークも言えるクリー人には珍しいキャラです。原作ではそのようなメンバーはいませんからオリジナルキャラ?と思いきや、その名前は存在し、実はクリーの兵士でありキャプテン・アメリカの盾の1つを破壊したキャラだとのこと。
グース
キャプテン・マーベルたちの失われた記憶を追う旅に、いつの間にか付いてきた猫。6年前から基地にいてローソン博士の猫でした。実はお腹の中にタコみたいな触手を持つフラーケンという種族のエイリアンです。スクラル人は本性を知っているので「膝に乗せるなんて」と、可愛がるフューリーの行動に驚きを隠しません。お腹の中が四次元ポケットになっていて、四次元キューブも飲み込み、今回敵対した相手も割と大勢飲み込んでいました。そして、このグースはフューリーの左目の事実を握る人物です。
グースという名前は原作とは異なります。 原作ではヴァースが飼っていた猫は「チューイ」でした。口から奇妙な触手を出して攻撃するチューイは、原作で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバー・ロケットに殺されそうになったこともあります。
他にも、下記人物が登場します。
マリア・ランボーの娘で、6年前に姿がなくなる=死ぬまではキャロルのことを慕っていました。今作ではキャロルを助けるためにローソン博士のラボに向かうジェットのパイロットを務めるか悩む母マリアを鼓舞し、キャロルが着用してた戦闘服=スーツのデザインを変えるなど、今作での存在感は大きいです。ちなみに原作では、彼女はキャプテン・マーベル の2代目を務めます。今作内でも「私も飛んで助けに行くよ」など匂わせるセリフがありました。
スクラル人で、タロスの妻。キャロルたちが見つけるまで、マー・ヴェルのラボに他のスクラス人とともに隠れていました。フューリーが「上司の姿を盗んだ」という言い方にタロスが「盗みではない」と反論したのに対し「ほぼ同じよ」と加勢。夫タロスから「どっちの味方なんだよ」と突っ込まれていました。
◆ノーレックス
スクラル人の軍人で、タロスとともに地球にやってきます。キャロルに扮しますが、ヨン・ログにバレてしまい殺害されちゃいます。
◆ソー・ラー
トルファに滞在していたクリー人の調査員。スクラル人は彼から認証コードを取り出し、ヴァースをさらいました。しかしトルファにいたのは、タロスが擬態していた姿でした。
◆幼少時代のキャロル・ダンバーズ
演じるのはマッケナ・グレイス。
もっと詳しく知りたい「キャプテン・マーベル」原作・小ネタ集
ここでは「キャプテン・マーベル」をより一層楽しむために、予習しておきたい小ネタを紹介します。
絶対的な存在であるスプリーム・インテリジェンス
今作の中では、スプリーム・インテリジェンスは「クリーを導くA.I.」とだけ紹介されるだけにとどまり、具体的にどんな存在なのかは詳細に描かれることはありませんでした。スプリーム・インテリジェンスは、クリーを統一し、その指示系統を一手に行う絶対的な神的存在です。そのため、ヨン・ログも「インテリジェンス様」と呼び崇拝しているのです。
特典映像では、公開時に削除されていた場面があり、その中には、ヨン・ログとスプリーム・インテリジェンスとの会話シーンが入っています。そこで、ローソン博士をなぜ殺したいのか、が描かれています。つまり、なぜヨン・ログがローソン博士を追わねばならないのか、スプリーム・インテリジェンスの意志とは何なのかに、より踏み込めると言って良さそうです。
今作では対面する人の脳内イメージにリンクするため、相手によってその姿が異なって見えるという登場の仕方です。しかし、原作ではでっかい緑色の頭が培養液に浸かっている状態のものです。「ブラック・ヴォルテックス」で一度破壊されていますが、二代目も登場するしており、その存在は絶対のようです。A.I.というだけあって非常に合理的で、一時は意図的にクリー帝国を破壊し、生き残ったより強力なDNAで再建を目論むこともありました。
四次元キューブの所在が明らかに
四次元キューブといえばテッセラクト。MCUシリーズではあちこちで登場しています。アベンジャーズの戦いの発端となったアイテムで、インフィニティ・ストーンの1つです。 コズミック・キューブやスペースキューブとも呼ばれ、時空を操る働きがあります。
時系列としては「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」で登場し、エンディングでソーがアズガルドへお持ち帰りに。そう、もともとオーディン所有のものでした。 また、「 アベンジャーズ」の冒頭では、すでにフューリーが研究しているシーンから始まっていました。それだけではなく今作では、その前にマー・ヴェルが密かに研究していたことが明らかになりました。
ペガサス計画とはテッセラクトの研究だった
ペガサス計画=P.E.G.A.S.U.S計画は、四次元キューブ=テッセラクトの研究で、強力な兵器を開発するS.H.I.E.L.D.とNASAの極秘プロジェクトを指しています。 過去のMCU作品では「アイアンマン2」で話していたプロジェクトの1つで、その他「エクソダス計画」「ゴライアス計画」などもあります。トニー・スタークの父ハワードが主導だったことも遺書で明らかになっていました。
今作ではペガサス計画は、四次元キューブがスペースストーンを内包していることから、その力を使った光速の移動手段開発などが中心となっていることが描かれました。今回、ローソン博士が開発したライトスピードエンジンもその1つです。最終的には四次元キューブはヨン・ログたちに奪われずに済み、ニック・フューリーが保管することに。その後、時系列的には「マイティ・ソー」のポストクレジットで登場、「アベンジャーズ」でエリック・セルヴィグ博士も研究メンバーとなりました。
スターフォースとは
本作で登場する、クリー人の精鋭部隊と言われているスターフォースは、一見ヒーローっぽい響きではあります。しかし原作では、スーパーヴィランチームとなっています。原作でのクリーを統べる人工生体知能スプリーム・インテリジェンスによって結成されました。クリー人を進化させるためにわざとシアー帝国との戦争を起こさせた末に、大規模なネガボムで破壊し尽くし、その結果生き残った DNAを進化させるというエラく乱暴な計画を遂行するメンバーだったのです。
原作メンバー
- キャプテンアトラス(アット・ラス)
- ロナン・ジ・アキューザー
- コラス・ザ・パーサー
- Dr.ミネルバ(ミン・エルヴァ)
- シャトラテックス
- シュプレモア
- アルティマス
原作では他にサイボーグのシャトラテックスやシュプレモア、アルティマスがいますが、映画には登場しないようです。
モニカ・ランボーは「ワンダ&ヴィジョン」で帰ってくる
キャプテン・マーベルとなったキャロルを象徴するコスチュームカラーをご指名した「おチビ中尉」、親友マリアの娘モニカ・ランボーは、ドラマ「ワンダ&ヴィジョン」で大人の姿で登場することが発表されています。「ワンダ&ヴィジョン」は、アベンジャーズで登場したスカーレット・ウィッチとA.I.であるJ.A.R.V.I.S.の頭脳と人工の肉体を持つヴィジョン、二人を取り巻く作品だと言われています。この2人は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で出会い、恋人関係になっていますが、額にマインドストーンを持つヴィジョンはタイムライン上では死亡済みです。
彼女は、今作でキャロルを慕っており、彼女のようになりたいとヒーロー願望を強く持った女の子でした。それもそのはず、原作では2代目キャプテン・マーベルです。モニカは、クリー人とは関係ありませんが、ヴァース同様に事故によって能力を得ています。そしてその呼び名は、船の海難事故を救った際にスペイン語で呼ばれた名前を誤って解釈されたことで「キャプテン・マーベル」となっていたり、コードネームがあれこれ変わります。
スタン・リーは電車の中で登場
マーベルコミックを語る上で欠かせないスタン・リー氏は、2018年に亡くなりました。彼はこれまで数多くのMCU作品に顔を出す=カメオ出演しており、ファンには「今回はどこででる?」とネタ的な扱いをされていました。亡くなってからの初登場は今作で、ヴァースがスクラルを追いかける電車の中で読書をしている男性でした。手に持った本は「Trust me」とありました。また、オープニングには、彼がカメオ出演したシーンが登場しています。
まとめ
「キャプテン・マーベル」は「アベンジャーズ/エンドゲーム」に直接つながる重要な話であり、彼女がサノス打開のキーパーソンとなりそうなだけに、注目を集めていました。エンドゲームを見るときにも必要な”重要ポイント”をおさえておきましょう。
- 描かれるのは1995年。他のヒーローが登場する前、アベンジャーズが結成される前です。地球で最も早く現れたヒーローであるキャプテン・マーベルが、その後の地球での騒動に一切登場していなかった理由も、本作で明かされた。
- 過去MCUに登場したメンバーの再登場にも注目。アベンジャーズ結成を決意するに至る若かりし頃のニック・フューリーとコールソン、GotGにてサノスと組んでいたクリー人ロナンとコラスが登場。
- 本作のメインテーマは「キャプテン・マーベルの誕生秘話」、そして「ニック・フューリーのオリジンストーリー」「アベンジャーズ構想のきっかけ」です。この2人の出会いが「アベンジャーズ/エンドゲーム」での切り札になってくるので、しっかりおさえたい作品。
「キャプテン・マーベル」を見れば、他MCUシリーズ作品と、何よりフェーズ3の大一番「エンドゲーム 」がもっと面白くなることは間違いなさそうですよ。
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