「マイティ・ソー」シリーズの第4作目で、MCU映画作品29作目「ソー:ラブ&サンダー」フェーズ4に入ってから初めて描かれるソーの物語で、サノスを倒した後にガーディアンズオブギャラクシーの面々と宇宙に旅立ったその後の、新たな物語です。
本作のタイトル「ラブ&サンダー」とは”ラブ=娘”と”ソー”を指しています。このラブとは本作ヴィラン、ゴアの娘で、ラストでそのタイトルが実感できるようになっています。
懐かしい面々もたくさん登場しました。特にジェーンは「ソー2/ダークワールド」以来で、二代目マイティ・ソーとして登場しました。また、過去エピソードで登場したエタニティ、セレスティアルズが伏線として存在したり、ゼウスなどオリンポスの神々ら新キャラも出てきました。
ここでは、その本作を振り返りつつ、一度では理解しづらい部分のおさらいをするとともに、新しく登場したキャラクターや用語についても詳しくご紹介していきます。
ソー/ラブ・アンド・サンダー あらすじ
生命が潰えようとしている乾いた大地には、やせ細った1組の親子の姿がいました。ゴアとその娘は、その世界の最後の生存者でした。ゴアは「ラプーよ」と神の名前を天に呼び、死にかけている娘を救うよう祈りますが、あっけなく小さな彼女の体は動かなくなります。そしてゴアも神の元に召されようとしていたのか、意識が薄れていきます。
目覚めたゴアが目にしたのは、果物と水、緑豊かな森の中でした。そこはゴアたちの世界の神ラプーのすみかでした。「来世の幸せを」と願うゴアに、ラプーは鼻で笑いながら果物を投げつけます。呆然とするゴアの足元には、真っ黒な剣が体に取りつこうとしていました。神を殺せるネクロソードが、宿主としてゴアを選び、ゴアはネクロソードを使ってラプーを殺害します。
ネクロソードは、ゴアに「ビフレストへ向かえ」「すべての神々を殺せ」とゴアに命じます。真っ黒になったゴアは、ネクロソードと一体化したことで、「神殺しのゴア」となってしまい、宇宙の神々の殺戮を始めました。
GotGと行動していたソーは、コーグとともにシフの元へ
サノスを倒した後、ソーはコーグと共に、ガーディアンズオブギャラクシー(GotG)の面々と、スペースバイキングとして旅をしていました。戦いに参加しても何処か上の空のソーは、宇宙で神殺しが多発し、救済信号が殺到している中で、シフの姿を発見します。そして滅亡したアスガルドで、共に戦った仲間を助けに行くことを決意します。
ソーは、コーグと共にストームブレイカーを使って、シフの元に向かいます。そのためには、ハブースカ軍の侵略を阻止したたことで、ヤーカン王から送られた2匹の山羊も連れて行くことになりました。GotGのリーダー、ピーター・クイルから「途方に暮れたら愛する人たちの目を見ろ」との助言と共に、旅立ちました。
瀕死のシフは、死んでしまったフォリガーニ神を守るために戦っていました。「ヴァルハラで会おう」とシフはソーに言い残そうとしますが、「戦っているときでないとヴァルハラに行けないんだぞ」と諭され、なんとか息を吹き返します。そして地球のニューアスガルドに戻ろうとします。
ニューアスガルドを襲う黒い影と、それを阻止するソーじゃない「マイティ・ソー」
ヴァルキリーが統治者として収めるニューアスガルドは、一大観光地になっていました。インフィニティ・ストーンのついたインフィニティ・ガントレットをはめたサノスの左腕が目印のアイスクリーム店「インフィニティ・コーンズ」や、砕け散ったムジョルニアが展示されていました。そのムジョルニアに一人の女性が近づくと、ムジョルニアは反応し、動き始めます。彼女は、ソーが愛した女性、ジェーンでした。
ジェーンはソーとの別れのあと、ワームホール理論を提唱する天体物理学者として活躍していました。しかし、その様子は何処かやつれており、MRI検査の結果ではガンで「ステージ4」と宣告されてしまいます。それでもラボに向かい研究を続けようとするジェーンに、セルヴェグ博士が「化学療法はもう効かない」「ゆっくり休め」と諭します。
治療にほぼ打つ手なしのジェーンは、セルヴェグ博士が残した「スペースバイキングのカードは?」の言葉にふと思い立ち、バイキング神話の書物を手に取ります。そこには、ムジョルニアに関する言及があります。「体を浄化し、健康な肉体を手に入れることができる」という特徴に期待し、ムジョルニアが展示されているニューアスガルドを訪れていました。
ムジョルニアがジェーンを選んだ理由。2人のソーがゴアの神殺しを止める
ソーたちがニューアスガルドに戻る頃、ゴアはネクロソードと共に、街にシャドーモンスターを放っていました。影に潜り込み、子供たちを襲おうとするモンスターを倒すために、ソーたちが駆けつけると、そこにはムジョルニアの力を得てスーパーヒーローさながらに戦うジェーンの姿がありました。
ジェーンはソーに「3、4年ぶり?」と再会を喜びますが「8年7ヶ月と6日だ」と、これまでジェーンを思い続けてきた日数を思わず口にしてしまいます(サノスの指パッチンも影響しているでしょうが)。ソー、ジェーンとも互いを大切に思いすぎたことで、失うのが怖くなった結果の別れであったこと、そしてソーはかつて、ムジョルニアに「いつか彼女を守ってくれ」と頼んでいたことを思い出しました。
ゴアは、ニューアスガルドの子供たちを誘拐して消えてしまいました。攫われた子供たちの中には魔法の目を持つヘイムダルの息子アストリッドがいたため、ソーと連絡を取ることができました。真っ黒な檻に閉じ込められた子供たちは影の国に連れて行かれました。ソーは、ヴァルキリーたちと、子供たちを取り戻すために最強の軍を結成しようと、神々が集まるオムニポテンス・シティ(全知全能都市)に向かいました。
ソーがゼウスを殺す?オムニポテンス・シティで大乱闘!
感情の神々から拝借したコートを纏ったソー、ジェーン、ヴァルキリー、コーグは、オムニポテンス・シティにこっそり忍び込みました。黄金神殿ではじまった神々の集会で登場したのは、稲妻=サンダーボルトを振り回したゼウスでした。お題は生贄をゲットした神の発表や、今後の宴会の予定など、いかにも呑気な内容です。
ソーたちは、ゼウスに呼ばれ中央のステージに立つことになります。ゴアと戦うため、子供たちを取り戻すために「最強の軍隊を集めたくてここにきた」と説明しますが、ゼウスはゴアが殺して回っている神も大した神でないこと、どの神も自分で民を守るべきだと、関わることを拒否します。
ソーは「ゼウスがびびっているというのか」と問いただすと、ゼウスは人目を避けた部屋でそれを認めます。「相手はネクロソードだぞ、神を殺せるんだぞ、ここにいれば安心だからな」と言いながら「門の鍵はわかるまい」と漏らします。その弱腰っぷりにソーは、ゼウスのサンダーボルトを奪い取りその体に突き刺して奪い取り、呼び寄せた山羊たちに乗ってそこから逃走します。
ゴアが目指す永久の門と鍵の罠
オムニポテンスシティでゼウスから聞いた情報では、ゴアが永久(とこしえ)の門を探していること、永久(とこしえ)は最初に来た者の願いを叶えること、そこで神々の死滅を狙っていることでした。ソーは、子供たちを救い出すだけでなく、ゴア/ネクロソードの野望を阻止する必要があると、影の国に向かうことを決意します。
顔だけになったコーグ、ヴァルキリーとソー、ジェーンの4人はビフレストで影の国に向かいます。ビフレストを作り出せるストームブレイカーは、ムジョルニアに未練を持っているように見えるソーに、嫉妬をするかのような動きを見せます。「怒ってないよな?」とソーはビールをふりかけ宥めます。
ジェーンは、ソーに自身ががんを患っていることを告白します。ムジョルニアを持っている間だけはガンを抑え込んでいますが、実は戦っている体自体は酷使されており、死期を早めるだけになっているのでした。そして、ソーとともに暗黒の惑星「影の国」に着き、テントの中に置かれた覚書を見つけます。そこに、ストームブレイカーの存在が描かれているのを見て、門の鍵がビフレストを作れるストームブレイカーで、子供たちをさらったのは、ソーとストームブレイカーを誘き寄せる罠だったことに気づきます。
奪われたストームブレイカー。永久の門を阻止するためアスガルドの子供たちが戦う
影の国の主であるゴアは、暗黒の力を駆使してソーの右手をこじ開け、ストームブレイカーを呼び寄せます。「お前に神の何がわかる」と問うソーに、ゴアは「お前も同類だ」「私は真の平和を望んでいる」とはねつけます。ゼウスから奪ったサンダーボルトも、ヴァルキリーを傷つけるだけに終わってしまい、ビフレストでニューアスガルドに戻れますが、ストームブレイカーは奪われてしまいました。
子供たちは、ゴアとともに永久の門の前に連れてこられていました。ジェーンは癌が進み、手の施しようのないところまできており、もう起き上がることもできません。これ以上マイティ・ソーになると生命が脅かされるところまで来ていました。ヴァルキリーは負傷で動けず、ソーはジェーンに「必ず戻る」と約束して、一人で永久の門に向かいます。ソーが到着する時には、ストームブレイカーで門は開かれようとしていました。
アスガルドの子供たちとの再会を果たしたソーは、雷神の力を授けた子供たちとともに、襲いかかるシャドウモンスターたちを蹴散らしていきます。しかしラスボスである、ネクロソードを持ったゴアは強い。ソーはたちまちピンチに立たされますが、ジェーンがヴァルキリーの白馬で駆けつけ、ソーとともにネクロソードを粉砕することに成功します。
ジェーンを失ったソー。死にゆくゴアは、取り戻した娘ラブをソーに託す
ネクロソードは失われ、白装束に戻ったゴアに、ソーは瀕死のジェーンを抱きしめながら「復讐じゃなくて、大事なのは愛だ」と語りかけます。ゴアは、門の奥にいる存在に神々の死を望むのでなく、死んだ娘を取り戻したいと願うことにしました。しかし、ゴアの命はネクロソードに吸い取られ瀕死の状態でした。「一人にしないから」というジェーンの言葉を信じ、娘をソーたちに託すことを決めます。
ジェーンはソーの腕の中で息を引き取りました。「ハンマーを握ってからもう1つの命をもらえた」と言うジェーンに「神にしては上等だ」とソーが語りかけます。亡くなったジェーンを称えて、ニューアスガルドには子供が戻り、ジェーンの変身したマイティ・ソーの像が建設されました。
ジェーンを失ったソーは、ゴアの娘ラブとの共同生活を始めました。ムジョルニアは、ラブの手にわたり、顔を書かれるなど可愛い状態になっています。「早く靴を履くんだ」と急かすソーにマイペースのラブが出かけた先は、戦いの場でした。2人でスペースバイキング「ラブ&サンダー」の仕事を始めたところで、本編は終わります。
ミッドクレジット:死んではいなかったゼウスがヘラクレスに復讐を命じる
オムニポテンスシティのゼウスの家では、怪我の手当てをされるゼウスが、怒りをたぎらせていました。自らの所業を棚にあげて「神がなめられている」「空に願うのは神でなくヒーローになってしまっている」「人間にわからせなければ」と憎々しげに語ります。
そして「奴らを空から突き落とせ、息子よ」と声をかけた先には、ヘラクレスがいました。ソーの次の敵となるのは、どうやらヘラクレスのようです。
エンドクレジット:ジェーンがヴァルハラに到着した
力を尽くして命を落としたジェーンは、神々のコートをまとっていました。そこに、かつて命を落とした門番のヘイムダルが迎えに来ました。「ヴァルハラにようこそ」と迎えられたジェーンは、戦いの中で名誉ある死を遂げたアスガルド人として認められたようです。
ソー/ラブ・アンド・サンダー 登場人物
ソー
神々の国アスガルドの王・オーディンの子。しかし「エンドゲーム」までの間に、父も母もロキも、最後には故郷アスガルドも失い、あまりに多くのものを失いました。ニューアスガルド建設に貢献したヴァルキリーに王位を譲り、GotGとともに旅立ってからの本作は、序盤はどこか喪失感半端ない様子でしたが、シフからの救難信号に、かつての情熱が戻り始めました。
コーグの回想によれば、過去にお付き合いしてきた存在はあっても、ジェーンはたった一人の存在だったようです。マイティ・ソーとして戦う姿との再会に、過去を思い返しながら自分がやるべきことを取り戻していきました。最後はジェーンを失って、ゴアの娘ラブと生きる道を選んだのは、父オーディンが敵の子供ロキを育てることを選んだことに重なり、ちょっといいなぁ…と思います。
ジェーン/マイティ・ソー
一言で言えば「ソーの元カノ」。ソーとの出会いをきっかけに、ワームホール理論を提唱する天体物理学者になりました。ですが、ステージ4の癌を患ってしまい、その命が終わりを告げようとしていました。
偶然?のムジョルニア情報で、マイティ・ソーになっちゃいましたが、癌は消失せずでした。「もう一つの命をもらった」と最後は、癌で死んでしまう前に、役に立てたことに納得して命の火を消しました。ヴァルハラで安心して過ごしてほしいです。
ゴア
本作のヴィラン。ですが、本人だけじゃなくて、ネクロソードのせいなのよね。原作でも大切な家族を次々に失って、その絶望感が極まって「もう神は信じられない」と神殺しを標榜するヴィランへと変貌してしまいました。
最後に、エタニティと対峙した時にはネクロソードが粉砕されたこと、ソーとジェーンの説得が実って、神々の滅亡でなく、娘ラブを生き返らせることを望んでから命を落としました。
ヴァルキリー
アスガルドでも活躍していましたが、ニューアスガルドの王としてソーから王位を継承。戦士なのですが、都市開発だとかに忙殺されて、戦いから遠ざかっていたところに今回の事件が起こり、ワクワクしちゃってましたね。
LGBTなので、ジェーンの話をソーにすると警戒されていましたが、ソーと再開する前からジェーンの事情もわかっていて、どこか友情めいたものも見えていました。
コーグ
ソーの盟友。サノスに指パッチンをさせてしまった失意のソーをゲーム仲間として支えたのが、クロナン人のコーグでしたから、今回もご一緒するわけです。
山羊コンビを動かす口笛を駆使したり、ゼウスに体を粉砕されても、顔だけでも生きているという頼もしさでした。
トゥースグナッシャー&トゥースグラウインダー
先頭の手助けの御礼として、押し付けられちゃった巨大な魔法のヤギたち。…マジでうるさかったですね…原作でもうるさいキャラらしいです。ソーが肉にして食っちまうか…と言うと、ちゃんと静かになるあたりがヒトっぽさもありました。
ゼウス
ソーもリスペクトし”ていた”全知全能の神。オムニポテンス・シティで、ゼウスの登場に超テンション高かったです。雷神のソーに対して、ゼウスはサンダーボルトを持っています。
自己顕示欲がやたら強い存在という、ちょっとイヤーなおじさんで、ソーたち恥をかかされたことを根に持って、ソーを倒すために息子のヘラクレスを送り込もうとしています。
ヘラクレス
ゼウスの息子で、怪力の神です。原作では1965年に、ソーのライバルとして登場しています。アベンジャーズのメンバーになったこともあります。
ハルクと競うとどちらが怪力なのか?は謎ですが、その怪力っぷりはヴィラン相手にもやりすぎるほどだとか。それで法律で訴えられて、シーハルクに間に入ってもらったことも。
◆GotGメンバー
スター・ロード/ピーター・クイル率いる宇宙の海賊たち。若干戦意弱めなソーを、生暖かい目で見守りながらともに宇宙を旅していました。シフを助けるために戦列を離れると決めたソーから「この船をお前にやるよ」と言われたクイルの、なんとも言えない表情は笑えました。
◆シフ
アスガルドの戦士で、ヴァルキリーのパートナー。救難信号を出したことで、ソーに助けられました。
◆ダーシー
ジェーンの親友で、ジェーンとセルヴィグ教授の助手。本作ではジェーンから癌を患っていることを打ち明けたられ、精神的に支えようとします。
ダーシーは、フェーズ4に入って二度目の登場。ドラマ「ワンダ・ビジョン」でワンダの作った世界の解明をする役割を務めました。
◆セルヴィグ
ジェーンとともに研究をしている天文物理学者。本作では、ジェーンの治療方法を一緒に探していました。
◆ヘイムダル
今はなきアスガルドと、地球を繋ぐ虹の架け橋ビフレストを守っていた最強の番人。前作で命を落としていましたが、本作では無事にヴァルハラに行っていたことが確認されました。
◆アスガルドの子供たち
アスガルドの子供たちは、アスガルド人の子供なのですが、種族が多岐に渡っています。ヘイムダルのような魔法の目を持つ子供もいれば、ライカンの子供もいました。
今回はソーが持つ雷の力を借りて、シャドウモンスターに立ち向かいました。
◆ニューアスガルドの劇団員
ソーシリーズにおいて、彼らの寸劇はなくてはなりません。ちゃっかり、ソーシリーズのおさらいをしてくれてますから。そしてプロ根性は逞しく、ゴアが襲来して子供たちが誘拐されてるというのに、今回のジェーンの活躍を「脚本に入れよう」と相談していました。
小ネタ
原作だと、こんなストーリーになっていた
ガンを患ったジェーンが、ムジョルニアの力を借りてマイティ・ソーになるストーリーは原作に存在しています。ただし、少々設定が異なっているようです。
原作では、ソーがムジョルニアを持つことができなくなる、というところから始まり、その代わりに乳ガンを患っているジェーンが呼び寄せられ、ソーはマイティ・ソーの名を返上したことで、ジェーンがマイティ・ソーとなります。
また、今回登場した2頭の山羊も原作で登場します。ムジョルニアを持てなくなったソーが、飛行機能を喪失してしまったことで、山羊で移動する”しかなくなった”というトホホなエピソード。
ちなみに、ムジョルニアを砕かれるというエピソードもあり、その後ゴッドテンペストによって、復活しています。
ネクロソードとは
本作のヴィランはゴアでしたが、本当のヴィランはこれ、ネクロソードですよね。持ち主に寄生する、邪悪な共生体のネクロソードは、シンビオートとも関係しています。なぜならシンビオートの神は「クヌル」だからです。
ネクロソードは、邪悪な共生神クヌルによって、十字軍を助けるために作られました。別名オールブラックとも呼ばれています。死んだセレスティアルズのエネルギーを利用し、リビングアビス(ネクロパワー)という光と生命を破壊するエネルギーの掛け合わせです。この悪のエネルギー体、といえば、ヴェノムもそれに該当します。
ゴアって?
ゴアは本作でも原作でも「ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー」と呼ばれ、ザ・神殺しキャラです。原作でもネクロソードを持って登場します。初登場は「ソー/ゴッド・オブ・サンダー」#2でした。
ゴアは争いの多い部族の生まれで、両親も早くに失い、妻も地震で命を落としています。そして息子エイガル(原作では息子だったのですね)を飢餓で失い、絶望した末に神を呪ったことで一族を追放されました。その怒りは凄まじく、本作のネクロソードだけでなく「ゴッドボム」という、時空を超えてすべての神を殺戮することのできる爆弾まで作っちゃってました。
ゴアの娘ラブって?
前述の通り、原作でのゴアの子供は息子でしたが、本作では娘ラブでした。「神の力をもつ」と言われており、実際にソーとの生活する中でも、そのパワーを発揮しているオリジナルキャラのようです。タイトルの「ラブ・アンド・サンダー」のキーとなった存在でした。
ちなみに、ムジョルニアに顔の落書きもしちゃう無邪気なお嬢さんでしたが、演じていたのはソー演じるクリス・ヘムズワースの実の娘さんでした。
永久=エタニティとは?
ゴアが探し求めた”永久(とこしえ)”は、原作では言葉そのままエタニティと呼ばれています。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2」でもクイルがその名を口にしており、MCU作品で、ついにその存在が今回姿を見せました。
エタニティは、原作では1965年「ストレンジ・テイルズ」で初登場しました。宇宙の誕生時に、インフィニティと対になって生まれました。本作では宇宙のような姿をしていますが、原作も同様です。
宇宙の根源的な部分にいつもいるというキャラクターになっていて、ソーの父オーディンと関わったり、アダムウォーロックと関わるなどのエピソードがあります。
オムニポテンス・シティとは
ソーたちが、ゴアと戦うために助っ人を集めに行った都市、オムニポテンス・シティは宇宙すべての神々が集う場所です。原作では「ソー/ゴッド・オブ・サンダー」#3で登場したこの都市は、「ソー3/バトルロイヤル」のサカールみたいな位置付けのようです。
神々を統治する統治機関パンテノン議会の拠点、ジェネシスバザールもあります。本作では、たくさんの神々が登場しました。ワカンダの神バステト、マヤの風雨の神ケツァコルトル、小籠包の神パオ、コーグの崇拝する岩の神もいました。また、エターナルズが崇拝していたセレスティアルズも顔を出していました。
ゼウスが登場し、ギリシャの神々もいましたが、彼らが住むオリンパス・シティからやってきたのか、ゴアから逃げてここにいるのか…。ギリシャ神は皆ギリシャ神話のままのキャラでしたね。
セレスティアルズがどう関係してくるか
オムニポテンス・シティ、そして永久(とこしえ)の門にもセレスティアルズの存在がありました。本作では特段、ストーリーに絡んでいる訳ではなかったですが、MCUフェーズ4においては「エターナルズ」でその姿を見せていました。 神々に支えているのか、そもそも神という扱いなのかは不明ですが、今後さらにどういう絡みになるのかは、見守りたいものです。
ヴァルハラとは???
ヴァルハラとは、北欧神話では天国を指します。 アスガルド人が戦いの最中に死ぬと、名誉の死を遂げた場合に行ける場所になっています。 シフは行けたのでしょうか、ヘイムダルは最後に登場したことで、平安の地に行け、そして、マイティ・ソーとして戦ったジェーンも同様の扱いになったようです。
天国の一方で、地獄に該当する場所もあるようです。その名前は、ニヴルハイム。「バトルロイヤル」で登場したヘラがやってきた世界で、ヴァルハラと逆に不名誉な人たちがいく世界でした。
とにかくお祭り状態。カメオ出演がたくさんあるんです!
たくさんの人たちが、本作を賑わしましたよ!
ソー作品からは前回に続き、アスガルド劇団でマット・デイモン、サム・ニールら名優とクリス・ヘムズワースの兄弟が登場。ヘイムダルはもちろんのこと、マーベルツーショットでソーが転がり込んでいた家の一般男性ダリルがニューアスガルドの案内人になっていました。ジェーンの関係性の中ではダーシー、セルヴィグ博士が久しぶりに顔を見せました。
出演者の家族も、あちこちに登場しました。特にソー演じるクリス・ヘムズワースの家族は総出演!ラブ役(インディア)だけでなく、奥様(エルサ・パタキ)は過去のソーの恋人役、双子の息子(サーシャ、トリスタン)がソーの幼少期役で登場しました。また、ニューアスガルドの子供たちにはジェーン演じるナタリー・ポートマンや、監督の子供が名を連ねていました。雷パワーでシャドーモンスターを蹴散らす姿の中から、誰だろう…と探すのもお楽しみです。
まとめ
ソー作品は4作目も、期待を超えてくるエンタメテイストでしたね。また、それだけでなくフェーズ4として、必要な情報がしっかり伏線として張り巡らされている作品でした。
MCU作品はこれからドラマ「シーハルク」を挟み、次は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー4」が控えています。ソーが離脱したスペースバイキングがどうなるのか、これまた楽しみです。
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