MCUにリブートで戻ってくるマーベル映画「ファンタスティック・フォー」は、宇宙で「超」能力を授かった4人がユニットを組んで活躍する作品です。マーベルコミックでの登場が1961年という、古参かつ人気のヒーローチームを描く物語は、2005年&2007年公開シリーズと、2015年公開シリーズの、毛色の違う2つのシリーズが存在します。
今回ご紹介するのは、その後者である2015年に公開されたリブート版です。最初のシリーズとは全く異なり、キャストもストーリーも全く関連性はない別作品です。コミカル要素もなく、苦悩する若者たちの群像劇として描かれ、若い世代に焦点を当てたアルティメットシリーズの原作ストーリーを踏まえたファンタスティック・フォー作品です。
ここでは、そんなストーリーや、映画を観る上でちょっとした楽しみにもなる小ネタをご紹介していきます。MCUのフェーズ5の作品となるヒーローチームのおさらいも含め、ネタバレ含めての作品紹介です。
あらすじ
リードは、子供の頃から親友ベンと一緒に、ガラクタを集めて物質転送装置開発に勤しんでいました。高校生のある日、バクスター財団のバクスター博士にその腕を見初められ、奨学金を得て研究員になることになりました。
バクスター博士は、地球を救うために地球の謎を解明したいと思い、多くの研究をしてきており、目下クオンタムゲート計画が進めていたのですが、難航していました。その発案者ヴィクターはやる気を失っていましたが、リードがその突破口として加入したことでラボに復帰します。
バクスター財団のラボには、バクスター博士の養女スーザンが同じく研究に勤しんでいました。実子のジョニーは、やりがいを見失い車遊びに勤しんでいましたが、リードの加入により意欲を高め、転送装置の完成にこぎつけます。
念願の装置完成で、はやる4人は転送装置で異世界へ。しかしトラブルが
装置を完成させ、異世界に行くことを目的にしていたリードたちは、実際に異世界に行くのはNASAのスタッフだと言われ、ひどく落ち込みます。やけ酒をするリード、ジョニー、ヴィクターは「先に使っちゃおうか」と、転送装置を勝手に起動させようと思いつきます。リードは、ベンを呼び「一緒に行こう」と防護服に身を包み、転送装置に乗り込みました。
果たして4人は、無事に異世界へたどり着きます。緑のエネルギーが流れる地面に降り立った4人でしたが、そのエネルギーにヴィクターが足を踏み入れた途端、そのエネルギーが刺激を受け、地面が爆破を始めてしまいます。必死の思いで転送装置に逃げますが、ヴィクターだけがエネルギーにとらわれてしまい、生還できたのは3人だけ。しかもその3人も、同じく緑色のエネルギーを浴びてしまいます。
彼らの生還を手助けしたのは、その時ラボにいたスーザンでした。手動で転送装置を操作し、戻すことに成功はしました。しかし、大きなエネルギーまで引き連れて戻ってきしまい周辺は停電、3人も大怪我を負ってしまうのでした。
変異した体に戸惑う4人、治すのか受け入れるか、意見は割れる
リードは、自身の体がゴムになっていることにショックを受け、かつベンが岩になってしまったことにショックを受けます。そしてラボでは利用されるだけになることを危惧し逃亡し、誰にも見つからない場所で治療方法の研究を続けました。
スーザンとジョニー、ベンはラボに残っていました。スーザンは光を操るトレーニングをし、ジョニーは耐火スーツで飛行訓練に勤しみます。ベンはすでに政府の申し入れを受諾して、戦争に参加し、軍の支援をしていました。
バクスター博士は治療方法の研究を考え、スーザンも同様の思いだったが、ジョニーは現実を受け入れ、自分が何かに役立ちたいと考えるようになります。ベンはすでにやけっぱちで、リードが姿を消したことで政府に手を貸す見返りの治療法模索に、かすかな希望を持ちながら過ごしていたのでした。
戻ったリード。再完成した転送装置の行き先に変わり果てたヴィクターが
スーザンの徹底したデータ追跡で、リードは見つかりラボに戻ってきます。バクスター博士の要望で、転送装置をもう一度作ることになります。その目的は、異世界に向かい、自分たちの体を戻すためのヒントを得てくることでした。
しかし、転送装置で再び異世界に向かったのは、別のメンバーでした。降り立った異世界には、以前のような緑のエネルギー体は見当たりませんでしたが、ヴィクターが待ち構えていました。ヴィクターの姿は、鋼鉄のような表面になり、すっかり変貌を遂げていました。
ヴィクターは連れ戻されましたが、その性格は風貌以上にさらに攻撃的になっていました。そしてラボのスタッフを攻撃し始めます。「人間は好機を捨てた」と謎の言葉を吐き、地球を滅ぼす宣言をするヴィクターは転送装置に乗り込みます。
転送装置の動きが通常ではない動きをし、上空にブラックホールを作り出してしまます。その穴は、転送装置で行った異世界に繋がっており、地球上のものがどんどん吸い込まれ始めます。地球のエネルギーが、吸われ始めていたのでした。
生き残った4人のための居場所、そしてチーム名前が決まる
ブラックホールのような回路を通じて移動した4人は、力を合わせヴィクターと戦います。「地球が滅び自分だけ生き残ればいい」と言うヴィクターに「ここは僕らにも力を与えた」とリードが掴みかかります。そして、ベンの鉄拳でエネルギーの波にヴィクターを突き飛ばすと、ヴィクターがその波に飲まれ粉砕します。
地球に戻った4人は政府から、協力関係の持続を要請されます。しかし、条件をつけ、監視がないこと、新しいラボを手に入れることを条件にします。12年以上前から使われていたセントラルシティという場所があてがわれました。好きにラボ名をつけて良いと言われ、4人は自分たちのチーム名もつけようとします。
3人がおのおの好きに名前を言いますが、リードはベンがこの場所を「ファンタスティックだ」と言ったことで、何かを思いつきます。そして3人に「決まったぞ」と告げ、映画は終了します。
主要キャスト
メインキャラの設定はリブート前作品と若干異なっているため、改めて簡単に紹介してから、その他キャスト紹介を続けます。
リード・リチャーズ / Mr.ファンタスティック (マイルズ・テラー)
ファンタスティック・フォーのリーダー。体を伸縮自在に操れるが、その性格はあまり柔軟ではありません。
ジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチ ( マイケル・B・ジョーダン)
お気楽なキャラで、自身に授かった能力を歓迎しチームのために還元しようとします。
スーザン・ストーム / インビジブル・ウーマン(ケイト・マーラ)
光を操る能力を得て、自身のできることを探ろうとします。養女なので、過去も含め曰く付き。
ベン・グリム / ザ・シング(ジェイミー・ベル)
リードの親友で、ずっとリードを見守ります。岩のような体になって、その絆に若干のヒビが…。
ヴィクター・フォン・ドゥーム / Dr.ドゥーム -(トビー・ケベル)
ファンタスティック・フォーの宿敵と言えばこの人。しかも、今再び、またもやヴィクターでした。リードに劣等感をもつキャラなのは健在でしたが、本作はあまり本人の背景は描かれず、ただの拗ねキャラぽくなってました。
実は、制作中にファンの意向があり、今作でのフルネームが原作にあうように変更されました。元々は「ビクター・ドマシェフ」になる予定でしたが、ファンによる反発で、マーベルコミックの世界での彼の名前と一致するように、撮影中に「ヴィクター・フォン・ドゥーム」に変更されました。
フランクリン・ストーム
バクスター財団の代表で、研究者。ジョニーの実父で、スーザンの養父です。博愛主義で、地球を救うためには地球の謎を解きたいと言う思いの強い研究者でした。
知っていれば観るのが楽しくなる?小ネタ集
原作はマーベルコミックのアルティメットシリーズ
今作のストーリーは、アルティメット・ファンタスティック・フォーがベースとなっています。2004年から2009年に発行されている作品です。アルティメットシリーズは、他にスパイダーマン、X―メンなどなどがあり、ファンタスティックフォーはその5作目に当たります。
アルティメットシリーズは、若い年代のヒーローたちの苦悩が描かれているため、元々の設定などからも異なっています。これを知らない状態で、本作を鑑賞されると「暗い」と言われてしまうかもしれません。今作の評価も実際にそのような評価が多かったと言います。そのため残念ながら2作目は作られていないのが、残念なところです。
異次元に行った=本当はスクラルも出る予定だった?
今作は、メンバーの関わりにフォーカスしていたので、新しいヴィランの登場はありませんでした。
しかし、原作でのアルティメットファンタスティックフォーの敵は3種類、リードを妬むクレージーな研究者系、ゾンビになったファンタスティックフォーなどのマルチバース系、宇宙からやってくるスーパースクラルなどのコズミック系がいます。もしかしたら、そういう存在の登場の可能性があります。
当初はX-メンとのコラボもあった?
今作は、X-メンとの継続性を持たせているとの話もありました。これは制作が同じ20世紀フォックスだったからということが大きく、実際はコラボの要素は残念ながらありませんでした。
リードとスーの間に生まれた子供は、原作ではミュータントなので十分にX-メンと関われそうなのになあ。でも2019年にマーベルスタジオがその権利を持つことになったので、また新たなコラボの可能性もあるかもしれませんよ。
実は別のエンディングがあった?
本編とは別のエンディングがあったようです。それは、ドゥームが惑星から抜け出し、元の原作通り神として故郷のラトヴェリアに君臨する、という設定だそうです。
しかも、それをベンが防ごうとしてドゥームを捉えようとするのですが、ドーム・オン・ボットが現れ、ベンがお決まりのセリフ「お仕置きの時間だな!」を言って終わる、ってやつらしいのですが、その痕跡はまだ見当たりません。
まとめ
- アルティメット・ファンタスティック・フォーのストーリーで、若き4人の群像劇的作品
- 初代ファンタスティックフォーとは異なる設定もあるが、転送装置で異世界に旅立つ設定は、MCUのマルチバースにも通じる
- 宿敵ドゥームは、ファンタスティックフォーには不可欠。次のリブートでも出てくるのか期待?
いかがでしたか?!原作でも近代バージョンに即したストーリーラインで、異世界=マルチバースの概念も想起させる内容です。再リブートに向け、是非ともチェックすべき作品なので、楽しみにご覧くださいね。
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