今回ご紹介するのは、2作目にあたる「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」です。2007年に公開され、それまでにないヴィランの登場の仕方や、複雑にも見える善悪の描かれた方は、マーベルコミックらしさを強く感じさせる作品です。
本作は、コミックで人気のシルバーサーファーが登場します。また原作のストーリーラインのいくつかを組み合わせた筋立てで、マーベルファンには嬉しい内容となっています。
本記事でわかること
- ファンタスティック・フォー 銀河の危機、あらすじ
- 新しく登場したメンバーたち
- 隠された小ネタ
など を中心に、あらすじに沿って解説します。
「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」あらすじ

宇宙のどこかで星が爆発し、そこから飛び出した発光体が、地球に飛来しました。発光体が通り過ぎた場所は全て、異常事象が発生します。日本の駿河湾は凍結、エジプト・ギザはピラミッドに雪が降り注ぎます。そしてロサンゼルスでは、一斉停電が起きてしまいます。
メディアはこの事象を取り上げますが、それと同時にファンタスティンクフォーのメンバーが挙式することも大きく扱います。世間はリード&スー結婚の祝福モードでした。しかし、当のリードは、その異常事象の方に気をとられ気味で、かつこっそり何かを開発しています。スーは過去三度の挙式延期もあり、気が気ではない様子でした。

発光体は、ぐるぐると地球をめぐり、ラトヴェリア・ハッセンスタットの上空も通過しました。すると、凍結状態だったヴィクター(ドゥーム)が、閉じ込められていた箱の中で目を覚ましてしまいます。
結婚式が台無しに!NYに近づいた発光体はシルバーサーファー

挙式は前日に迫りました。お気楽男のジョニーは、リードをバチェラーパーティに誘います。いやいや連れて行かれるリードでしたが、徐々にテンションアップしはしゃぎ始めます。
そんな時、バクスタービルには米軍が到着します。何も知らず1人留守番だったスーに、ヘイガー将軍は「リード博士に会いたい」と伝えます。タイミング悪く、スーとともに、3人がはしゃぐバチェラーパーティの場に行くことになってしまいます。唖然とするスーザンに「鉄拳タイムだな」とシングは肩をすくめます。

ヘイガー将軍の依頼は、異常事象の原因究明のために力を貸すことでした。まさに、渡りに船とばかりに乗り気のリードです。何と結婚式の準備に隠れて、センサーの開発を進めていたからです。
リードは結婚式直前まで装置完成を終えました。結婚式は順調に進むはず、でしたが、NY上空にも発光体が出現します。発光体は装置を破壊し、周囲にまたも開く影響を及ぼし、挙式を撮影しようとしたメディアのヘリが墜落し、結婚式はめちゃくちゃになってしまいます。
8日後の地球消滅を止めろ! シルバーサーファーは消滅の予兆だった

飛来した発光体を、ジョニーが追いかけます。発光体は銀色の人の姿をしており、サーフボードのようなものに乗って飛行していました。ジョニーが追いついたはいいものの、大気圏付近で突き飛ばれてしまいます。
ジョニーは3人に「シルバーサーファーだ」と発光体を名付け、どんな様子だったのかを語ります。しかし、その最中に異変が。シルバーサーファーに触られたことで細胞の性質が変化しており、触った相手の能力と自身の能力を交換できるようになってしまいます。

そしてシルバーサーファーに関する新たな情報を、リードが発見します。それは、シルバーサーファーの動きを天文データで調べると、アルタイル星、リゲル星、べが星に行ったことが判明、しかもそれらは今死の星になっているとのこと。シルバーがきて8日後にどの星も滅んでおり、つまり地球も8日後に滅びるらしいという見立てになるのです。
しかし、世界中で次々と起きる異常現象に歯止めはかかりません。4人は運河に大きなクレーターが空いているとの知らせで急行しますが、運河脇の観覧車が破損する事態に。必死で食い止めますが、ジョニーの体質変異によってドタバタ劇のような救出になるなど、不協和音が続いてしまいます。
リードとヴィクターが再び手を組むが、ヴィクターの本当の狙いは…?

ヘイガー将軍は、リードたちの力不足を感じ、助っ人を用意したと4人に紹介したのはヴィクターでした。リードたちはラトヴェリアで眠らせたはずのヴィクターの復活に驚きます。ヴィクターは「力を合わせよう」と前向きな言葉は口にするものの、4人の顔には不信さがにじみます。
リードたちは、シルバーサーファーのエネルギーはボードから発生しているため、ボードと人体部分を切り離すことが必要だと言うことに気づきます。そしてリードはスーとの会話の中で、タキオンパルスを利用することを思いつきます。

シルバーサーファーが現れる予兆とも言えるクレーターが、ドイツの黒い森に現れました。現地に向かった4人は、クレーターの周りに装置を設置します。そしてそこにはまんまとシルバーサーファーが登場します。なぜこんなことをするのかと問うスーに、シルバーサーファーは「私は破壊者じゃない」「他に方法がなかった」と語ります。
装置を使っての切り離しは、見事に成功し、ボードとシルバーサーファーは切り離されました。そして、シルバーサーファーは軍に拘束され拷問を受けることになってしまいます。そこに透明化したスーが近づき、本当の破壊者の名前が、ギャラクタスであるとシルバーサーファーから聞かされます。
目覚めたシルバーサーファーが危機を救う

ヴィクターは、シルバーサーファーのボードを狙っていました。シルバーサーファーが拘束されていた、シベリアのネプトゥク基地に保管されていたボードは、ヴィクターに奪われてしまいます。実は、ヴィクターもシルバーサーファーに遭遇しており、手合わせをしたことで、ジョニー同様新たな力を手に入れていました。
4人とシルバーサーファーは、リードが密かに制作していたジェットでヴィクターを追いかけます。しかしヴィクターは、ボードの力で強大化の一方です。そして、宇宙からは、すでにギャラクタスが、地球各所にあいた穴に入りこもうと迫っていました。そんな中で、ヴィクターの攻撃を受けるシルバーサーファーをかばったスーが、胸を貫かれて死んでしまいます。

ジョニーは3人の力を吸い取って、ヴィクターの前に立ちはだかりました。そしてパルスエミッターで、ボードとヴィクターの切り離すことに成功します。シルバーサーファーはスーに命を分け与え、上空のギャラクタスの中央部に飛び込み、ギャラクタスを吸い込みました。その瞬間地球には静けさが戻り、スーは息を吹き返します。
一時は解散しかけたチームだったが「チームで地球を救った」ことに意味を見出したリードとスーは、改めてファンタスティックフォーとしての活動を大事にしたいと心に決めました。そして5度目にして、穏やかな和装結婚式が執り行われました。しかし携帯が鳴り響きます、4人はまた戦闘に向かおうと準備をはじめるのでした。
主要キャスト
- リード・リチャーズ/Mr.ファンタスティック
- スーザン・ストーム/インビジブル・ウーマン
- ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ
- ベン・グリム/ザ・シング
- ヴィクター・フォン・ドゥーム/Dr・ドゥーム
ファンタスティック・フォーの4人と、再びヴィランとして登場したヴィクターはご存知の通り。「【ファンタスティック・フォー】あらすじ・ネタバレ結末!登場人物を徹底おさらい!」の登場人物はこちら
ノリン・ラッド/シルバーサーファー(ダグ・ジョーンズ)

地球が、ギャラクタスの破壊対象になるかを検証しに飛来した異星人。高度な文明が発達している惑星ゼン・ラで生まれた学者で、ギャラクタスの破壊を止めるため、やむなく下僕となったという経緯があり、全身が銀色になっているのは、ギャラクタスの下僕であるという証です。
今作では、コズミックビーイングを操るギャラクタスの手下のような扱いでしたが、実は原作ではヒーローなんです。かつ、グリーンランタンやスーパーマンなど、DCコミックスのヒーローとも共演しています。その悲運とともに、気高い精神をもつキャラなので人気も高く、単独映画化は兼ねてから噂されています。
声優は「ローレンス・フィッシュバーン」が演じています。
ギャラクタス

コズミックビーイングを操る無敵の存在です。永らえるためには、生命体のいる星を食べないといけないという宿命を持つヴィランです。シルバーサーファーにまず偵察させ、食べて良さそうなら移動をはじめて、8日間で到着して「イタダキマス」というわけです。今作はモヤ〜っとしたガス状の生命体然としていますが、原作では人間の姿をしていて、オンスロート、サノスと肩を並べるほどの超大物ヴィランなんですよ。
今作では下僕にシルバーサーファーを従えていましたが、原作では、他にも下僕を抱えています。判明している限りでは、シルバーサーファー含め12キャラで、元人間女性のノヴァや、メイ・パーカー(!?)が下僕化したゴールデン・オルディもいるなど、バリエーションがかなり豊かです。ギャラクタスは、MCU参入が噂されています。
ヘイガー将軍(アンドレ・ブラウアー)

アメリカ陸軍の将軍で、今回の騒動解決をファンタスティック・フォーに依頼してきた張本人。リードの能力を認めつつも、過去自身が推し進めようとした軍のプロジェクトの無効性を立証されて挫折経験を持つことから、若干の嫉妬心も持っています。
小ネタなど
2つの原作回のコラボで完成したストーリーライン

今作の脚本には、前作から継続のマーク・フロストに加え、「シンプソンズ」で知られるドン・ペインも参加しました。ペインは、ギャラクタスが登場する「ギャラクタス・トリロジー」という3話に渡る1966年の「ファンタスティック・フォー」作品と、その数話後のドゥームがサーファーの力を奪うストーリーラインを採用している、と明かしています。
また、地球に異変が発生するという物語の始まりは、2004年〜2006年の「アルティメット・ギャラクタス」のような世界とリンクしています。実際に、ペインはそれらにインスパイアされたと語っており、原作の美味しいところをがっつり合わせたストーリーに仕上がっていました。
無事に結婚できたリードとスー。彼らの間に生まれる子供は?

リードとスーがようやく結婚しました、おめでとう!原作でも2人は結婚しており、その後、彼らには二人の子供を授かります。さあ、後天的な能力をもつ2人の間の子供ってどうなの?と興味はわきますよね。
2人の子供は、フランクリンとヴァレリアと言います。フランクリンはミュータントとして生まれ、マーベル作品「IF」でファンタスティック・ファイブのメンバー、サイロードとして活躍します。ヴァレリアは一度はスーが流産した存在を、フランクリンが別次元に送り出したことで無事に生まれ、一時はフォン・ドゥームの名を名乗るなど、なかなか複雑な事情を抱えたキャラです。
バクスタービルはマーベル伝説の建造物

今作でやたらリッチなオフィスで研究をしていたファンタスティック・フォー。そこは前作でリードが借りたアパートの最上階を改装したビルで、成功の証として豪華になった、というわけです。そのビルはバクスタービル。原作では、ファンタスティックフォーの本拠地として、バクスタービルディングは有名です。
原作初登場は1962年で、設定では1949年に建設されており、国連本部の近くにある元新聞社ビルです。その社長がバクスター氏だったというわけだそうで。その後第二次大戦時にはキャプテンアメリカたちが自分たちの部隊の本拠地として使用していたというものです。さらに、将来的にパーカー(!!)・インダストリーズに買収されることにもなります。映画作品だと、リブートではバクスター財団になっています。
御大スタンリーは、どーこだ?

お待ちかね!スタン・リー御大が登場です。見つかったかな?白いスーツを颯爽と着こなし、リードとスーの結婚式の参列者としてカメオ出演しました。しかし、残念ながら「スタンリーのお名前ございません」と、原作者なのに参列を断られてしまうという…。
まとめ
- ファンタスティックフォー二作目はチーム解散の危機も?
- コミックで人気キャラのシルバーサーファー登場!
- 原作通りに無事にリードとスーが結婚、FFの歴史が続いていく
いかがでしたか?!あわやチーム解散?なんてのもありながら、結局はやっぱりチーム、ファンタスティック・フォーだよね!というめでたしストーリー。ぜひ楽しんでみてくださいね。
マーベル映画がすべて見放題【Disney+】

最新作をいち早く観るなら【U-NEXT】

シリーズをお得に観たいなら【TSUTAYA】
