「マイティ・ソー3/バトルロイヤル」は2017年に公開されたソーシリーズの3作目です。またマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の17作目にあたります。直前の作品は「スパイダーマン/ホームカミング」、直後は「ブラックパンサー」です。
シビル・ウォーに登場しなかったソーとハルクの行方が明らかになります。また新たなヴィランやヒーローの登場もあり、今までとにかく無敵だったソーが太刀打ちできずにムジョルニアを失ってしまいます。ラストシーンは「アベンジャーズ3」冒頭に直接繋がるシーンがあります。
ここでは「マイティ・ソー3/バトルロイヤル」のあらすじから登場人物、おさえておくともっと楽しめる重要なネタバレから隠れた小ネタまで、詳しくまとめていきます。この記事を読めば「マイティ・ソー3/バトルロイヤル」を隅から隅まで楽しめます。
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「マイティ・ソー/バトルロイヤル」あらすじまとめ
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のあらすじについてまとめていきます。「アベンジャーズ2/エイジ・オブ・ウルトロン」で知恵の泉からインフィニティ・ストーンの危険性を知ったソーは、統治する世界をまわり、インフィニティ・ストーンを探していました。
ムスペルヘイムの王・スルトからアスガルドの最後=ラグナロクの予言について聞いたソーは、スルトの頭蓋骨を奪ってアスガルドへ戻ります。アスガルドではヘイムダルは行方不明となっており、ロキがオーディンになりすましていました。
オーディンを探すため、ソーはロキをつれてニューヨークへ。そこでドクター・ストレンジの館へ呼ばれます。ストレンジは魔術を駆使し、オーディンの居場所ノルウェーまで2人を転移させます。
老いぼれたオーディンは、ソーの姉・死の女神ヘラのことを告げます。自分が死ぬとヘラの封印が解かれてしまうから、息子達に託すぞと。そうしてオーディンは光となって消えたのでした。
ヘラの登場、アスガルドの危機
オーディンの死により、ヘラが現れます。ソーはムジョルニアを投げつけるも、ヘラは片手でムジョルニアを破壊。その脅威を前にロキがビフレストの扉を開いて逃げようとするも、虹の橋から2人は蹴落とされます。結果、アスガルドに侵入したヘラは、対抗するウォリアーズ・スリーやアスガルド兵たちを前に、圧倒的な力をもってねじふせます。
実はヘラはかつてオーディンとともに、世界を支配するために活躍していました。しかしヘラの野望をあまりに大きくオーディンに追放・封印されてしまったのです。ヘラは地下に眠る相棒フェンリス・ウルフとかつての英雄兵たちを永久なる炎で蘇らせます。
惑星サカールにて、ソーとハルクの再会
一方、ソーは惑星サカールへと落ち、酒に酔った強い女性・ヴァルキリーに捕られてしまいます。サカールの創始者・グランドマスターに売りさばかれたソーは、闘技場バトルロイヤルの挑戦者としてエントリーされます。そこで王者に勝てばアスガルドへ帰してもらう約束を交わします。一方、ロキも惑星サカールへと落ちていましたが、いち観戦者としてこの闘いを観戦。
髪を切られ戦いの場に出されたソーの目の前に現れた王者は、なんとハルク。戦いの最中、ソーは雷の力を扱えるようになります。グランドマスターの邪魔もあり、ハルクが勝った形で終わります。
サカール脱出!ヘラへの恨みを持つヴァルキリーが仲間に
ソーはヘイムダルの目を通じ、アスガルドの惨状を知ります。ソーはハルクとヴァルキリーを説得しようとするも失敗。クインジェットで1人脱出を試みますが、追いかけて来たハルクがロマノフの映像を見ると、2年ぶりにバナーへと戻ります。
くすぶっていたヴァルキリーは、かつてヘラに仲間を殺された過去と向き合う決意を固めます。こうしてソー、ハルク(バナー)、ヴァルキリー、ロキは手を組むことに。途中ロキに裏切られかけるものの、ロキの行動を予期していたソーは先手を打ち回避。ロキを除くチームはサカールを脱出します。
VSヘラ!アスガルドの最期
ビフレストから逃げようとした国民を阻むフェンリル・ウルフと亡霊たちを前に、ヴァルキリーとヘイムダル、ハルクが立ち向かいます。そこへコーグ達囚人とともにサカールを脱出したロキが大型船団で救助に到来。国民の救助を開始します。
ソーとヘラはアスガルド宮殿でタイマン勝負。ヘラの力の前に、ソーは右目を潰されてしまいます。
「国とは民だ、お前は私より強い」そう述べるオーディンの幻想をみたソーは、再び雷の力を自在に操れるようになり、敵を圧倒していきますが、ヘラにだけはどうしても敵いません。
オーディンの助言からヒントを得たソーは、持ち帰ったスルトの頭蓋骨からスルトを蘇らせます。怒り狂ったスルトはアスガルドの国をヘラごと破壊したのでした。王座に座ったソーは「地球へ向かう」と告げます。
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」ラスト最後シーンは2つ
終章1:アスガルド船団がであった巨大船の正体とは〜アベンジャーズ3への伏線
ソーとロキがともに手を取り合って地球へ向かうことになったアスガルド船団(恐らくこの時点で、ヴァルキリーやコーグとは別行動)。しかしその前に現れたのは、とてつもなく大きな船でした。これは最強のヴィラン・サノスの船で、このシーンは直接「アベンジャーズ3」へとつながっていきます。
終章2:グランドマスターのその後
惑星サカールでは結果的に囚人達が革命を起こした形に。グランドマスターは破れた形になりました。取り囲む多くの囚人達を前に、今回は引き分けにしよう!と饒舌に語るグランドマスターの姿が、エンドクレジット後に流れます。まだ生きているグランドマスター、この後もMCU世界に復活してきそうです。
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」登場人物まとめ
前作「マイティ・ソー2/ダーク・ワールド」から少し時間が空いているので、主要人物をまとめます。前作からの変化にも着目してまとめていきます。
ソー
アベンジャーズ2以降、1人でインフィニティ・ストーンを探し続けてきました。今作では髪を単発にしたり、目を潰されたりとかなりビジュアルにも変更がありました。また、最強の武器ムジョルニアをヘラに破壊され、武器なしの状態になっています。その代わり、ムジョルニアなしでも雷を操れる身体になりました。
ハルク
ソコヴィア騒動後、クインジェットで1人立ち去ったあと行方知れずになっていたハルク。そのまま惑星サカールへと迷い込み、2年もの間ハルクのままでバトルロイヤルで活躍していました。ソーと再会し、クインジェットに残されたロマノフの映像を見たことで、2年ぶりにバナーへと戻ります。長い間ハルクであったためか、これまでよりも人間らしく喋れるようになったハルクでした。
ロキ
「マイティ・ソー2」でソーと手を組んだ戦いで死んだとみられていましたが、実は生きておりオーディンに扮してアスガルドを統治していました。嘘や偽装を得意としており、今回もいつものようにソーを騙そうとしていたものの、読み取られて失敗。最終的にはアスガルドのために動いたことで、ソーと改めて手を組む結果となります。
ヴァルキリー(ブリュンヒルデ)
かつてはアスガルドの王家を守る戦士でしたが、対ヘラ戦で壊滅して唯一の生き残りとなりました。現在はサカールで酒を飲みながら賞金稼ぎを楽しむスクラッパー142(このナンバーはヴァルキリーの初登場コミック「インクレディブル・ハルク #142」のオマージュ)。ヘラへの復讐心を封じ込めて逃げるように生きてきましたが、ソーと手を組みヘラを倒すために立ち上がります。
グランドマスター
サカールの支配者。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場したコレクターとは兄弟。浪費が大好きで、気分屋。闘技場バトルロイヤルを娯楽として運営しています。
コーグ
グランドマスターへの反逆罪で捕まった、岩の体を持つクロナン人。陽気な性格で、革命に協力してくれた囚人の1人。「アベンジャーズ4」で再登場すると言われています。原作では「プラネット・ハルク」でハルクの仲間・ウォーバウンドのメンバーとして登場しています。映画で演じているのは、なんとワイティティ監督本人です。
ドクター・ストレンジ
オーディンの居場所まで魔術を使って送り届けてくれました。彼は彼で地球の平和を守るよう見張っており、かつてニューヨークの戦いで地球に危機をもたらしたロキの到来をよく思っておらず、ソーとロキと接触を試みました。本シーンは「映画ドクターストレンジ」のラストシーンの伏線回収でもありました。
◆トパーズ・カルロ
グランドマスターの逆鱗に触れ、溶かされてしまった人物。
◆ウォリアーズ・スリー
ソーの忠臣。今作では浅野忠信演じるホーガンが、ヘラに立ち向かうものの殺されてしまいます。過去ソーシリーズで活躍していた他2人(ヴォルスタッグ・フィンドル)も一撃で殺害されてしまう。
◆エインヘリャル
9つの世界の中でも最強を誇る、アスガルドの兵士たちのこと。
◆ミークとダグ
コーグの親友。サカールの囚人所で出会ったのがミーク、アスガルドからの脱出船で出会ったのがダグです。ちなみにミーグは原作ではしゃべります。
◆ブラック・ウィドウ
カメオ出演。「アベンジャーズ2/エイジ・オブ・ウルトロン」の最後、いなくなるハルクに向けた通信が保存されていたようです。ハルクがバナーへ戻るきっかけとなりました。
ここからはヴィランを紹介
スルト
アスガルドが統治する9つの世界の1つ・ムスペルヘイムを支配する炎の悪魔。神々が死に絶え、そこから新しい世界を再生するという”ラグナロク”を引き起こす力を持ちます。大昔にオーディンに永久なる炎を奪われたことから、アスガルドへの敵対心を持っています。
ヘラ
死の女神。かつてオーディンと組んで世界を支配していたが、オーディンより強烈な野望と力を持ったことから追放されました。アスガルドの誇るヴァルキリーたちによって命を狙われたものの、圧倒的な力で返り討ちにした過去もあります。結果的にオーディン自身によって封印されていましたが、オーディンの死で解放。無数の刃を身体から出すことが可能。
映画ではソーの姉であるヘラですが、原作ではロキの娘です。映画版のヘラの元になっているのはヘラだけでなく、ゴア・ザ・ゴッドブッチャーというヴィランの要素も含まれています。「Thor:God of Thunder」シリーズで、時空を超えて神々を殺し回ろうとする人物。身体から刃物を出す力もこのヴィランから受け継いでいます。
スカージ
もともとロキに雇われてビフレストの番人を代行していたアスガルド人。長いものには巻かれる性格で、ヘラの進入時にヘラの言いなりとなったものの、最期には良心の呵責から、アスガルドを脱出する国民達を身を呈して守りました。
フェンリス・ウルフ
ヘラの仲間の巨大な狼。死んでアスガルドの地下に埋葬されていましたが、永久なる炎の力で蘇りました。ちなみにフェンリスは、原作ではロキの生み出した子供とされています。
おさえておきたい!「マイティ・ソー/バトル・ロイヤル」9の小ネタ
ジェーンやシフはどこへ?今後は?
ソーシリーズのヒロインといえばジェーンとシフですが、本作には登場しません。「ジェーンとは別れた」とロキに語るシーンで明らかになりました。公式でもジェーンは今後MCU作品に出演する予定は残念ながらないようです。シフは遠征のため本作にも登場しなかったという設定でしたが、実際は演じるジェイミー・アレクサンダーが別のTVドラマの撮影とバッティングしており、出演できなかったようです。今後復帰の可能性があるかもしれません。
ソーが統括する9つの国
ソーシリーズの何度か登場した、ソーの統括する9つの国。すべて別々の次元に存在しており、全ての国を行き来できる唯一の方法が虹の橋ビフレストです。9つのうち、ライトエルフの住む世界「アールヴヘイム」のみ作中で登場していません。前作で登場したダークエルフとは姉妹種族の国で、かつてダークエルフから大量虐殺が行われた過去もある世界だそうです。
9つの国
- アスガルド
- ヴァナヘイム
- ニダヴェリア
- アールヴヘイム
- スヴァルトアールヴヘイム
- ヨトゥンヘイム
- ムスッペルヘイム
- ニヴルヘム
- ミッドガルド(地球)
謎の惑星・サカールとは?
惑星サカールは、コミックでは「プラネット・ハルク」の舞台として知られています。複数ワームホールが存在しており、ハルクのクインジェットもこのワームホールに巻き込まれて到着したとみられます。ワームホールからひっきりなしに異星のガラクタが落ちてくるため、ガラクタで構成された都市になっています。グランドマスターが初めて降り立ち、この惑星における文明を構築したようです。
ハルクはソコヴィアでの戦いの後、2年間この地で過ごしました。ただしサカールでは時の流れが違うので、実際にサカールに滞在していた体感時間はもっと長かったと推測されます。
闘技場の顔
バトルロイヤルのチャンピオン達を讃える顔の像には小ネタが満載でした。予告編ではハルクの顔の位置にマンシングの顔が設置されていましたが、本編では並びが変更されています。
- ハルクの左下:馬に似た外見と高潔なる魂を持つソーの義兄弟ベータ・レイ・ビル
(アニメ版「プラネット・ハルク」でハルクと戦ったエピソードもあります。) - ベータの真下:暗黒空間を作り出すダーククロウラー
- ハルクの右下:オリュンポスの軍神アレス(アニメ「マーベル フューチャー・アベンジャーズ」に登場)
- アレスの下:縦に二つ並んだ顔をもつアンドロイド、バイ・ビースト
- 最下部:カルト的な人気を誇る植物人間・沼地の巨大怪物マンシング
アスガルドの寸劇を演じたのは、豪華キャスト陣!
アスガルドで行われていた前作「ダークワールド」でのロキの死亡シーンの寸劇。実は寸劇を演じていたのはとても豪華な俳優陣だということに気づきましたか。ソー役はルーク(クリス・ヘムズワースの実の兄)、オーディン役はサム・ニール(ジュラシックパークの主人公)、ロキ役はマット・デイモン(オデッセイシリーズなどに出演の実力派)です。ほんの少しの登場シーンにも関わらずこだわっていますね。
「もう日が暮れるよ、大物さん」
作中でハルクにソーが繰り返し呼びかけていたこの言葉。これは「アベンジャーズ2」で暴れて興奮したハルクに対し、ロマノフがバナーに戻すために呼びかけていた言葉です。結果的にソーが同じ言葉で呼びかけてもハルクはバナーに戻りませんでした。
なぜ原題「ラグナロク」が使われていないのか?
作中で使われていた「終焉(ラグナロク)」は本作の原題名です。日本語のタイトルが「バトルロイヤル」に決まったとき、ファンの間ではかなり批判もありました。日本では友人同士が殺し合いの結果、監獄から逃げ出すという「バトル・ロワイヤル」という作品が有名なため、変更を余儀なくされたのかもしれません。
ちなみに本作の構想は、原作「ソー:ゴッド・オブ・サンダー」と「プラネット・ハルク」から着想を得ています。原作に触れる機会があれば、この2作品を比べてみるのがよさそうです。
ジャック・カービー生誕100周年
本作の音楽や映像には、アメコミ界で唯一無二の「ザ・キング」の愛称で知られるアーティスト、ジャック・カービーの影響を受けています。カービーの特徴は、サイケデリックとも言える鮮やかな色彩と、曲線を多用した建物や機械(マシン)のデザイン。カービーらしいデザインを取り入れることで、生誕100周年に捧げる作品としても見ることができます。 エンディングシーンのロゴや作中にでてくるサカール語までもが、カービーから着想を得ています。
スタン・リーは「散髪屋」として登場!
MCUといえばおなじみのスタン・リーによるカメオ。今回はソーの髪を散髪する散髪屋として登場しました。宇宙を見守る神的存在ウォッチャーの仲間だとされる彼、今回もソーの動きを把握していたということかもしれません。
インフィニティ・ウォーへと繋がる!「マイティ・ソー/バトル・ロイヤル」まとめ
今作ではソーが短髪になるなど、ビジュアルがかなり変わりました。この後、ソーは地球へ向かうことになります。ここではMCU作品として抑えて起きたいポイントをまとめます。前作「マイティ・ソー2/ダークワールド」での伏線がいくつか回収されていたり、新たな伏線は次作「アベンジャーズ3/インフィニティ・ウォー」に持ち越されています。
- 「ソー2」の伏線回収 (1)
ロキがオーディンに扮していたことで、行方が分からなくなっていたオーディン。その行方はドクター・ストレンジ知っていた(魔術でわかった?)形で回収されました。 - 「ソー2」の伏線回収 (2)
少しだけ登場したアスガルド宝物庫内のインフィニティ・ガントレット。インフィニティ・ストーンが全てはまっていたため、レプリカではと疑われていましたが、本作で正式に偽物であることが判明しました。(本物はニタヴェリアで作成されてサノスの手に渡ったことが「アベンジャーズ3」で判明します。 - 「アベンジャーズ2」の伏線回収
クインジェットで行方知れずになっていたハルクが、惑星サカールにいたことが判明しました。本作で地球に帰ることを拒否していたハルクですが、このあたりの理由は「アベンジャーズ3」でも触れられます。 - 「アベンジャーズ3」への伏線
今作でロキがテッセラクトをこっそり持ち出していることがわかります。最後に出て来たサノスの宇宙船は、このテッセラクト=インフィニティ・ストーンを回収するために来たことが、「アベンジャーズ3」でわかります。ちなみにロキとヘイムダルは宇宙船内でサノスにやられて脱落します。ヴァルキリーやコーグは「アベンジャーズ3」に出てこないことから、ソーたちとは宇宙船でアスガルド脱出中に分かれていることがわかります。
物語としては直接「アベンジャーズ3/インフィニティ・ウォー」さらには「アベンジャーズ4」へとつながっていきます。
続編は「ソー/ラブ・アンド・サンダー」あらすじや登場人物についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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