スパイダーマンはアメコミでも大人気のヒーローです。映画化も複数回されており、サム・ライミ監督が担当した「スパイダーマン」3部作のほか、マーク・ウェブ監督が担当した「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、さらにMCU作品シリーズと、大きく分けて3つのシリーズが存在します。それぞれ演者も異なり、物語にはつながりがないのが特徴です。
このたび、サプライズとしてMCU映画「スパイダーマン:ノーウェイホーム」に本作メンバーが多く登場しました。どんな作品だったのか。過去シリーズを見返す人も多いと思います。
この記事ではサム・ライミ監督による3部作のうち、2002年に公開された「スパイダーマン1」について詳しく解説していきます。このシリーズでは、60~70年代の原作コミックを元にした世界観で描かれます。ただ見ているだけでは見逃してしまいがちな小ネタも含めて、本編では分かりづらい部分を中心に深掘りして解説していきます。
「スパイダーマン1」あらすじを丁寧に解説
それでは「スパイダーマン1」のあらすじをまとめていきます。
ピーター・パーカーは隣人のメリー・ジェーン(MJ)に恋する少年。しかし鈍臭く学校ではいじめられていました。唯一の親友はハリーです。
クモを見る授業中、脱走したスーパースパイダーにパーカーは噛まれてしまいます。体調不良になり倒れ、起きると視力は回復、動体視力や運動神経が劇的に上がっていました。手首からクモの巣が出るようになり、掌からは細かい毛が生え、壁登りも可能に。こうしてパーカーはスパイダーマンの力を手にいれることになりました。
ノーマン、人体実験でグリーンゴブリンに
ハリーの父ノーマンが運営するオズコープ社では人体強化実験が行われていましたが、失敗例があるからと軍に否定され研究費を失いそうになります。焦ったノーマンは反対を押し切って自分で人体実験して成功しグリーンゴブリンに。ただしゴブリン化した時の記憶はありません。
グリーンゴブリンは、ライバル会社・クエスト社やそれと契約しようとしていた軍にも報復してしまいます。
大いなる力には大いなる責任が伴う
パーカーはスパイダーマンを画策して実験を繰り返します。パーカーの行動を不審におもったベン叔父さんは「大いなる力には大いなる責任が伴う」と助言するも、父親ぶるな!とパーカーは反発します。
パーカーは闘技場でチャンピオンを倒し自らの力を誇示します。賞金を受け取り帰る際、現れた強盗を前に「僕には関係ない」と見逃した直後、ピーターを迎えに来ていたベンおじさんが強盗に撃たれて死んでしまうのです。
怒ったパーカーは強盗を追い詰めるも、自らが見逃した悪人によって大事な人を失った事実に心を痛めます。それからスパイダーマンは、積極的に悪者を取り締まり始めます。
初めてのグリーンゴブリン戦はスパイダーマン優勢
卒業後NYに出て来たパーカーはハリーと同居。久しぶりに逢ったMJはハリーと付き合っていることが判明します。パーカーはスパイダーマンの写真を新聞社に持ち込むことで、憧れのカメラマンとして活動を始めます。
一方、ノーマンはオズコープ社売却の話を持ち出され会社をくびになってしまいます。その腹いせにグリーンゴブリンとなり式典に参加していた会社の要人を殺害します。居合わせたスパイダーマンの活躍でグリーンゴブリンは撤退。建物の崩壊に巻き込まれていたMJを助けます。
ノーマンにスパイダーマンの正体がバレる
その後新聞社を襲撃したグリーンゴブリンに睡眠ガスを浴びせられ連れ去られたスパイダーマンは、グリーンゴブリンに仲間になるよう説得される。世間は2人の関係を疑っており、スパイダーマンのことも悪役として扱っていました。
そんな時、MJが強姦に襲われた状況をスパイダーマンが助けます。2度も助けられたことで、スパイダーマンへの恋心を募らせていたMJはキスを交わします。
火事現場に救助に来たスパイダーマンの前に、グリーンゴブリンが再び登場。逃げ切ったスパイダーマンですが、ノーマンに傷を発見されたことで、パーカーとスパイダーマンが同一人物だと気づかれてしまいます。
グリーンゴブリン決戦!ハリーはスパイダーマンを敵視
パーカーを追い詰めるべく、メイおばさんを襲うグリーンゴブリン。さらにMJも連れ去られてしまいます。子供の乗ったゴンドラとMJを人質にされるも間一髪でどちらも救います。
戦いの最中、グリーンゴブリンがノーマンであることが判明するも、ノーマンは自らの放った攻撃のせいで死亡してしまいます。スパイダーマンがノーマンの死体を家に運ぶところをハリーが目撃してしまい、ハリーはスパイダーマンへの復讐を誓うのでした。
MJは命の危機を通してパーカーへの愛に気づきます。しかしパーカーは、自らが大切な人を危機に巻き込んでいる状況を前に、彼女の愛に応えることはできませんでした。
「スパイダーマン1」登場人物まとめ
本作に登場した主要人物についてまとめていきます。
スパイダーマン/ピーター・パーカー
冴えない学生だったピーター・パーカーは、遺伝子操作で生み出されたスーパースパイダーに噛まれたことをきっかけに、スパイダーマンの能力に目覚めます。素晴らしい反射神経と運動能力、腕から出る蜘蛛の糸を駆使して戦います。
自分の力を見せつけるべくスパイダーマンの力を使い始めたパーカーでしたが、ベンおじさんの死をきっかけに、自分の力は悪を制する責任の元にあると意識し、悪を懲らしめるヒーローとなるようになりました。サム・ライミ監督版ではトビー・マグワイアが演じます。
メリー・ジェーン・ワトソン(MJ)
通称MJ。サム・ライミ監督版では、パーカーが恋心を寄せるヒロインです。パーカーとは6歳の頃から隣に住む幼馴染で女優志望。MJは恋多き女性でフラッシュやハリーと付き合ったりしながらも、自分を2度救ってくれたスパイダーマンへ恋をします。本作最後ではいつもそばにいてくれたパーカーへの想いに気づ告白するも、パーカーに振られてしまいます。
ベン・パーカー
ピーターの育ての親である叔父さん。ピーターの行動を見て親代わりとしてアドバイスを繰り返すも、思春期のピーターには届かず、彼を迎えに行く途中で強盗に撃たれて死んでしまいます。ベン叔父さんの死は、ピーターをヒーローとして立ち上がらせるきっかけとなります。
メイ・パーカー
ピーターの育ての親である叔母さん。ベン亡きあとも、つねにピーターのことを心配し寄り添ってくれます。ピーターの大切な人として今作でもヴィランに襲われた叔母さんですが、次回も同じような境遇にあってしまいます。
ハリー・オズボーン
パーカーの親友で、ノーマンの一人息子。仕事に没頭する父親に厳しくされながらも、父を慕っています。スパイダーマンがノーマンを殺したと思っており、スパイダーマンへの恨みを募らせていきます。3作目でグリーン・ゴブリンを継ぐことになります。
J・ジョナ・ジェイムソン
パーカーが写真を持ち込む新聞社の編集長。スパイダーマンに否定的な考えの持ち主で、しばしばスパイダーマンを否定する記事を書きます。ホームカミングの続編「フォー・フロム・ホーム」で、本作と同じキャストJKシモンズが演じることが明らかになりました。MCUでは編集長ではなくデイリー・ビューグルのキャストとして登場。
ベティ・ブラント
新聞社の経理などを担当している女性。実は原作ではピーターの彼女のひとりです。同じく「ファー・フロム・ホーム」でも登場。エリザベス・バンクスに代わり、アンガーリー・ライスが演じました。
フラッシュ・トンプソン
パーカーのクラスメイトでいじめっ子。高校時代、MJと付き合っていました。スパイダーマンシリーズではお馴染みのキャラクター。MCU作品「ホームカミング」にも登場しています。
ボーン・ソー・マッグロー
闘技場(懸賞プロレス)のチャンピオンとして君臨していたレスラー。原作ではクラッシャー・ホーガンという名で登場しました。
ここからはヴィランを紹介
グリーンゴブリン/ノーマン・オズボーン
ノーマンはオズボーン社で自らが進めていた人体実験の被験者となり、グリーンゴブリンと化しました。強化された身体能力と、飛行用の小型装置を操り、幾度となくスパイダーマンの前に立ちはだかります。最後は自らがスパイダーマンにはなった刃のせいで死んでしまいます。
おさえておきたい!「スパイダーマン」8の小ネタ
今作で登場したグリーン・ゴブリンは、原作でも幾度となくスパイダーマンに襲い掛かったヴィランです。原作でのグリーン・ゴブリンを中心に、スパイダーマン1をもっと楽しめる小ネタを紹介します。
グリーンゴブリン、原作での活躍は…
原作でもノーマン・オズボーンが正体です。映画とは異なり、とにかく金を稼ぐために犯罪を繰り返したいというヴィランで、パーカーの恋人をも殺してしまう狂人でした。何度かスパイダーマンと対立した末に、自らの放ったグライダーを自分に突き刺して死んでしまうという映画と同じ結末を迎えます。ダークアベンジャーズを結成するなど、結構な事件を起こしたヴィランです。
ハリーは2代目グリーンゴブリンに!
映画でも「スパイダーマン3」でヴィランとして登場します。原作では初代グリーンゴブリンである父親からの言葉による暴力を浴びせられたことで人格が崩壊し、2代目のゴブリンとなることになったハリー。しかし彼はピーター・パーカーの親友でもあったため、スパイダーマンにとってはかなり難しい戦いになりました。
原作のアイアン・パトリオットの正体はグリーンゴブリン!
アイアン・パトリオットといえば、MCU世界では「アイアンマン3」でローディ大佐が着ることになる星条旗カラーのスーツのことです。原作では、実はグリーンゴブリンが身にまとっていました。グリーンゴブリンは悪人たちを集めてヒーローになりすます組織「ダーク・アベンジャーズ」を結成したものの、最終的にはアイアンマンとの対決で正体がばれることになります。
原作ではスパイダーマンは様々なマーベル組織に所属
原作では、キャプテン・アメリカと共闘したり、アベンジャーズやニューアベンジャーズ、さらには新生ファンタスティック・フォーにまで参加していたことがあります。ニューアベンジャーズでは「アイアンマン」に登場したA.I.M.やハマー、「アベンジャーズ」シリーズのヒドラなどの組織とも戦ってきました。
ちなみに原作にはハルクとスパイダーマンが戦う話もあります。例えばアベンジャーズ入団試験でもハルクと戦い、勝てなかったことでスパイダーマンは入団を諦めたというエピソードもあります。
グリーンゴブリンは「アメイジング・スパイダーマン」にも登場
マーク・ウェブ監督が手がけた「アメイジング・スパイダーマン」シリーズの2作目でも、グリーンゴブリンがヴィランとして登場します。マーク・ウェブ版ではハリーが初代グリーンゴブリンかのように描かれます。またグリーンゴブリンになる薬を投薬した理由が、不治の病を治すためというオリジナルの設定が追加されていました。
新聞社に登場したメガネ男性はサム・ライミ監督の弟
新聞社で登場したこのメガネの男性、実はサム・ライミ監督の弟が起用されていました。
スタン・リーがカメオで登場
MCU作品でもおなじみのスタン・リーカメオ出演は今作でもありました。オズコープ社のお祭り会場にいた老人として登場しています。
「スパイダーマン1」まとめ
「スパイダーマン1」では、MCUを楽しむ上で押さえておくといい点がいくつかありました。
- スパイダーマンの出生について
- MCUメンバーが登場
MCUシリーズではピーター・パーカーがなぜスパイダーマンになったかは描かれません。「スパイダーマン1」では、遺伝子操作されたスーパースパイダーに噛まれたことで能力を得たという描写がされています。また、ヒーローになろうと思ったきっかけであるベン叔父さんとのやりとりも丁寧に描かれます。
また、メイおばさんやフラッシュ、ベティ、ジョナ・ジェイムソンなど、MCU版スパイダーマンでも登場している人気キャラクターたちが登場しており、その違いにも注目です。例えばメイおばさんはMCU版では若い女性として登場します。
続編は「スパイダーマン2」になります。次回作ではパーカーがヒーロー業と私生活に悩む姿が描かれます。また原作でも長年敵として立ちはだかっているヴィラン、ドクターオクトパスが登場します。「スパイダーマン2」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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