MCUにリブートで戻ってくる元祖マーベル映画「ブレイド」は、人間と吸血鬼の特徴を合わせ持つ“デイウォーカー”のエリックが、ヴァンパイアハンターとして活躍するダークヒーロー作品です。過去1998年に一作目が映画化され、大ヒットを飛ばしシリーズとして3作まで製作されました。
今回ご紹介するのは、2004年公開のシリーズ3作目「ブレイド3」です。過去2作に比べると、ジョークも混じったライトなノリもあり、アメコミ色が強めな印象です。それは本作が、3作すべての脚本を執筆したコミックの脚本化が得意なデヴィッド・S・ゴイヤーが監督を務めたことによると言えるでしょう。ですから、見ていると「マーベルっぽいなー」と思える部分がたくさんあります。
ブレイド演じるウェズリー・スナイプスの衣装がこれまでと変わって、古い原作に近いおっさんぽさが出ていたり、ライアン・レイノルズがまだデッドプールを演じる前だというのにデップーっぽかったりと、本作ならではの楽しみが満載です。そんな作品を、ネタバレ含めてご紹介していきましょう。
ブレイド3 あらすじ
それは、いつものヴァンパイア狩りのはずでした。しかしなぜか、ブレイドが追いかけ殺した中に人間が混じっていました。そして、何者かが、その様子を撮影しています。早速その殺人現場は動画として流出してしまい、ブレイドが大量殺人を犯すシリアルキラーだと世間が騒ぎ始めます。
ウィスラーは、孤立していくように見えるブレイドを心配します。
そして、自身の左薬指のリングを見つめると、密かにある人物と連絡を取ろうと動き始めるのです。
ヴァンパイアの始祖ドレイクが4000年の眠りから目覚める
イラクのシリアでは、ヴァンパイアたちが遺跡に潜入し、ある存在を目覚めさせようとしていました。その存在は地中から現れると、ヴァンパイアたちを殺そうとします。それはヴァンパイアの始祖であるドラキュラでした。今ではドレイクと呼ばれており目覚めさせられたことでご機嫌斜めです。
ドレイクを目覚めさせたのはダニカでした。ダニカは、デイウオーカーであり始祖であるドレイクのDNAを用いた薬を開発し、ヴァンパイアのデイウォーカー化を目論んでいました。ドレイクは、ダニカが「邪魔な存在がいる」と名指したブレイドが、デイウォーカーであり、かつヴァンパイアを脅かしていることを聞き、興味を示します。
ウィスラーの死とナイトストーカーズとの出会い
ブレイドは、殺人鬼としてブレイドはFBIに逮捕されてしまいます。しかし実はそこにもヴァンパイアの奴隷たちが混じっており、冒頭の殺人現場も含め、奴隷たちが仕組んだ罠にブレイドははめられたのでした。
ウィスラーは、アジトに突入してきたFBIから情報を奪われないために電子データの全てを消しながら、爆破装置を起動し、自身の命も落としてしまいます。
警察で拘束されたブレイドは、薬剤を大量投与されてしまい窮地に陥りますが、鏡を突き破ってハンニバルキングが突入、間一髪で救出されます。そこには弓矢を構えた女性アビゲイルも参戦、ハンニバルキングから「ウィスラー!」と呼ばれる様子を見て、ブレイドは彼女がウィスラーの娘らしいことに気づきます。
ナイトストーカーズとブレイドのタッグ
2人は、ナイトストーカーズと呼ばれるヴァンパイアを倒すために結成された組織のメンバーでした。ハンニバルキングは5年前までダニカの奴隷で、アビゲイルに助けられ治療を受けて復讐のためにハンターに。アビゲイルは殺されたウィスラーの家族とは別の女性の間に生まれた子供で、父親からブレイドを助けるよう連絡がきたため動いたと明かします。
メンバーの科学者サマーフィールドは生物兵器を開発しています。デイスターと呼ぶ合成ウイルスが完成すれば、ヴァンパイアを絶滅させることができると語ります。その完成のためにはドレイクのような純粋なDNAが欲しいと語りました。
ダニカの潜伏場所を探す中、ブレイドが逮捕された際に薬物を投与した法精神科医バンス博士から電話がかかってくる奴隷を発見しバンス博士の元に急行しました。しかし時すでに遅し、そこにはバンスに変化したドレイクがおりバンス博士は殺害され、情報の糸は途切れてしまいます。
ヴァンパイア撲滅兵器デイスターを手に反撃
ヴァンパイアたちは、バイオメディカ社を隠れ蓑にして、不穏な動きをしていました。ブレイドたちは、ヴァンパイアたちが各都市に血液工場を建設しており、人間を生かしながら血液を採取していることを突き止め、怒りを滾(たぎ)らせます。
その一方で、ナイトストーカーのアジトはドレイクの襲撃を受けていました。ハンニバルキングとサマーフィールドの娘ゾーイは連れ去られ、その他メンバーは虐殺されていました。泣き叫ぶアビーに「悲しみと怒りを力にしろ」とブレイドが、復讐の準備をするよう告げます。
そこに、別拠点メンバーのコールダーがブレイドたちに接触してきました。サマーフィールドが事前に生物兵器デイスターのコードを転送してきており、少量ながら出来上がったデイスターをアビゲイルに手渡します。これをドレイクに結合させて拡散させればヴァンパイアを絶滅できますが、一方でブレイドも死ぬ可能性があるという代物でした。
デイウォーカー対決はブレイドとドレイクどっちに軍配?
捕らえられていたハンニバルキングとゾーイの元に、ブレイドとアビゲイルが到着しました。アビゲイルの弓にはドレイクに打ち込むためのデイスターが仕込まれています。ブレイドはドレイクと1対1の対決になり、ドレイクはついに真の姿を表しました。
そこにアビーが遠くからドレイクめがけて矢を放ちます。しかしその体は硬く、矢を弾いてしまいます。その矢じりを窮地のブレイドが拾い上げ、手で直接ドレイクの体に打ち込むことに成功しました。ドレイクの体内に入ったデイスターは、ドレイクのDNAと結合することで完成、空気中にウイルスとして拡散が始まり、ヴァンパイアたちは灰色の姿へと変貌し倒れていきました。
ドレイクは、ブレイドに「新しいヴァンパイアを作ろうとしたが、ここにいた」「お前に未来を託す」と言い残し息絶えました。そして、ブレイドも動かなくなりました。突入してきたFBIはブレイドの体だけを発見し回収、解剖しようとします。しかし、その途端ブレイドの姿は、ドレイクになってしまい、再びブレイドを逃してしまいます。ブレイドは、デイスターにも耐えうる体であり、無事に生き延びていたのでした。
最後はいつもの黒い愛車に乗って、街を駆け抜けるシーンで映画は終了します。
ブレイド3 主要キャスト
3作通して登場していたブレイドと、ウィスラーを除く、新しいキャストを紹介していきます。
アビゲイル(ジェシカ・ピール)
ナイトストーカーズのメンバーで、ウィスラーの娘。もともとウィスラーは家族をヴァンパイアに殺されたことで、ハンターになったのですが、なぜか他にも子供がいたという筋立てからの登場でした。もっとあれこれ説明があってもよかったのですが、ウィスラーが指輪を見つめるシーンから、アビゲイルが登場するので、再婚した相手がいた、ということのようです。
演じるジェシカピールはアクションが得意な女優として、多くのアクション映画に出演しています。
ハンニバルキング(ライアン・レイノルズ)
ナイトストーカーズのメンバー。元ヴァンパイアの奴隷で、アビーに助けられハンターに転向したという経歴です。そのため、ヴァンパイアに二度と戻ることを何より恐れていました。原作ではミッドナイトサンズというヒーローチームに属する、オカルト関連の調査を行う吸血鬼の探偵です。原作でもナイトストーカーズとしてブレイドと手を組んでいました。
演じるライアン・レイノルズは、デッドプール役が有名ですよね。コメディ俳優の本領発揮で、本作でも軽口を叩きまくっていました。ダニカに捕まり拷問されるが、ほぼほぼ口喧嘩になっているところがツボです。
サマーフィールド(ナターシャ・リオン)
ナイトストーカーズのメンバーで科学者。ゾーイという娘がおり、盲目であるために点字でオズの魔法使いを読んであげるのを日課にしていました。本作での最終兵器となるデイスターの開発者です。
ドレイク(ドミニク・パーセル)
ヴァンパイアの始祖ドラキュラ。吸血鬼ドラキュラを書いた小説家ブラム・ストーカーも知っているという設定です。悪役、というよりは、無敵すぎて神レベルが故に善悪もない、という役どころでした。演じるドミニク・パーセルはドラマ「プリズンブレイク」で一躍人気になった俳優です。
ダニカ・タロス(パーカー・ポージー)
今回のメインヴィラン?というのがいいかもしれません。ドレイクを使って、全ヴァンパイアをデイウォーカー化しようとした首謀者でした。
ジャーコ・グリムウッド(トリプルH)
ダニカの仲間の大男で、前作のリーパーのような変化をするポメラニアンを飼っています。演じるHHHはプロレスラーで戦い方も肉弾戦、ちなみに吹き替えは蝶野正洋と、ここだけやたらプロレス色が強いキャラでしtら。
見どころ、小ネタなど
今作はコミックの内容が各所に盛り込まれる演出が多いのも、楽しどころでした。これはメガホンをとる予定だった監督が降板となり、最終的にゴイヤーが監督をしたことによる影響が大きいと思われます。いくつかご紹介します。
ついにウィスラーが娘を残して死んでしまった…
一緒に過ごして20年を超える、親子のような絆で結ばれていたブレイド長年の相棒ウィスラーが、ついに死んでしまいました。毎作ウィスラーが死ぬ、消えるなどストーリーの肝になっていたが、今回はなんと序盤に爆死するという衝撃的な終わり方でした。
失った家族とは別の女性との間に娘がいた、というストーリーは一見、硬派なウィスラーに一体何が…という困惑も生まれました。しかし実は原作に忠実になぞらえたに過ぎず、家族を失ったウィスラーがある女性と一夜を共にして、娘が生まれたという話があります。
ナイトストーカーズとは?原作にも存在する
本作で登場したナイトストーカーズは、ヴァンパイア狩りをする集団として描かれており、孤立したブレイドの支えとなる存在でした。
原作でもナイトスーカーズという名前が存在します。コミックではブレイドと、ハンニバルキング、フランク・ドレイク(え?ドレイク?)という3人がヴァンパイアハンターをしつつ、オカルト捜査をするというものです。しかし、ヴァーネイとの戦いで、操られたキングがドレイクと刺し違えてしまったことにより、チームは消滅しています。
これはどこが舞台なの?という仕掛けもコミックならでは
FBIがブレイドのアジトに突入したら、そこはきっとアメリカだよね、と勝手に思ったらそれは間違いです。ウィスラーが新聞を買っていた店ではスペイン語を話すし、警察もスペイン語の表記があるなど「ここどこ?」感が随所にありました。これは、ゴイヤーが意図的に作っていた世界観で、コミックにも通じる作りです。
ちなみに、ウィスラーがスペイン語を話していた相手は、実は撮影監督のガブリエル・ベリスタン。ウィスラーが新聞を購入する際に、片目の新聞屋としてカメオ出演していました。
まとめ
- アメコミ色が強まったブレイド3作目は脚本執筆をしていたゴイヤーのメガホン作
- スナイプス演じるブレイドの見納め。アクションシーンのキレの良さは健在
- デップー前のライアンレイノルズも舌好調!ブレイド以外のキャストも注目
いかがでしたか?元祖三部作のラストは、これまでの2作とまた違ったテイストで楽しめることは、間違いありません。リブート前に是非ともおさらいしつつ、ブレイドの世界観を満喫してくださいね!
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